イヤリングは2ピースで1セットと相場が決まっています。にもかかわらず、こういう3ピース揃いのイヤリングとは…?!?!
それはたいてい、単に片方落としてしまったイヤリングです。
このイヤリングは、いつもの高知の珊瑚専門店さんで購入したもの。これと、もう少し短いサイズがあったのですが、こちらのほうが似合うとのお見立てでこちらにしました。
丸顔の私には、こういうドロップタイプは
それでもちろん気に入って使っていたのですが、ある日!
新宿駅のJRから小田急線に向かうエスカレーターを、さくさくと昇って昇り切ったあたりで、ふとイヤリングを落とした気配!!
振り返ると、5~6段後ろの段に片方のイヤリングが落ちていて、ゆっくり昇ってきます。
た~いへーん!! 拾わなければ!!
エスカレーターは、よく最上段の降り口のところでいろいろなものがひっかかってくるくる回っています。そうなったところで拾うのがヨシ、と、降り口で待ち構えました。
ところが
なんと、いっしゅん引っかかったものの、ドロップが縦になって「つ、つ、つーっ」と入っていってしまうではありませんか!
「えっ!?」
と思っている間に、金具がまた一瞬だけひっかかり、さらに「ギギーッ」と、エスカレーターの中へ消えていってしまったのです。
目が点。。。。。
あまりにもあまりにも目の前で消えていってしまったお気に入りのイヤリング。行き先もわかっているのです、諦められるわけがありません。
しばらく呆然としたものの、そのあと私はエスカレーターの目の前の小田急ロマンスカーの予約窓口へ行き、一部始終を訴えたのでありました。
「なんとかなりませんでしょうか」
小田急線のカウンターのお姉さんは親切でした。
あのエスカレーターは小田急線ではなく「小田急百貨店」の管理のものだけれども、1~2ヶ月に1回業者さんが来てエスカレーターを停めて中を開け、そういう「ゴミ」の掃除をすることになっている。
なので、そのときに、そのイヤリングがないかどうか探してもらえるように伝えましょう。それでも見つかるとはお約束はできませんが…、とのこと。
すがるようにそれをお願いして、イヤリングの形をメモしてもらいました。
しかし、あんな狭い、硬い鉄の歯の間に噛まれて行ってしまった珊瑚。おそらくかなりの傷になっていることでしょう。砕けてバラバラになっているかもしれません。
見つかったとしても元のように使えるとは、後で冷静になればなるほど、考えられないことです。
ちょうどその少し後、珊瑚専門店さんからデパート出展のはがきを頂いて、私は手元に残った片方だけを持ってデパートに伺い、その紛失の経過を訴え、「もう片方、作っていただけませんか?」とお願いしたのでした。
いつもそんなトラブルばかり持ち込む私にすっかり慣れた珊瑚専門店さんは、快く引き受け、高知へ持ち帰って、次に東京へ来られる際までに、ペアになる珊瑚を探してもう一度「1セット」にしてくださいました。
そして、さらにそのしばらく後。
小田急百貨店から電話がかかってきたのです。
「エスカレーターでなくされたイヤリングが出てきました。ただし、かなり傷になっています。もしよければ、小田急線新宿駅の駅長室に預けておきますので、見にきてもらえますか?」
さぞかし傷になっていることでしょう。それでも見つかっただけでもすばらしいこと。よくぞ忘れずに探してくださいました。感謝。
そう思って、さっそく駅長室を訪ねました。
珊瑚は、確かに痛々しいほど銀色の金属が濃く広く擦れ付いて、ギラリと光を反射していました。
しかし、しずくの形はそのまま。割れたり、欠けたりはしていません。金具も、変形はしていないようでした。
このくらいなら、珊瑚専門店さんにお願いすれば生き返るかも。
そう思って、単に伝言を伝えてくれるだけなのに申し訳ながる駅員さんに、こちらこそ何度も御礼を言って、ありがたく持って帰って来ました。
それから3晩くらい。
夜更かしをして、珊瑚用の磨き布で、そのギンギラの金属擦れ跡を一生懸命みがきました。
だって磨くと薄くなるんですよ! 珊瑚が少しづつ見えてくるんです!
それで、もうこれ以上はがんばっても落ちないと観念したのが右の状態。
ねえ? このくらいならじゅ~うぶん使えると思わない?
いや、珊瑚専門店さんにお願いすれば、もしかしたら綺麗に磨いていただけるかもしれないのですが、こんなことでいろんな人に迷惑をかけて御世話になった、そして数ヶ月後にエスカレーターの中から私の元に帰ってきてくれた。それを忘れない教訓に、このくらい金属が残っているのもまたよしではありませんか。
そうして、3ピースになってしまったけど、いや3ピースになってしまったことこそ、いろんな人のおかげで使い続けることができている、感謝感謝のお気に入りのイヤリングなのです。
いやな顔をしないで受付けて本当に連絡しておいてくれたロマンスカー窓口のお姉さん、探し出して拾って駅長室に届けてくれたエスカレーターの点検の方、預かって伝えてくれた駅員さん、色の合う石を探してもう1ピースを作ってくれた珊瑚専門店さん。みなさん、ほんとうにどうもありがとうございました。
しばらく前、小田急グループで有価証券報告書に誤った記載があったというニュースもありましたが、私は小田急線の方たちには、客の便宜のために一生懸命にやれることをやってくれる真心があることを、とても信頼しています。
それはたいてい、単に片方落としてしまったイヤリングです。
このイヤリングは、いつもの高知の珊瑚専門店さんで購入したもの。これと、もう少し短いサイズがあったのですが、こちらのほうが似合うとのお見立てでこちらにしました。
丸顔の私には、こういうドロップタイプは
それでもちろん気に入って使っていたのですが、ある日!
