【書評】
エフロブ「買いたい新書」書評No.216に、山際澄夫「すべては朝日新聞から始まった<慰安婦問題>」(ワック文庫, 2014)を取り上げた。
http://www.frob.co.jp/kaitaishinsho/book_review.php?id=1398669634
刺激的なタイトルだが意外に真面目な報道検証の本だ。作家曽野綾子の若い頃の作品に,沖縄・渡嘉敷島で島民の集団自決が軍命令により行われたとする「定説」を,綿密な取材で検証した『ある神話の背景』(新版「沖縄戦・渡嘉敷島<集団自決>の真実」, ワック文庫, 2006)がある。当時、島に駐屯していた「海上挺身隊」の赤松部隊長が集団自決の軍命令を発し,それで島民が集団自決に追いやられたとする事件だ。曽野は生き残った遺族が国から遺族補償を受け取るために,村長らが「軍命令が出たことにした」ものと明らかにした。
日韓関係の最大の障害になっている「従軍慰安婦」問題もこれとよく似ている。「強制連行による性奴隷」という神話がいまや世界中に発信されようとしている。韓国の一方的な主張を座視できず,「強制連行」という神話の形成過程を検証したのが本書だ。著者は1950年生まれの元「産経」政治部記者で,ニューヨーク支局長などを経て現在はフリー。
かつて公娼制度は日本にも朝鮮にもあった。軍隊を相手とする売春業もあった。1965年,「日韓基本条約」により日本と韓国相互の請求権問題は決着した。当時はまだ戦争中のことを覚えている人たちが多く,「従軍慰安婦」問題は存在しなかった。戦争中には「勤労動員」があった。朝鮮ではこれを「挺身隊」と呼んだ。その後,戦中世代の減少に加えて漢字教育の廃止もあり,韓国では「女子挺身隊」が「従軍慰安婦」と混同された。1990年に結成された「韓国挺身隊問題対策協議会」(挺対協)が意図的に2つを混同させたという。戦争末期に「女子挺身隊」として動員されたものは何万人もいるだろう。(挺対協は朝鮮人慰安婦数を20万人としている。)混同を促進したのが,詐話師吉田清治による「私の戦争犯罪:朝鮮人強制連行」(1983)という著書と「女子挺身隊の名で慰安婦狩りをした」という彼の証言を大きく報道した朝日などの日本メディアだという。
李氏朝鮮には良家の処女を拉致して強制的に「宮女」として王宮に入れ,中国に貢納する習慣があった。そこで,ひとたび「拉致による慰安婦」という説が登場すると,すぐ韓国国民が信じた。日本批判の口実になるので,名乗り出た元慰安婦は英雄視された。これが「神話の背景」だとする。「正しい歴史認識」を身につけるために一読を勧める。
「STAP騒動」は真相が迷宮入りするかもしれない。そこで書評に芥川龍之介『薮の中』(1921)を取り上げようかと考えている。
エフロブ「買いたい新書」書評No.216に、山際澄夫「すべては朝日新聞から始まった<慰安婦問題>」(ワック文庫, 2014)を取り上げた。
http://www.frob.co.jp/kaitaishinsho/book_review.php?id=1398669634
刺激的なタイトルだが意外に真面目な報道検証の本だ。作家曽野綾子の若い頃の作品に,沖縄・渡嘉敷島で島民の集団自決が軍命令により行われたとする「定説」を,綿密な取材で検証した『ある神話の背景』(新版「沖縄戦・渡嘉敷島<集団自決>の真実」, ワック文庫, 2006)がある。当時、島に駐屯していた「海上挺身隊」の赤松部隊長が集団自決の軍命令を発し,それで島民が集団自決に追いやられたとする事件だ。曽野は生き残った遺族が国から遺族補償を受け取るために,村長らが「軍命令が出たことにした」ものと明らかにした。
日韓関係の最大の障害になっている「従軍慰安婦」問題もこれとよく似ている。「強制連行による性奴隷」という神話がいまや世界中に発信されようとしている。韓国の一方的な主張を座視できず,「強制連行」という神話の形成過程を検証したのが本書だ。著者は1950年生まれの元「産経」政治部記者で,ニューヨーク支局長などを経て現在はフリー。
かつて公娼制度は日本にも朝鮮にもあった。軍隊を相手とする売春業もあった。1965年,「日韓基本条約」により日本と韓国相互の請求権問題は決着した。当時はまだ戦争中のことを覚えている人たちが多く,「従軍慰安婦」問題は存在しなかった。戦争中には「勤労動員」があった。朝鮮ではこれを「挺身隊」と呼んだ。その後,戦中世代の減少に加えて漢字教育の廃止もあり,韓国では「女子挺身隊」が「従軍慰安婦」と混同された。1990年に結成された「韓国挺身隊問題対策協議会」(挺対協)が意図的に2つを混同させたという。戦争末期に「女子挺身隊」として動員されたものは何万人もいるだろう。(挺対協は朝鮮人慰安婦数を20万人としている。)混同を促進したのが,詐話師吉田清治による「私の戦争犯罪:朝鮮人強制連行」(1983)という著書と「女子挺身隊の名で慰安婦狩りをした」という彼の証言を大きく報道した朝日などの日本メディアだという。
李氏朝鮮には良家の処女を拉致して強制的に「宮女」として王宮に入れ,中国に貢納する習慣があった。そこで,ひとたび「拉致による慰安婦」という説が登場すると,すぐ韓国国民が信じた。日本批判の口実になるので,名乗り出た元慰安婦は英雄視された。これが「神話の背景」だとする。「正しい歴史認識」を身につけるために一読を勧める。
「STAP騒動」は真相が迷宮入りするかもしれない。そこで書評に芥川龍之介『薮の中』(1921)を取り上げようかと考えている。
私個人としてはSTAP細胞発表時から胡散臭さを感じていたし、多くの人がそう思ったに違いない。
「嘘」ばかりの研究チームは始めっから不可解な事ばかり。
「割烹着」などを来て実験する事を許すのも変だ。
実験臭の感じない殺風景な研究室もおかしい。
発表時だけでも素人にですら疑念を抱かせるものだった。
そして論文不正騒動。実験ノートのレベル。言動のレベル等、専門家でなくとも「まやかし」であることに疑いはない。
最近では、山崎行太郎氏の「曽野綾子大批判」にも曽野綾子の嘘が記載されているので是非読んでみてください。