Mr.Busーstop(バス運転士の日記)

大手バス会社勤務の路線バス運転士です。バス運転士の日常をお届けしたいと思います。

こんな仕事続けてて、何になるのか?

2024-08-16 22:26:28 | 日記
バス運転士の仕事で、誰でも感じ退職理由にもなり得るものとして、「こんな仕事続けてて、何になるのか?」と云うものがあります。

「毎日同じ作業を淡々と続けているだけで、全く成長を感じられない。」

「マニアル通りのルーティンワークに、ほとほと嫌気がさした!」

「もっと、刺激的な毎日を過ごしたい!」

「そうだ!ベンチャーに就職しよう!」

こう言って転職した若者が、数年後バス業界に舞い戻る何て云うことは、よくあることです。

そもそも、売り上げをあげる仕組みが完成し、ルーティンワークで仕事ができる環境は、世の中的に超貴重なのです。

創業したてのベンチャー企業は、そこを目指して、日々奮闘しているのです。

ベンチャー企業の垂涎の的が、ルーティンワークで仕事が成り立つ環境です。

その環境を捨てて、ベンチャー企業に就職することは、若いうちは良い経験で済むかもしれませんが、中高年の場合は、愚かな選択と揶揄される場合が多いです。

ベンチャー企業の仕事は、トライアンドエラーを100回繰り返して、初めて1回成功することを、ひたすら繰り返し、1つ1つ成功を積み上げていくことです。

100回のエラーから1つの成功、90回のエラーから1つ、80回のエラーから1つ、…

甘く見積もっても、10個の成功を得るためには、550回のエラーに耐えなければいけません。

対してルーティンワークは、1回のトライで、1回の成功を得ることができる環境です。

私は、ベンチャー企業家を批判や軽視しているのではないのです。

ただ、今の不安定なご時世で、安易な気持ちで飛び込むべき世界では無いと云いたいのです。

飛び込むなら、社長と心中するぐらいの覚悟がなければ、今のベンチャーは勤まらないと云いたいのです。

甘い環境か否かは、本人次第です。ルーティンワークの環境下でも、向上心を持てば、その仕組みや成り立ちを真剣に考えることが出来ます。

その中で、向上するべき課題を見付けて取り組むことも出来ます。

それだけでも、他の人間とは大きく差をつけたことになります。

一見ルーティンワークの環境下でも、10年やれば妖精が見えて、20年やれば賢者になれるのです。

公共交通サービスとは。。。

2024-08-16 20:24:18 | 日記
つい数日前に、バス運転士の不適切な接客について記事を書きました。

バス運転士の不適切な接客について。 - Mr.Busーstop(バス運転士の日記)

バス運転士による不適切な接客について、問題になっています。ことの経緯は、小学校低学年の児童がバスから降車しようとしたところ、ICカードの残高が80円不...

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その際、バス会社は営利事業である建て付けはあるものの、公的な事業と密接に結び付いた活動であるため、公共の福祉を鑑みた行動の重要性について言及しました。

普通の事業者であれば、正論で論破しても良いような場面でも、一歩引いた対応が重要になる場合もあります。

この対応に対して、多くのバス運転士や関係者の方から、不満が噴出していることも、充分認識しています。

本来、法的な意味での問題ある「威圧的」とは、反社を匂わせたり、悪質性がある行為のはずです。

特に悪質性が見当たらない場合は、「直ちに威圧的とは云えないが威圧的と感じる行為」とでも云うべきです。

そもそも、バス運転士はつい最近まで、目出し帽を被っていました。これは、どう解釈するのでしょうか?

乗客をカツアゲでもする目的で、目出し帽を以前は着用していたのでしょうか?

目出し帽を廃止する会社が増えたことは、カツアゲ目的がばれたからでしょうか?

バス運転士が不機嫌に見えるのは何故? - Mr.Busーstop(バス運転士の日記)

クレームとまでは云いませんが、「運転士が無表情で不機嫌そう。」というものがあります。同じ路線を走っている運転士について、乗客から上記のようなことをよく聞きます。...

