正・負の四則計算の指導は、基礎的な部分において説明が一部抜け落ちています。

2015年12月12日 11時38分48秒 | 割合指導物語・・・分かりやすくなけりゃ

 中学生になりますと「正の数・負の数」を習います。

 指導要領によりますと、正・負の数の必要性と意味(数の集合と四則)

                正・負の数の四則計算 を習います。そして3年時の平方根に繋がっていきます。

 

そこで四則計算の加法・減法です。

 基本は、-(マイナス)の意味から入門です。   

   -と言う記号には、次のように大きく分けて3つの意味があります。

    1) 引き算を表す記号

    2) 0より小さい数を表す記号

    3) +の逆を表す記号     さあーここから、理解に苦しむ生徒が増えて来ます。

 

    +2をたすと言う意味は、2の数が増えることですね!すると

    +「-2」・・・-2をプラスするという意味(計算)は(数が2減る)となりますね!ここから

    +と-の関係だとか-と-の関係だとかが出てきます。

 

    一度次の計算をして下さい。     (+12)+(-5)=・・・マイナス5を加えるという事は、

                                       その逆なので「5減る」となりますので

                                       +12-5=+7 とします。 又、

                           (+20)-(-6)=・・・(+20)から(-6)を引くというものです

                                       -6を引くのは6を加えるのとおなじ事なの

                                       で、+20+6=+26となって

   +と(-)の関係は、-と(+)の関係も含めて(マイナスの数)として計算できる。

   +と(+)の関係は、-と(-)の関係も含めて(プラスの数)として計算できる。

 

   結論として、同符号は(+)として異符号は(-)として処理できる事を生徒に知らしめる。

 

   さて次は、乗法・除法です。

   学校では、次のような公式のようにして指導されると思います。

 

  A 正の数(+)X正の数(+)=正の数(+)     B 正の数(+)X負の数(-)=負の数(-)

  C 負の数(-)X正の数(+)=負の数(-)     D 負の数(-)X負の数(-)=正の数(+)

   

  ある生徒は、ABCは何となく分かったがこのDの説明だけは納得できなくて質問を先生にしてみた。

  -(マイナス)と-(マイナス)の乗算なのに増える符号の+(プラス)に変化するのか?

 

  この点については、学校によって説明が違っていた。

  直接生徒に「どのように教えてもらったのか」又、おとなあるいは保護者にも同様に聞いてみた。

 

  1)すると返ってきた返答の多くは、「丸暗記」でよろしい。

  2)ユニークなのは、-と-の2本の線を交差させると(+)になるでしょうと言うように教わった。

  3)言葉の一覧表ではなく、符号の組み合わせ一覧表で教わった

    と言う事であった。

 

 日本の学校授業では、これが普通だと言うことです。そしてこれが誰もが通った道であるという事です。

 又、指導要領では指導方法が特段きめられてはいないようです。

 

 私がここで言いたい事は「教える事を職業」としているならば「理にかなった説明」が欲しいという事です

 

 説明に定義がないと言うならば、自分で作るしかございません。このような疑問は速い内に解決しておかねばなりません。論理的に出来るだけ正しい方向で説明付けをしたいと思いますが、ほかに何か良い知恵がある時はどうかお教え下さい。

 

 X・÷は、比例反比例の範疇というところから、グラフ図で+・-の領域図なるものを作りました。

    

     (-)の領域    |  (+)の領域

                            |            

     (-・+)      |    (+・+)

                          A    |  B

      ーーーーーーーーー・ ーーーーーーーーー    AとD及びBとCは点対称となります

     (-・-)     C     |    D (+・-)

                                |

         (+)の領域    |  (-)の領域

              

      AとDに当てはまる計算問題は、(マイナス)の領域である

      BとCは(プラス)領域である

 

