マテリアル

静かで暗い僕だから
静かで暗い音楽が好き

本を読むのが好きだから
固めできちっとした言葉が好き

13年以上も前から僕は自分の求めるものを見つけ
13年以上も前から愛するものが変わらなかった

みんなでいる写真なんて殆どない
自分が撮って自分が写っていない写真ばかりなんだ
自分が見たものを残すために写真を撮った
自分が思っていたことを残すために写真を撮った

そんな思いの乗った写真は
晴れがましい場では全てゴミになった
違うんだ ゴミじゃない
そんな光は俺の中身を映していない
その写真撮った時に何を考えていたか憶えていないよ

その隣の俺の左目だけが写った写真は
本当にゴミみたいな写真だけど
俺が何を考えていたかしっかりと思い出させる

陰影をつけて陰影をつけて陰影をつけて…

一人でいるのが好きだった
一人でいるのが好きな僕が
とうとう一人の生活をやめようとしている

一人でいるのが好きな僕が
この人となら一緒でもよいと思えたこと
一緒に静かに手を取りあっていけること
それが貴重なんだ　それになら一生を懸けてもいいと…

◇

明るく明るく自分を描いているうちに
暗い音楽を聴くことがやめられなくなった
黒く暗い言葉をこうして語っていないと死んでしまうって
そんな俺を受け入れてくれるから結婚を決めたって
ほんとうはこういうことをムービーで伝えたい

ぼくの中身が言ってた。


書かずにいられなくて、すみません。