バス運転士による不適切な接客について、問題になっています。
ことの経緯は、小学校低学年の児童がバスから降車しようとしたところ、ICカードの残高が80円不足していたことが発覚したとのことです。
これに対しそのバスを運転していたバス運転士が、若干威圧的に謝罪と両親への報告を求めたとのことです。
その後、この児童は次に乗り継ぐバスに乗らずに、炎天下のなか歩いて2時間掛けて帰宅したとのことです。
問題について、バス会社はこの運転士を乗務から一時的に外し、不適切な接客だったとして謝罪文を自社のホームページに掲載しました。
路線バスは許認可事業で公共交通サービスであり、経営を民間企業が行っていても公共性の高い仕事です。
よって、運行や経営などに関することで、国や地方公共団体からのサポートを他の産業に比べて受けやすい側面があります。
この事は、電車や飛行機、船舶などにも云えることで、生活する為に欠かせない必需サービスの一つだからです。
ちなみに顧客との距離感も、一般企業と顧客との関係と、公的機関と市民との関係の両方を考慮して対応することが求められます。
常に都会的な営利企業のビジネスライクな常識が正しいとは限りません。
場合によっては、田舎の役場の職員のように、公共の福祉の観点から、公的で身近な配慮も必要です。
公共交通サービスの場合は、乗客から正確な料金を収受する必要があります。
今回の様な場合、正しい方法は運行管理者に連絡して、その指示に従い対応することがのぞましいです。
悪意の不払いやキセル乗車に対しては、警察と連携して正しい方法を毅然とした態度で行う必要はあります。
現在はドラレコもあるので、車内の会話なども全て記録されています。
しかし、明らかに悪意が感じられず、いつもご利用いただいている乗客には、「次回2回分支払うように。」と、口頭で伝える運転士もいます。
私も過去に、この方法で対応したことはあります。
これは、バス運転士が公共交通サービスの配慮の一つとして行っていることです。
私は、このような対応も公的サービスとしては必要と思います。
結論を云えば、バス会社は原則民間企業として市場論理で行動するという建て付けはあります。
しかし、許認可事業で公共交通サービスの特性から他の産業に比べて公的サポートを受けやすい事実を鑑みて、市民への配慮が他の産業よりも必然的に必要になります。
私は今回の件を、民間企業が公的サポートを受けることの意味について考えるチャンスとしていただいたら、幸いと感じます。
これを消極的に軛と捉えるか、肯定的に公共サービスの一員と捉えるかは各社の判断によりますが、公共活動の一端を担う者として充分に考える必要があると思います。