今回の学力テストは、「割合」に重点を置き出題されています。やっと私
の願いが叶った思いで算数の要である「割合」を、指導者がどの様にどの
程度に今まで指導して来たかを、生徒の評価ではなく、指導者の指導力を
試されたのではないかと思います。
今回は、小学校算数Aの設問4番から 具体的に指導法を生徒の立場に
立って分かり易い教え方を探りたいと思います。
AとBの2つのシートがあります。
A・・・6㎡ B・・・5㎡
すわっている人数とシートの面積は、次の通りです。
人数(人) 面積(㎡)
A 12 6
B 8 5
どちらのシートのほうがこんでいるのかを調べるために、下の
計算をしました。
A 12÷6=2
B 8÷5=1.6
上の計算からどのようなことがわかりますか。次の1から4までの中
から1つ選んで、その番号を書きましょう。
1 1㎡あたりの人数は2人と1.6人なので、Aのほうがこんでいる。
2 1㎡あたりの人数は2人と1.6人なので、Bのほうがこんでいる。
3 1人あたりの面積は2㎡と1.6㎡なので、Aのほうがこんでいる。
4 1人あたりの面積は2㎡と1.6㎡なので、Bのほうがこんでいる。
この学力テストは四者択一式なので、理解出来ていない生徒も偶然に
合うという場合もあるので、正確な統計を求めるならば択一式でない方
が良い。
そこで、この問題から考えられる問題点。
あなただったら、今まったく理解出来ないと困っている生徒には、どんな
指導法で確実に理解させる事が出来ますか?
分からない生徒は、実は100%分かるまで待っているはずです。
あなたの指導力が、90%ではダメなのです。
指導というのは教科書のように一律では、個々の生徒に適した指導が
できません。言葉を変えて・選んで説明する必要があります。
理解しにくい生徒の多くは、言葉の意味が分からずに停滞を起こし、
ここから連鎖的に理解不足に繋がり、挙句は諦めの境地に至ります。
1あたり 単位量あたり 被乗数 乗数 元の数 基の数
意味が重複している言葉も生徒が戸惑う原因でしょうか
この中で「割合の言葉」は、見つけられるでしょうか
この問題における私の指導案
私の場合は、基本部分の理解不足者には必ず九九の意味から
入ります。そこで1の意味を十二分に納得できるまで説明をします。
割合は、1の意味を知らずして前に進める事は出来ません。
そして 5×4=20 と 4×5=20 の違い
20÷4= 5
20÷5= 4 の違いと × と ÷ の関連
今回の学力テスト4番では、これと同じ基本的な事柄が出題されていま
す。
問題から、 12÷6=2 何を意味しているのかを分からせねば
なりません。
一つは、÷6に注目して指導。
二つに、×の式に戻して教える指導。
÷6と言う意味は、6等分して1つ分が出る。いわゆる1あたり。
÷6についている単位を見て㎡だから 1㎡に 2人
8÷5=1.6 1㎡に1.6人
÷算の場合 ÷数の単位が1あたりとして出てくる。
二つめの ×の式に戻してを考えて見ます。
12÷6=2 を 2×6=12 設問から12は単位が人数と分かります。
どこか一つでも単位が分かれば、その式の付く単位の決まりから
正確な式を誰でもが作れます。 数字を入れずに単位の学習も一案
かと思います。
元の数に単位がkmついているなら km/ × = km
円がついているなら 円/1あたり× = 円
1あたりは割合と同じ単位。 1に対して大なり小なりと考えるから
ということから、2には(人)が付き1あたりには㎡が付きますので、
2人/1㎡あたり × 6㎡= 12(人)
1.6人/1㎡あたり × 5㎡= 8(人) と、この様にすれば一目
瞭然です。
割合指導は、絶対に流し授業は避けて懇切丁寧な思いやり指導が
大切です。
次回は、学力テスト設問 3番と8番の投稿を予定です。