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moon

「神様の住所」九螺ささら  2019-98

「神様の住所」九螺ささら

短歌とエッセイの組み合わせ。

ものすごく興味深い魅力的な本だった。
言葉に対する感性と文字に対する感性とが
哲学的というのだろうか
(そもそも哲学をよくわかっていないのだけれど)
この人が凄い感性を持っていることだけはわかる。

最初から最後まで
とてつもない引力に引き寄せられるようだった。

増殖する「ふえるわかめ」の話とか
「!」「?」で進む会話も面白かった。
「赤の他人と白い恋人」とか。。ククッ

是非とも、最初の歌集も読んでみたいと思った。

だが、しかし、こういった圧倒的な人を知ると
自分の能無し感ばかりが感じられて
嬉しいが落ち込む。

隠された感情を言葉と言葉の間から
引っ張り出して楽しむ短歌は誠に奥深い。

いつもいつも三十一文字に苦しめられて、
絞り出し、ひねり出し、
圧倒的に少ない語彙に打ちのめされる私である。
この人の脳内で溺れてみたい。

「言葉にできない」というのは敗北だとインタビューで
答えているささら氏の爪の垢がほしいぜ。

 

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