    例えば、(+9)×(+8)= ++でBの領域問題となり 答えは+72となる

         (-7)×(+6)= -+でAの領域問題となり 答えは-42となる

         (+8)×(-5)= +-でDの領域問題となり 答えは-40となる

         (-6)×(-9)= --でCの領域問題となり 答えは+54となる。

   また、 言葉の説明として   +は「変わらず」と訳して  -を「非ず(あらず)」と訳す。

         上から、元の+は掛ける数の+により元の+の符号は変わらず。

              元の-は掛ける数の+により元の-の符号は変わらず。

              元の+は掛ける数の-により元の+は+に非ず。で-の答えになる。

              元の-は掛ける数の-により元の-は-に非ず。で+の答えになる。

 

   変わらず・非ず(あらず)と領域の図で理解が進んでもらって結論として

  同符号は(+)となり 異符号は(-)となる。このような区別での判断で

 あるならば、 「何故、+-の符号が変換されるのか」以前より説得力が 

 増大して生徒たちも納得のいく授業が受けられるのではないかと思います。

 

 このような正の数と負の数で理解に苦しむと後々引きずって中学生生活をむなしいものにします。 

  引き続いて「累乗問題」も後に控えていて「方程式」での移行問題と符号の理解など、学校授業

  延々と繋がっていきます。理解に苦しむ生徒たちを一人でも少なくするためにも基礎となる「正の数

  負の数」の指導だけは抜かりのないようにしてもらいたいものです。

                          


中学1年生「正・負の符号の決まり」が、 説明出来るようになりたい方は5分お付き合い下さい

2015年12月05日 05時07分00秒 | 割合指導物語・・・分かりやすくなけりゃ

 不思議な現象が、数学の学校現場で起こっています。

 言われてみれば僕だって私だって、そう言えばそうだなと思われるのではないでしょうか。

 日本人の大多数が説明出来ないでいるそうです。

 あなたは大丈夫ですか!

 

 問題を出してみましょう。

    A (+10)+(ー11)= 

    B (ー17)(+14)=

 

    C  +6 X (8)=

    D  (ー7) X (ー9)=

 

    E  (30) ÷ 6=

    F  (ー12) ÷ (2)=

 

    G  9 X (ー8) + (2)=

   出来ることはできるけれど、符号の説明がね!

 

   +と+の計算は、答えが+になるかーになるか加算・乗算とも理解はしやすいですね。

   では、 加減算で +とーはどうか?

        ーと+はどうか?  ーとーではどうなるのか?

        乗除算での こたえが +とーではどうなの?

        ーと+ではどうなるの? さらに ーとーでは?  

  さて、説明できますか?

 

  教科書・インターネットの「教えて」 の中でもこれと言った説明はありませんでしたが、

 ちょっとした工夫で解決につながります。

  この工夫、解決法(説明)は12月12日頃発表させて頂きます。

  ヒントは、「あらず・変わらず」の2語にあります。お楽しみに!


答えはひとつ、指導法は幾種類もある。

2015年11月17日 16時34分29秒 | 割合指導物語・・・分かりやすくなけりゃ

 先日の算数指導は、6年生「比例・反比例」の反比例で式作りからX・Yの表作りそしてグラフ作り。

 宿題片付けの放課後学習でありました。

 3÷3=の1の答えが即座に言えないような子から、表を見ていち早く答える子供もいるという状況の

放課後学習のメンバーです。計算力が不足している子供は、概して全体が遅れ気味です。しかしながら

丁寧に分かりやすく指導すると、理解に到達するものです。

   y = 決まった数 ÷  X       出来ないでいる子達は、決まった数の出し方どころか、y と X がどこ

からくるものやら分かりません。(多分、聞き逃しでわからないのでしょう) 当然のように比例式のY=決まった数

X  x  が理解できていません。学校では全体授業になる為聞き逃しで質問自体ができません。

 

 しかしながら放課後学習では、マンツーマンで指導が出来ますのでこの子には救いです。

 丁寧にどこで分からなくなったのか見てあげると、そこが見えてくるのです。

比例・反比例で困る所は、大体において同じところとなるようです。それは、X ・ Yの表作りと表の見方そして

利用です。(他の子を含めて、比例・反比例は中学校に上がっても勉強をするので、分からない所がないように

しておきましょうと言って更なる勉強に繋げました。)

 

 

