中学生になりますと「正の数・負の数」を習います。
指導要領によりますと、正・負の数の必要性と意味(数の集合と四則)
正・負の数の四則計算 を習います。そして3年時の平方根に繋がっていきます。
そこで四則計算の加法・減法です。
基本は、-(マイナス)の意味から入門です。
-と言う記号には、次のように大きく分けて3つの意味があります。
1) 引き算を表す記号
2) 0より小さい数を表す記号
3) +の逆を表す記号 さあーここから、理解に苦しむ生徒が増えて来ます。
+2をたすと言う意味は、2の数が増えることですね!すると
+「-2」・・・-2をプラスするという意味(計算)は(数が2減る)となりますね!ここから
+と-の関係だとか-と-の関係だとかが出てきます。
一度次の計算をして下さい。 (+12)+(-5)=・・・マイナス5を加えるという事は、
その逆なので「5減る」となりますので
+12-5=+7 とします。 又、
(+20)-(-6)=・・・(+20)から(-6)を引くというものです
-6を引くのは6を加えるのとおなじ事なの
で、+20+6=+26となって
+と(-)の関係は、-と(+)の関係も含めて(マイナスの数)として計算できる。
+と(+)の関係は、-と(-)の関係も含めて(プラスの数)として計算できる。
結論として、同符号は(+)として異符号は(-)として処理できる事を生徒に知らしめる。
さて次は、乗法・除法です。
学校では、次のような公式のようにして指導されると思います。
A 正の数(+)X正の数(+)=正の数(+) B 正の数(+)X負の数(-)=負の数(-)
C 負の数(-)X正の数(+)=負の数(-) D 負の数(-)X負の数(-)=正の数(+)
ある生徒は、ABCは何となく分かったがこのDの説明だけは納得できなくて質問を先生にしてみた。
-(マイナス)と-(マイナス)の乗算なのに増える符号の+(プラス)に変化するのか?
この点については、学校によって説明が違っていた。
直接生徒に「どのように教えてもらったのか」又、おとなあるいは保護者にも同様に聞いてみた。
1)すると返ってきた返答の多くは、「丸暗記」でよろしい。
2)ユニークなのは、-と-の2本の線を交差させると(+)になるでしょうと言うように教わった。
3)言葉の一覧表ではなく、符号の組み合わせ一覧表で教わった
と言う事であった。
日本の学校授業では、これが普通だと言うことです。そしてこれが誰もが通った道であるという事です。
又、指導要領では指導方法が特段きめられてはいないようです。
私がここで言いたい事は「教える事を職業」としているならば「理にかなった説明」が欲しいという事です
説明に定義がないと言うならば、自分で作るしかございません。このような疑問は速い内に解決しておかねばなりません。論理的に出来るだけ正しい方向で説明付けをしたいと思いますが、ほかに何か良い知恵がある時はどうかお教え下さい。
X・÷は、比例反比例の範疇というところから、グラフ図で+・-の領域図なるものを作りました。
(-)の領域 | (+)の領域
|
(-・+) | (+・+)
A | B
ーーーーーーーーー・ ーーーーーーーーー AとD及びBとCは点対称となります
(-・-) C | D (+・-)
|
(+)の領域 | (-)の領域
AとDに当てはまる計算問題は、(マイナス)の領域である
BとCは(プラス)領域である
例えば、(+9)×(+8)= ++でBの領域問題となり 答えは+72となる
(-7)×(+6)= -+でAの領域問題となり 答えは-42となる
(+8)×(-5)= +-でDの領域問題となり 答えは-40となる
(-6)×(-9)= --でCの領域問題となり 答えは+54となる。
また、 言葉の説明として +は「変わらず」と訳して -を「非ず(あらず)」と訳す。
上から、元の+は掛ける数の+により元の+の符号は変わらず。
元の-は掛ける数の+により元の-の符号は変わらず。
元の+は掛ける数の-により元の+は+に非ず。で-の答えになる。
元の-は掛ける数の-により元の-は-に非ず。で+の答えになる。
変わらず・非ず(あらず)と領域の図で理解が進んでもらって結論として
同符号は(+)となり 異符号は(-)となる。このような区別での判断で
あるならば、 「何故、+-の符号が変換されるのか」以前より説得力が
増大して生徒たちも納得のいく授業が受けられるのではないかと思います。
このような正の数と負の数で理解に苦しむと後々引きずって中学生生活をむなしいものにします。
引き続いて「累乗問題」も後に控えていて「方程式」での移行問題と符号の理解など、学校授業
延々と繋がっていきます。理解に苦しむ生徒たちを一人でも少なくするためにも基礎となる「正の数
負の数」の指導だけは抜かりのないようにしてもらいたいものです。