新宿駅のJRから小田急線に向かうエスカレーターを、さくさくと昇って昇り切ったあたりで、ふとイヤリングを落とした気配!!
振り返ると、5~6段後ろの段に片方のイヤリングが落ちていて、ゆっくり昇ってきます。
た~いへーん!! 拾わなければ!!
エスカレーターは、よく最上段の降り口のところでいろいろなものがひっかかってくるくる回っています。そうなったところで拾うのがヨシ、と、降り口で待ち構えました。
ところが
なんと、いっしゅん引っかかったものの、ドロップが縦になって「つ、つ、つーっ」と入っていってしまうではありませんか!
「えっ!?」
と思っている間に、金具がまた一瞬だけひっかかり、さらに「ギギーッ」と、エスカレーターの中へ消えていってしまったのです。
目が点。。。。。
あまりにもあまりにも目の前で消えていってしまったお気に入りのイヤリング。行き先もわかっているのです、諦められるわけがありません。
しばらく呆然としたものの、そのあと私はエスカレーターの目の前の小田急ロマンスカーの予約窓口へ行き、一部始終を訴えたのでありました。
「なんとかなりませんでしょうか」
小田急線のカウンターのお姉さんは親切でした。
あのエスカレーターは小田急線ではなく「小田急百貨店」の管理のものだけれども、1~2ヶ月に1回業者さんが来てエスカレーターを停めて中を開け、そういう「ゴミ」の掃除をすることになっている。
なので、そのときに、そのイヤリングがないかどうか探してもらえるように伝えましょう。それでも見つかるとはお約束はできませんが…、とのこと。
すがるようにそれをお願いして、イヤリングの形をメモしてもらいました。
しかし、あんな狭い、硬い鉄の歯の間に噛まれて行ってしまった珊瑚。おそらくかなりの傷になっていることでしょう。砕けてバラバラになっているかもしれません。
見つかったとしても元のように使えるとは、後で冷静になればなるほど、考えられないことです。
ちょうどその少し後、珊瑚専門店さんからデパート出展のはがきを頂いて、私は手元に残った片方だけを持ってデパートに伺い、その紛失の経過を訴え、「もう片方、作っていただけませんか?」とお願いしたのでした。
いつもそんなトラブルばかり持ち込む私にすっかり慣れた珊瑚専門店さんは、快く引き受け、高知へ持ち帰って、次に東京へ来られる際までに、ペアになる珊瑚を探してもう一度「1セット」にしてくださいました。
そして、さらにそのしばらく後。
小田急百貨店から電話がかかってきたのです。
「エスカレーターでなくされたイヤリングが出てきました。ただし、かなり傷になっています。もしよければ、小田急線新宿駅の駅長室に預けておきますので、見にきてもらえますか?」
さぞかし傷になっていることでしょう。それでも見つかっただけでもすばらしいこと。よくぞ忘れずに探してくださいました。感謝。
そう思って、さっそく駅長室を訪ねました。
珊瑚は、確かに痛々しいほど銀色の金属が濃く広く擦れ付いて、ギラリと光を反射していました。
しかし、しずくの形はそのまま。割れたり、欠けたりはしていません。金具も、変形はしていないようでした。
このくらいなら、珊瑚専門店さんにお願いすれば生き返るかも。
そう思って、単に伝言を伝えてくれるだけなのに申し訳ながる駅員さんに、こちらこそ何度も御礼を言って、ありがたく持って帰って来ました。
それから3晩くらい。
夜更かしをして、珊瑚用の磨き布で、そのギンギラの金属擦れ跡を一生懸命みがきました。
だって磨くと薄くなるんですよ! 珊瑚が少しづつ見えてくるんです!
それで、もうこれ以上はがんばっても落ちないと観念したのが右の状態。
ねえ? このくらいならじゅ~うぶん使えると思わない?
いや、珊瑚専門店さんにお願いすれば、もしかしたら綺麗に磨いていただけるかもしれないのですが、こんなことでいろんな人に迷惑をかけて御世話になった、そして数ヶ月後にエスカレーターの中から私の元に帰ってきてくれた。それを忘れない教訓に、このくらい金属が残っているのもまたよしではありませんか。
そうして、3ピースになってしまったけど、いや3ピースになってしまったことこそ、いろんな人のおかげで使い続けることができている、感謝感謝のお気に入りのイヤリングなのです。
いやな顔をしないで受付けて本当に連絡しておいてくれたロマンスカー窓口のお姉さん、探し出して拾って駅長室に届けてくれたエスカレーターの点検の方、預かって伝えてくれた駅員さん、色の合う石を探してもう1ピースを作ってくれた珊瑚専門店さん。みなさん、ほんとうにどうもありがとうございました。
しばらく前、小田急グループで有価証券報告書に誤った記載があったというニュースもありましたが、私は小田急線の方たちには、客の便宜のために一生懸命にやれることをやってくれる真心があることを、とても信頼しています。
井の中の蛙は、ぴんくこあらさんの、外の風や、お若い感性をほほえましく愉しんでいます。ありがとう!
いや~、長い話になっちゃいましたが、リキ入っちゃいました。この事件は本当に感動的だったので。
ものごと、かんたんに諦めてはいけませんね~。(私がしつこいのかもしれませんが)
今後ともごひいき下さいませ。
モノへの愛情、熱意が人を動かしているんだと思います。
しつこく明るく元気よく!
かんたんに諦めたらアカン!同感です(^^)
「しつこく明るく元気よく!」
そうでした、のりぱむさんの標語でしたね!
イヤリングちゃんは復帰してくれましたよ。
しつこさは、美徳ですね。(^^)