 速さの問題に入りましょう。

 多くの学校では、道のり計算として公式と名付け   道のり=速さX時間

                                  速さ=道のり÷時間

                                  時間=道のり÷速さ   の3種類を暗記しているようです。

 この学習も出来る子・出来ない子とその中間というように分かれるようです。

 

 ここで注意して頂きたいのは、学校レベルと入試レベルの違いを少しは知っていて欲しいという事です。

 次の2問を比較して見てください。

 

 *学校では      なおきさんの家から駅までの道のりは800mです。  分速60mで歩くと、家から駅まで

             何分かかりますか。

 

 *入試では      きみえさんは家から800mはなれたコンビニまで買い物に行きました。途中にある郵便局

             まで3分かかり、その9分後にコンビニにつきました。するときみえさんの家から郵便局までは

             何mはなれていることになりますか。

 

            学校問題 では「道のり計算」だけですが、

            入試問題 では、「道のり」+「比」が伴ってきて   学校だけの問題で理解できたと思っていると

           いざという時間に合いません。こういった問題の違いもあるんだという事を知っておいて欲しいという

           事です。

 

            1あたり量・割合・比べる量(啓林館)など   それぞれ決められた言葉・決められた位置などは

           学校で教わった全国共通の基本ですのでしっかりとおぼえましょう。

            式はどうでも良いと考えていればどこかで詰まります。

            それと指導対象者は千差万別でそれぞれの指導方法があるという事も忘れてはいけません。

            基本の後に応用がある。

            


4年生は割り算筆算の学習・5年生は倍数と約数の学習に入ってきました。

2015年10月17日 20時42分47秒 | 割合指導物語・・・分かりやすくなけりゃ

 このブログ投稿記事は、岡山県東北部に位置する赤磐市域内の

    城南小学校・仁美小学校・笹岡小学校その他数校の小学校に通う

    児童が赤磐市立吉井公民館・同市立笹岡公民館が主催する放課後

    学習(放課後から帰宅するまで、勉強とお遊びで楽しく過ごす)あるい

    は、週末の土日を活用した週末学習(ソロバン・算数講座)に参加さ

    れた中で学習について実際にあった出来事と問題点を披露して共に

    指導法などを考えて、理解に苦しむ児童達を拾い上げる方策と解決

    の糸口を見つける努力を知っていただく為に、ブログ投稿しています。

 

 さて、今回は4年生の割り算筆算の「最初の答えの出が遅い、又は出来ないでいる児童」の為の

 作問と指導法です。

               

     次のような問題で、投げやりになった児童がいました。

         1139÷17=   3年生までは、算数が好きだったと言っています。

 

         この児童が通う小学校は、小規模校で複式学級です。3・4年生クラスです。

         私が思うに、小規模だから一人ひとり丁寧にフォロー出来るのではと思っていましたが

        どうもそうではなさそうです。         

      

       この子のために次のような問題を作ってみました。

      <最初の答えが出にくい児童のための繰り返し練習問題>

 

         最初の答えだけ見つけましょう。あまりは、書きません。

             74 ÷ 18 =

             96 ÷ 17 =     指導法   では、 あたまの数9と1を見て、9から1は        

             65 ÷ 36 =                   とれますか?取れるとすると何回と

            523 ÷ 69 =                   れますか!9回 それでいいです

            171 ÷ 18 =                   よ。じゃあーこの9を17に頭からか

            278 ÷ 97 =                   けていきます。9×1が9  9がなく

             87 ÷ 26 =                   なって残りは6です。次の9×7の分

             91 ÷ 38 =                   足りませんね!

            417 ÷ 85 =         こういう場合は、答えを減らしていって次の分が残

           621 ÷ 24 =         っているかどうか「にらんで下さい」そうすると、5に 

                                  すれば残りが46となって5×7の分ありますね!

