Mr.Busーstop(バス運転士の日記)

大手バス会社勤務の路線バス運転士です。バス運転士の日常をお届けしたいと思います。

懲役5年の刑は、お勧めしません。

2024-08-20 23:31:41 | 日記
「懲役5年」と聞くと、何か悪いことをするのかと普通は想起されると思いいます。

しかし、バス業界で云うところの「懲役5年」とは、養成運転士として入社することを云います。

この養成運転士とは、普通免許のみで最初は入社し、会社側が大型二種免許の教習代金を立て替え、免許取得後にバス運転士になることです。

要するに「教習所の代金は、会社側が支払います。」と云う内容で、普通免許しか持っていない応募者でも会社に応募できるようにした制度です。

大型二種免許は、取得が難しいか否か。 - Mr.Busーstop(バス運転士の日記)

私はこのブログで、バス運転士になり一応の生活の安定を獲得したと伝えています。はじめまして!Mr.Bus-stopです-Mr.Bus...

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但し、入社から5年未満で退職すると教習代金の全額、または、一部を返金する義務が発生します。

その事からバス業界では、5年間退職に制限がかけられることから、「懲役5年」や「5年縛り」と揶揄されている制度です。

ちなみに、タクシー会社の場合は、普通二種免許のため、「懲役3年」もしくは「3年縛り」と云われます。

私の個人的な感想ですが、初めてのバス会社や自動車に乗る仕事は、本当に続くかはやってみないと分からない場合が多いです。

本当に、向かないと思う人には、酷な環境で、拷問の様な毎日になってしまいます。また、会社との相性もあるとは思います。

最近は減少傾向にあるもの、昭和のパワハラ気質の上司や先輩が多いのもこの業界の特徴です。

続くか否か不確定の状態で、養成運転士で入社することには、疑問を感じざるを得ません。

実際に若い養成運転士が、1年程度で退社して、教習代金を支払う羽目になったケースなども良く聞きます。

出来れば、自費やローンでもいいから事前に免許を取得してから入社することをお勧めします。


乗客である市民への配慮について。

2024-08-20 06:09:27 | 日記
「バス運転士をやっていて、明らかに相手がおかしいのに謝らないといけない場面とは何ですか?」と、質問をされました。

一番分かりやすいのは、交通状況によりバスが遅延した場合と思います。

これは、バス運転士をやっていると日常的にあるクレームで、その度「ご不快な思いをさせたこと」について謝罪しています。

バスは、電車と違い交通状況と云う、バス会社ではどうにもならないものに運行を左右されます。

その為、安全運行するためには遅延はやむを得ないと、認められています。

それでも、遅延に対するクレームは後をたちません。

純粋な営利企業であれば、「バスなんだから、道路状況の影響で遅延することは当然でしょう!」と、言い返せます。

しかし、国や地方自治体のサポートを受けている公共交通サービスのため、乗客と云う市民に対する配慮をすることが重要になります。

ここで云う「配慮」とは、相手の気持ちを一旦受け止めると云うことです。

その為、「不快な念を抱かせたこと」に対する謝罪が、相手の気持ちを一旦受け止めるに該当します。

仮に、「遅延に対しての謝罪」の場合は、バス会社だけの責任でないことは少し考えれば直ぐ分かることなので、「冗談」を言ったことになります。

公共交通サービスの場合は、相手の気持ちに配慮しない不誠実な対応になります。

また、乗客の方から「遅延に対する謝罪」を要求することは、約束できないのとをあえて約束するよう要求することになり、場合によっては「土下座要求」と同じ意味合いを持つこともあります。

普通は、「不快な念を抱かせたこと」に対して謝罪しても分からない人には、運行管理者に後の対応をお願いすればいいだけです。

近年、カスハラが問題になっていますが、きちんとした対応のスキームは各社持っています。

要は、それに基づいて粛々と行えば大きな問題に発展することはまずありません。