MEMORANDUM 今日の視点(伊皿子坂社会経済研究所)

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#2254 おすすめの旅行先

2022年09月13日 | 旅行

 大学を卒業して40年余り。「趣味は海外旅行」というわけではないのですが、気が付けばその間、仕事にレジャーにバカンスにと、年に何回かの外国旅行を毎年繰り返してきました。

 前日、片付けの際にまとめて出てきた古いパスポートの束を見ながら数えてみたところ、滞在した国の数は既に30か国を超えていて驚きました。「そういえば、あそこも行ったな」「あそこではこんなことがあったっけ」と、街々の風景をそれぞれ懐かしく思い出したところです。

 さて、そうしたこともあって、職場の人たちと飲んだ際などに「(いろいろ)外国を回って来てどこが一番良かったですか?」とか、「おすすめの旅行先はありますか?」とか、若い人から尋ねられる機会がしばしばあります。

 さあて、どこが良かったか。セレンゲティ(タンザニア)の平原に沈む夕日や、葦船の上でフォルクローレを聞いたチチカカ湖(ペルー)、マレー半島を縦断する鉄道の旅やエベレストを見上げながらのポカラ(ネパール)でのトレッキングなども素敵だったけれど、実は答えは大体決まっています。

 海外旅行でどこに行くのが一番好きか、「また行きたい」と思うかと言えば、それはハワイのオアフ島。それも、ホノルルのワイキキ近くのコンドミアムなどで、冷房の効いた部屋でダラダラ過ごしたり、朝夕の涼しい時間帯にとおりや海辺をぶらぶらしたりというだらけた生活が、(特にこのコロナ禍の下では)懐かしくて仕方ありません。

 やはり生来の怠け者だからでしょうか。地元のラジオハワイやロコハワイが流れる朝のプールサイドで、カットフルーツなどをつまみにシュリッツの缶ビールを空けたり、ロイヤルハワイアンのビーチに張り出したバーでマイタイを前に夕暮れを待つのも、ワイキキならではの素敵な時間のつぶし方です。

 リゾートではない、いわゆる街場の観光地で言えばどこでしょう。秋を迎える頃のパリの街角やどこか緊張感の絶えない冬のマンハッタン島なども(それはそれで)好きなのですが、やはりイタリア北部のヴェネチアの街が私の中では一番のお気に入りです。

 世界遺産になっている(歩いて回れる広さの)ヴェネチアの旧市街は、モータリゼーションが進んだこの時代に、一切の車の乗り入れを禁止している極めて貴重な空間です。大小張り巡らされた運河群には市民や観光局の足代わりとなっている水上タクシーやゴンドラが行き交い、ルネッサンス期の繁栄を伝える建築物は14世紀、15世紀の街の姿をそのままの形で伝えてくれます。

 夕闇が近づく時刻にサンマルコ広場の時計台に上れば、街中に鳴り響く鐘の音とともに、網の目のように広がる運河と夕日を浴びて広がる赤い屋根瓦を見渡すことができるのです。

 さて、見るべき景色、言っておくべき場所は世界にはまだまだたくさんありますが、そんな中でも、海外旅行の経験が少ない若い人などに、私が「一度は見ておくべき」「行って損はない」と勧めているのがエジプトへの観光旅行です。

 夏は大変な暑さになるので、季節は(できれば)冬が良いでしょう。カイロに入って、ギザの大ピラミッドやスフィンクスを見た後、(アガサクリスティの推理小説で有名な)観光船か寝台列車で月夜を見ながらナイル川を遡っていく。

 何日かの時間をかけて、ルクソールやアスワンゆっくり回り、スーダンとの国境近くのアブシンベル神殿に向かうといった、定番コースがやはり一番いいのではないでしょうか。

 エジプトの遺跡群と言えば、近代以前から続く世界でも最も名高い観光地。3000年以上の歴史と、世界一と言っていいその規模は、訪れた人の期待を裏切るものではありません。

 さらにエジプトには、近代以降、欧米各国から多くの旅行者を受け入れてきた歴史があり、来訪者への遺跡の見せ方、観光客へのホスピタリティという点でも、まさに「ザ・世界の観光地」という印象です。

 中でも最も感動的なのは、やはり何と言っても(ジュリアス・シーザーやナポレオン・ボナパルト、江戸の終わりにはちょんまげを結った渋沢栄一一行なども訪れたという)ギザの大ピラミッド群。その存在は、世界中の子供から大人までが知っているはずなのに、かなり遠くからでもはっきりとわかる△の姿が次第に近づいてくるという状況には、思わず心躍るものがあります。

 その場所に立ってみて、「来た甲斐があったな」と感動し、強く印象に残る場所が世界にはたくさん存在しています。叶うことなら、来日した海外の観光客にも、ぜひそうした気分を味わってほしい。美しい日本の風景や凛とした伝統文化に接し、感動を覚えてほしいと改めて思います。

 新型コロナウイルス問題が生じる前の2019年。失われてしまった海外観光客による経済効果、いわゆるインバウンド需要は4.8兆円もあったとされています。コロナ感染症による行動制限が徐々に解除されていく中、経済的な理由ばかりでなく、日本の魅力を伝える新たな戦略が必要ではないかと感じるところです。

(さて、読み返してみたらなんか自慢ぽくて、だいぶいやらしい感じなのですが、「ま、いいか…」とこのままポチっと送信してしまいます。)

 



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