Mr.Busーstop(バス運転士の日記)

大手バス会社勤務の路線バス運転士です。バス運転士の日常をお届けしたいと思います。

運転自体が、嫌なのです。

2024-08-21 23:14:17 | 日記
本日、会社の先輩運転士から退職の相談を受けました。

本人は、会社に疲れたので気持ち的には早急に辞めたいものの、次の職場が見付かるまで、勤務は続けたいとのことです。

本人は、乗客とのトラブルを申告しても、会社側がまともに取り合おうとしないことや、ヒヤリハットについて受けた注意の内容に納得がいかないとのことです。

その他にも、細々としたことを言っていました。

私の会社は、一応大手バス会社の部類に入ります。

乗客とのトラブルについても、ヒヤリハットの注意についても、いい加減な対応には思いませんでした。

そこで私は、「気楽に仕事がしたいなら、私が以前勤めていた田舎の中小バス会社を紹介するよ。そこなら制服もあってないようだし、ヒヤリハットも適当にチェックしたり、乗客ともタメ口で会話しても、さほど怒られないよ!」と、伝えました。

経験者の人ですし、60歳近い人なので意識改革の必要性を言っても無駄だと思ったからです。

田舎のコテコテの昭和の雰囲気の中で、気楽に仕事をしていた方が、本人にとっても幸せに決まっていると思いました。

特に経験者ならば、田舎の中小バス会社でも、本人さえ納得すれば普通に勤務できると思います。

そうするとその先輩から、「運転の仕事自体に疲れたので、他の仕事がしたい。」と言われました。

60歳近くで、直近の仕事が運転士の場合は、運転以外の仕事となると、かなりハードルが上がりそうです。

本人は、運転の仕事が拷問のようで、次もやることは考えられないとのことです。

確かに、都心の運転をしていると嫌になることはたくさんあります。

だとしたら、田舎に行けば済むように思われがちですが、運転自体が拷問の様に嫌だとなると、どうにもなりません。

逆に、今まで良く頑張ったなと、褒めてやりたい思いです。

その後、どうなるかは分かりませんが、静かに見守ることとしました。

バス運転士の仕事は、最低限度、運転が苦にならない程度の意識は、必要に思います。

これから転職を希望される方も、運転は平気か?ぐらいの自己問答は必要に感じました。

早発、ダメ絶対!

2024-08-21 15:31:17 | 日記
先般の記事で、バスの遅延はバス会社の力では実質的にどうすることもできないため、安全運行のためには遅延もやむを得ない旨を書きました。

乗客である市民への配慮について。 - Mr.Busーstop(バス運転士の日記)

「バス運転士をやっていて、明らかに相手がおかしいのに謝らないといけない場面とは何ですか?」と、質問をされました。一番分かりやすいのは、交通状況によりバスが...

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しかし、バス会社には、どの様にしても言い分けの利かないミスがあります。

それは「早発」です。「早発」とは、発車時刻前にバス停を発車することを云います。

これがバス停一つでも発生すると、その便は全て欠便扱いになります。

要するに予め定められた運行を、正当な理由無く行わないことになり、それが重なると営業停止になる重大なミスです。

早発は、道路状況に関わらず、バス運転士側の対応で確実に防ぐことが可能です。

その為、バス会社によっては、遅れが出るダイヤを敢えて組んだり、1分遅れで全てのダイヤを運行するように指導するところもあるぐらいです。

バスが遅れて外国人に怒られる。 - Mr.Busーstop(バス運転士の日記)

バス運行は、基本ダイヤ通りの運行を行っているつもりですが、バス停によっては1分から2分いつも遅れる場所があります。特別な渋滞の発生原因になるような事...

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当然、このように早発について厳しく指導されているにも関わらず、早発をやった運転士には厳重な再教育がされます。

場合によっては、3ヶ月ほど全てのダイヤを1分遅れで運行するペナルティを課される場合もあります。

遅延に関する冷ややかな乗客の目線とクレームの中で、3ヶ月運行する珠玉の期間が待っています。

バス業界には、一種の倒錯的着想から紡ぎだされたかのようなペナルティの類いが、他の業界より多いです。

それを楽しみ粛々と行うことが出来る運転士が、長く残ります。

女王様とお呼び! - Mr.Busーstop(バス運転士の日記)

バス運転士に限らず、トラックドライバーなど運転に関わる仕事の職場には、必ず勝ち気な30代位の女性が一人はいます。経験は、3年から5年ぐら...

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よって、バス運転士は他の業界より、一種の特徴的な世界観を育てる方がしばしば散見されます。