中高年で未経験で就職し、安定的な給与と比較的無理なく続けられる仕事として、バス運転士を紹介しています。
その他に、トラックドライバー(手積み手下ろしのみを除く)も、大手や中小の地方有名企業などであれば、良いかと思います。
ドライバー以外の仕事では、ビルメンの大手や地方有名企業、建設業系ならば測量などがお勧めです。
ビルメンの場合は、何も資格がない場合は、最初は給与が低いかもしれません。
しかし、ビルメン資格を取得していけば、資格給がつく会社が多く、また、役職も付いたりで長い目で見れば安定的な職種と云えます。
出来れば入社前に、危険物乙4と第二種電気工事士、ボイラー2級だけでもあると良いかもしれません。
これだけあれば、寮完備の環境で生涯ホームレスはないと云えますし、身体機能が低下しても資格があるだけで仕事が続けられる数少ない職種です。
次に、建設業系も求人は多いですが、中高年の未経験者となるとできる仕事が限られます。
建設業は運送業同様に、事故に対してはかなり気を遣います。
私の身内に施工監理を長年やって来た人間がいますが、中高年の未経験者にはとてもではないけれども危険を伴う作業はさせられないとのことです。
特に高所作業や脚立に登る仕事は、考えられないとのことです。
そう考えると、測量関係の仕事が現実的な選択となると思います。
また、中高年から技術者を目指す場合も、求人需要から、測量が一番努力が報われ無理がないと考えます。
但し、未経験者として求人に応募する場合は、年齢も考慮して測量士補の資格を予め取得してアシスタントに応募すれば、就職しやすくなると感じます。
測量の仕事は、伊能忠敬が50歳を過ぎてから取り組んだ仕事として、中高年にも取り組み易い分野です。
技術者としてのセカンドキャリアをお考えの方は、考えても良いかと思います。
最後に営業系ですが、今までやって来た仕事の延長にあるものを選ばれた方が良いと思います。
一例を挙げれば、バス運転士やトラックドライバーの経験を活かした求人サイトや求人紙の営業なども経験職種ならば比較的スムーズにできると思います。
実際にフリーランサーとして、営業職を募集している会社もあります。
ある程度、業界に関する知識が固まった方は、検討してみるのも良いかと思います。
中高年になっても、新たに就職できる先はあるとは思いますが、それなりの待遇を期待した場合は、職種はかなり狭められると思います。
これが若い人の転職との大きな違いと私は思います。
日本は、他の諸外国に比べ選択肢は中高年になっても、確保されている方だと思います。
しかし、実際に続けられるか否かは別問題です。
この際、趣味を謳歌する人生にシフトして、仕事はリスクの少ない堅実な方向に進むことに私はしたいと思います。
バス運転士になって、非常に重要なスキルに報告、連絡、相談をきちんと行えることがあります。
俗に云う「報連相(ほうれんそう)」のスキルのことです。
例えば、ヒヤリハットが発生し一般車両や乗客からクレームを受けた場合は、必ず早い段階で運行管理者にその状況を報告する必要があります。
場合によっては、クレームを入れた人間が会社に電話を入れたり、突撃訪問することもあります。
道路状況に混雑が予想される場合などは、無線で各車両にその旨を連絡することも、安定運行を行うために重要な仕事です。
新人で運行中に疑問に感じることなどは、なるべく早いうちに先輩運転士や運行管理者に相談をして、疑問を解消するように努める必要があります。
これらのことは、バス運転士として安定運行を図る上で大切な努力義務です。
しかし、新人などの立場の弱い人間は、この「報連相(ほうれんそう)」を怠り、後に大きなトラブルに発展することがあります。
「報連相(ほうれんそう)が、下手だと先輩運転士や運行管理者に怒られるのではないか?」と云う考えが頭をよぎり、するべき報連相(ほうれんそう)を怠るのです。
怒られるのも仕事のうちと割りきれることも、スキルのうちです。
とは云え、怒られることは誰でも嫌です。
そんなときに、味方になってくれる秘密の御題目があります。
それは、「南無妙報連相(ナムミョウホウレンソウ)」です。
この御題目を心の中で唱えることにより、心理的にプラセボ効果が発生し、無駄な恐怖感から脱力され、冷静さを取り戻す「一呼吸を置く」効果が期待されます。
運転だけでなく一呼吸を置くことは、あらゆる分野に安定を確保することになると、しみじみ思いました。
バス運転士になって、何か専門性を身に付けることはできるのでしょうか?
前回の記事について、おそらく選択肢の多い若い人は思われることがあると思います。
それに対しては、自分で本を読んだり、資格の勉強をして自分で探るしかありません。
会社の人事制度は、必ずしも本人が頑張ったつもりでも評価をされないこともあります。
逆に、なんとなく仕事の中で行っていたことが評価をされ、戸惑うこともあります。
自分が評価をして欲しいことと、他人が評価していることは、しばしば異なることがあります。
評価する側は、「個人の人生より会社の繁栄」を一義的に考えるものだからです。
適材適所の考え方は、先ずそこから始まっていることを充分に理解することが大切です。
バス運転士の場合は、業務に必要な資格や分野を勉強することが、必然的に評価されやすいです。
そこから先ず固めて、その後自分の評価してもらいたい分野を勉強したりアピールすることが、流れとして無理の無い方法になります。
以前、どこの会社にもある人事制度について説明しましたが、会社や組織は必ず一定基準以上クリアーして欲しい項目があります。
この各項目には、自分の不得意分野や興味の薄いものもあると思います。
しかし、職業人としては最低でも評価の足切りラインだけはクリアーする必要があります。
仮に、一点だけでもクリアーしても、他の項目で足切りを割っている場合は、評価のテーブルに上がらないのです。
足切りに掛かりそうな場合や、足切りを割っている場合は、管理者から事前に指摘されたり叱責されます。
要するにこの指摘、叱責された部分に対しては、必ず是正する努力をしてから自分の評価されたい分野への努力を始めるべきです。
最近では、フリーランサーや個人事業主も増えてきてはいますが、この場合は顧客や親受の意見がそれに当たります。
但し、事業主の場合はその意見の全てがためになるものかは、分かりません。
意見の採用も、全てが自己判断によらなければなりません。
この自己判断の適正な物差しを獲得するためにも、従業員として大きな組織体の中で揉まれることは無駄になりません。
私は、もともとは独立開業やフリーランサーとして仕事を行いたいと考えていた人間です
しかし、昨今の世の中の状況を鑑みると、必ずしもその希望していた生き方に魅力を感じなくなっています。
ここ15年ほどの傾向ですが、正攻法で物が売りづらい状況が各分野に拡大してきています。
給与が高い分野も、株価の影響を受けやすく、場合によってはある日突然に給与や報酬額が1/10になることも予想する経済学者もいます。
非常に不安定で「板子一枚下は地獄」の世界観を感じざるを得ません。
この状況に対して、若い人には非常に酷で先を生きる人間として、申し訳ない気持ちもあります。
しかし、事実は事実として受け止めて、その中で対応するしかありません。
幸いバス会社の多くは、鉄道会社が母体で経営状況も国や地方自治体のサポートもあり、比較的安定したサラリーマン生活が今でも可能です。
出来れば、その環境の中で自分のキャリアを今のうちに構築して欲しいと願うばかりです。