                                  あわてずに地道に、このようにすればいいのですよ

    そう!地道になんですね!・・・この児童は理解できるようになりました。

 

次は5年生の分数問題足し算・引き算の通分で最小公倍数が理解出来ていない例                 

    分子/分母とします。

     1 /3 + 3 /4 =  のような問題ならば合っているが

     5 /12 + 3 /14 =  のように数字が大きくなると、誰に教えてもらったのか12と14をかけて

                   通分しているのです。後で聞いたのですが倍数を使うのが知らなかった

                   という事と数字が大きくなると計算が面倒だということでした。

 

     それじゃ、そういう時は「連除法」というやり方があるのでやってみましょうとなりやりました。

    すると「分かり易いと言って手を叩いて喜びました」

 

   このようにして、理解に苦しむ児童には別の角度からの教え方も、柔軟に使うことが必要なことで

  あると思うと同時に、フォローの出来る指導者の側の体制づくりが必要なことであると感じた次第です

 

  次回は、6年生の「速さ」に関連する出来事を投稿します。          


2年生  なぜ僕たち・私たち九九暗記するんだろう

2015年10月05日 10時22分16秒 | 割合指導物語・・・分かりやすくなけりゃ

  Q&AのQ  九九の勉強が始まりました。九九を言える子・言えない子

           私たちの学級には色々と混じっています。そしてむちゃくちゃ

           速く言える子がいます。

            私は、そう速く言えません。焦っています。

    answer 

            焦らなくていいですよ!心配しないで下さい。

         遅くてもいいです。ただし、計画と目標を作って日々努力だけは  

         してくださいよ!

 

   Q&AのQ  九九は、なぜどうしておぼえるのですか?

   answer   よく聞いてくれました。説明をします。

         まず、九九の必要性ですね。今までは、ごく簡単な基礎的な

        たしざん・ひきざんの計算をしていました。ところが、これからは

       (A) 7+7+7+7+7+7+7+7=とか

       (B) 4+4+4+4+4+5+5+5+5=とかの問題が出てきて

        たしざんだけでは処理が出来なくなる場合があって、その為にも

        九九を利用できるようにしておかなければなりません。

         Aの場合であれば、7が8回なので  7X8の九九をつかって56の

          答えが出ます。

         Bの場合であれば、4が5回で 4X5=と 5が4回で 5X4=の

        答えが20と20で合わせて40の答えが九九を使えばすぐに出ます。

         このようにすごく便利だし能率が良くなるので覚えるのですよ!

     それと、これからは、文章問題などで式を作る場合が

         あります。

         式を作る場合には決まり事があるので、これを

         身につけておかないと算数嫌いになるおそれが

         ありますので注意しましょう。

       最も注意すべきところ。

        Aの場合で考えます 7+7+7+7+7+7+7+7

           これを  7 X 8 = と式を書きました。

      よくお読みくださいね!

        7が8回書いてありますね。8が7回ではありませんね

        だから、8X7ではなくて7X8と決まります。

 

        そして、7Xの7は計算の「もと」で決められた数なので

        「変化させる事」はできません。

 

        7X8の8は、7の書いてある回数ですので、いくらでも

        「変化させる事」ができます。

        この変化させる事が出来る箇所がまさしく「割合」なのです

        皆さんが苦手とする所です。

 

      この部分に大きな違いがある事いち早く気付く事が大事です。

      例題で考えてみましょう。

         「 6こ入りの パンを2ふくろ 買うと、パンはぜんぶで 何こですか 」

           6こ入りと言う事実は変えられません。 だから6が「もと」になります。

           2ふくろ・・・日によっては3ふくろにしよう。いやもっと食べそうだから

                  4ふくろ買っておこうと、いくらでもその数は変えられます。

                  変えられるから「割合を変える」と考えますと、割合の意味

                  が理解できることと思います。

         従って、計算式は、「6X2=12」

         これを「2X6=12」でもいいのではと申し出る方が時々ありますが、残念ながら

        これらの方は、正しい指導を受けられなかったとしか言いようがございません。

 

         九九の式には、大事な意味が含まれていて「単位のつく決まり」「九九から

        分数への変換」など理解できれば「算数が楽しくなる」要素がいっぱいあるので

        2年生から始まる「九九学習」・・・いよいよ大人への旅立ちです。

 

         コメント・ご質問ありましたらお気軽にどうぞ お待ちしています。

           

                      

            


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