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車内の秩序維持は、今でもバス運転士の仕事の一つです。

要するに、会社は事なかれ主義で、なにか揉め事が起こったら、物事の是非もなく運転士に責任を負わせようとしていると云った不満です。

この事は、バス運転士のなかで3年から10年程の中堅クラスの人間の退職理由の中で、無視できないものとなっています。

バス運転士を3年ほどやると、会社から新人のフォローやトラブルの仲裁、労働組合活動など会社の仕事を任されるようになります。

中には、自分が悪くないのに、責任を被らなければいけなくなるような場面にも遭遇します。

特にバス運転士は、公共交通サービスの担い手であるため、乗客の明らかに未熟な論理や行動でも、一旦飲み込まなければならないこともあります。

下の兄弟がいた方ならば分かると思いますが、親から「お兄ちゃんなんだから、我慢しなさい!」と、自分が悪くなくても叱られたことがあると思います。

バス運転士は、役所から市民に対して、「お兄ちゃん的な立場」でいることを期待されているのかもしれません。

その為の、安定給与と社会的地位の保証があると考えれば、多少のことは我慢すべきと合点が行くと思います。

近年、少子化の影響からか、一人っ子や末っ子の割合が、必然的に増えています。

バス運転士の公共交通サービスへの姿勢も、法令改正などがあり、もしかしたら今後大きく変化するかもしれません。

但し、具体的に明文化され法的サンクションが無いと理解できないでは、なにか寂しくそこに愛を感じませんし、どこかの国と変わりません。

大手バス会社の研修の重要性。

2024-08-16 16:54:22 | 日記
バス会社に新たに就職された方は、等しく新人研修を受けると思われます。

どのような内容の研修かは、大手バス会社と地方の中小バス会社では異なります。

内容については、過去の記事でご確認ください。

全国どこでも働ける仕事がバス運転士。ただし… - Mr.Busーstop(バス運転士の日記)

「路線バス、高速バス、貸切バス、送迎バス、ロケバスなど、バス事業には多くの種類が存在すると思います。バス運転士を目指す場合、最初はどれを経験すべきですか?...

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さて、私は以前より未経験でバス会社に就職する場合は、大手バス会社か地方有名バス会社をお勧めしていたと思います。

これらのバス会社は、研修期間も3ヶ月ぐらいで、細かいところまで徹底的に教わります。

また、各自の持つ運転の癖についても、厳しく修正することが要求され、厳しさから自主脱退する人もいるほどです。

最近では、少なくなりましたが、昔は通過儀礼的な要素も強く、イビりやシゴキの様な内容の研修もあったといいます。

また、近年、免許取得も教習所で可能になったことから、試験場で一発免許を取得した人間との運転やモチベーションの格差を埋める意味合いもあります。

このような経緯も相まって、大手バス会社の新人研修は、修了すること自体が業界内資格のように、今後のバス人生を左右するものとなります。

その為、教習所で免許を取得した、大手バス会社の研修を修了していない中小バス会社勤務の人間は、一段低く評価をされ、肩身の狭い思いを余儀なくされがちです。

どうせバス人生を送るのであれば、最初はきついですが、大手バス会社できちんと基礎を作り上げた方がよいと意味の一つをご理解いただけたと思います。

バス人生を開始する方の多くは、40代後半か50代前半の方が多いです。

気力や体力が残っているうちに、基礎固めは万全に行っていただきたいものです。

さて、かく云う私ですが、最初の3年半は中小のバス会社勤務でした。

その後、大手バス会社に転職した動機の一つに、新人研修を受けたいと云うものがありました。

折角バス運転士になったのだから、プロドライバーの一定基準をクリアーして、自身の仕事に厚みを持たせたいと云う考えが大きいです。

自分の仕事を長く行い、誇りを持つためにも、多くのドライバーが越える壁は、当たり前のように越えるべきと思います。