Verdure 4F

茶道25年、ブログ19年! 家業を継いで14年。息子は10才。子育て、茶道、季節行事、料理、日記、読書の記録など。

対決 巨匠たちの日本美術1

2008年07月11日 | art
対決 巨匠たちの日本美術」に行ってきました。

金曜日は20時までということで、放課後。
美術館についたのが18:30頃だったでしょうか。時間がないので、とにかく展示期間がスタート~7月下旬までの、今しかないものを中心に、あとは自分の好きなもの、興味を引かれて見てみたいものばかりを拾って見て歩きました。放課後でそれほど混んでいないので、大物の屏風も、独り占めとはいかないけれども「人の列で隠れた上しか見えない」ということではなく、それなりに堪能することができました。


私は琳派、とくに光悦と宗達のファンですから、そこは重点的に。とはいえ、多くは以前見たことのあるものです。なにせ琳派といえば見に行くようにしていて20年は超えます。
それでも毎度みに行っちゃうわけですが、今回特に新鮮に見たのは、宗達「秋草図屏風」でしょうか。

屏風は、W型に折って立てて使うものなので、絵も、平らに伸ばして見るだけでなく、実際に使う形に折って畳に座った高さから見ることを、描いた絵師も意識して描いています。(参考

最近は屏風の展示もその見方を意識して展示されるようになってきていて、今回もW型に折って、展示ケースの足元を少し高くして展示されています。
だからこちらも、少し離れて正面から全体を観たり、右斜めから観たり左斜めから観たり、近づいて細部を観たり、すごく忙しい(笑)。

「秋草図屏風」は、斜めから観たときにリズム感があって、正面から観た、萩が一面に、あるいは薄の葉が密に一面に描いてあるのと印象がかなり違って、楽しい発見をしました。


それから私は初めての芦雪の虎。日本一大きい虎と書かれていました(笑)。目が、襖の手掛けより大きいよ。
芦雪は「海浜奇勝図屏風」もダイナミックですごかった。初めて見た、こんな屏風。
先日、こんどの部の上役が芦雪を好きだと言われてましたが、どうかなー、こういうのが好きって(笑)。宗達もある種型破りをやった人には違いないので、それが好きな私も人のことはあまり言えないけど、芦雪は破天荒だなぁ。。。
ま、どちらかといえば好きですけど。私も。

ただし、虎は芦雪の勝ちですが、「海浜奇勝図屏風」は、私的には応挙の「保津川図屏風」の方が勝ち。
「海浜奇勝図屏風」は岩の形がダイナミックだけど、「保津川図屏風」は水の流れがダイナミック。動きがある感じがするし、右から観た水が跳ね返ってしぶきの上がるダイナミックさと左から観た水が流れ下るダイナミックさと、二つの違う表情があります。
だいたい私は岩より水が好き(笑)。


さて、他にもいろいろ堪能しましたが、閉館まぎわ、最後に、私のいちばん好きな「蔦の細道図屏風」に戻って、一人で、屏風の前を右から左へ歩き、左から右へ歩いて、正面から眺めて、楽しんで来ました。
これに会うのは2回目でしょうか、3回目? 前回まだ赤坂見附にあったサントリー美術館に、1度行ったあとこれを見にもう1度か2度行ったので、回数がよくわからない・・・。
うちに欲しいなぁ、これ。(笑)

コメント (2)    この記事についてブログを書く
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2 コメント

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うーん、深いなぁ。 (赤坂 うさぎ)
2008-07-12 23:41:59
さすが、国文出身ですね。
なぜこのようなVSになるのかは
うさぎにはわかりませんが、
いつの時代にもライバルがいてこそ
芸の道には磨きがかかると思っています。
その昔、我が部にも様々な分野で
ライバル関係が存在し、日々の研鑽で
部のレベルアップが図られていました。
最近はどの分野も一人親方で・・・?
白熱する論議が聞かれなくなり
寂しいうさぎです、ハァーッ。
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芸のライバル (ぴんくこあら)
2008-07-14 13:22:32
私はそれほど詳しくありませんが、「歴史」あるいは「人物史」としての美術史も面白そうです。家財を傾けるほどのお酒好きもいたようですよ。

ライバルの存在が誘発するものもレベルアップだったり独創性だったり。
今回大きく扱われている芦雪や等伯なども、当時の美術界でどのように位置づけられ、社会的にどういう待遇にあったか、そこでどういう行動を取る人だったかということも少しかじると、どういう心的葛藤の中で独自の境地を切り開いて独創的な作品を生み出したのか、感慨深いものあります。
芸と社会的評価は切っても切り離せないから、いろいろ葛藤が生まれて、それがすばらしい芸を生むんでしょうか。
芸術家ならではの心の葛藤は文学的にも好材料です。
 岡本綺堂「修善寺物語」
 芥川龍之介「地獄変」
 松本清張「小説日本芸譚」 等々。
映画「アマデウス」もそうですね(笑)。
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