長すぎる「ひとこと感想」その5。
美しいシャネル邸で共に暮らすことになったシャネル、ストラヴィンスキー、そしてその妻。当然、妻とシャネルの間には滑らかな水面下の確執が、繊細なストラヴィンスキーには罪悪感や葛藤が始まる。三者三様の矜恃に支えられて(私にはそう見えた)共同生活は続き、有名なバレエ音楽「春の祭典」も香水「シャネルの五番」もその中から生まれてくるのだが・・・というストーリー。
私はこの2人の関わりを全く知らなかったし、現在の「シャネル」が全面的に協力したという「当時を忠実に再現して作った衣装」の数々、シャネル邸の佇まいや調度、初演時の「春の祭典」の驚くべき独創性!などなど、眼を楽しませるものも色々あった。
私の持つシャネルのイメージとは少し違うのだけれど、「シャネル」のエッセンス?を体現して見えるアナ・ムグラリスの雰囲気、ストラヴィンスキー本人であるかのように見えてきたマッツ・ミケルセン、そして私にとってはとても印象的な妻だった名前も知らない(ゴメンナサイ)女優さんやいかにもいかにもなディアギレフなど、キャストも良かった。
けれど、この先私の記憶に長く残るモノがあるとしたら、それはシャネルとストラヴィンスキーが結局のところ「仕事をする者」同士だった・・・ということだろう。
『春の祭典』が完成したとき(直前かな?思い出せない)の2人だけのシーンが好き。浴槽の縁に腰掛けてタオルを手渡すシャネルと、黙って受け取るストラヴィンスキーの間に流れるもの・・・2人の恋よりそちらの方が私の眼にには眩しく見えた。
ところで余計な思い出話を少し。
私が「春の祭典」を初めて聴いたのは、ディズニーのアニメーション「ファンタジア」を家族で観に行ったときのことだ。小学生の私はド肝を抜かれて、マグマの滾るスクリーンを前に「これもクラシックの名曲なの~?」。
「シャネルの五番」は時々母が、外国を旅行してきた人から「お土産」として貰うものだった。当時は外国に行くのは大変なことで、「シャネルの香水」というと正に高価な貴重品という感じがした。
母は香水もたまには使う人だったのに、「五番」はなぜか自分では使わず、一度などは姉と私がお風呂に入っている時に突然現れ、硝子の小瓶を傾けて湯船にドボドボドボ。あっという間に浴室中が「シャネルの五番」になってしまった。
後年、父にお洒落を勧めるようになってからは、オーデコロンで貰ったものは「空中にスプレーして、その中で身体を泳がせてその空気を纏うのよ」などと言って、父も「いい香りで気分が良くなるから」などと、仕事に行く前にシュッシュ・くるくる?してもらっていた。当時はまだ男性用の香水その他は聞いたことがなかったけれど、姉も私も「いい香りね~」とそれを楽しんで見ていた。
看護婦さんたちも(気を遣ってくれたのだろうか)褒めてくれたらしい。しばらくの間、その習慣は続いた。が、あるとき「この香水、最後に残る香りがモノ凄く甘いんだよ。」と言い出してからは、しなくなったような気がする(笑)。
私が大人の年齢になり、香水は時間の経過と共に、第1、第2、第3と、それぞれ別の香りが現れると知ったとき、ふと父が嬉しそうに「シャネルの五番を纏って」出かけていく姿が浮かんだ。
美しいシャネル邸で共に暮らすことになったシャネル、ストラヴィンスキー、そしてその妻。当然、妻とシャネルの間には滑らかな水面下の確執が、繊細なストラヴィンスキーには罪悪感や葛藤が始まる。三者三様の矜恃に支えられて(私にはそう見えた)共同生活は続き、有名なバレエ音楽「春の祭典」も香水「シャネルの五番」もその中から生まれてくるのだが・・・というストーリー。
私はこの2人の関わりを全く知らなかったし、現在の「シャネル」が全面的に協力したという「当時を忠実に再現して作った衣装」の数々、シャネル邸の佇まいや調度、初演時の「春の祭典」の驚くべき独創性!などなど、眼を楽しませるものも色々あった。
私の持つシャネルのイメージとは少し違うのだけれど、「シャネル」のエッセンス?を体現して見えるアナ・ムグラリスの雰囲気、ストラヴィンスキー本人であるかのように見えてきたマッツ・ミケルセン、そして私にとってはとても印象的な妻だった名前も知らない(ゴメンナサイ)女優さんやいかにもいかにもなディアギレフなど、キャストも良かった。
けれど、この先私の記憶に長く残るモノがあるとしたら、それはシャネルとストラヴィンスキーが結局のところ「仕事をする者」同士だった・・・ということだろう。
『春の祭典』が完成したとき(直前かな?思い出せない)の2人だけのシーンが好き。浴槽の縁に腰掛けてタオルを手渡すシャネルと、黙って受け取るストラヴィンスキーの間に流れるもの・・・2人の恋よりそちらの方が私の眼にには眩しく見えた。
ところで余計な思い出話を少し。
私が「春の祭典」を初めて聴いたのは、ディズニーのアニメーション「ファンタジア」を家族で観に行ったときのことだ。小学生の私はド肝を抜かれて、マグマの滾るスクリーンを前に「これもクラシックの名曲なの~?」。
「シャネルの五番」は時々母が、外国を旅行してきた人から「お土産」として貰うものだった。当時は外国に行くのは大変なことで、「シャネルの香水」というと正に高価な貴重品という感じがした。
母は香水もたまには使う人だったのに、「五番」はなぜか自分では使わず、一度などは姉と私がお風呂に入っている時に突然現れ、硝子の小瓶を傾けて湯船にドボドボドボ。あっという間に浴室中が「シャネルの五番」になってしまった。
後年、父にお洒落を勧めるようになってからは、オーデコロンで貰ったものは「空中にスプレーして、その中で身体を泳がせてその空気を纏うのよ」などと言って、父も「いい香りで気分が良くなるから」などと、仕事に行く前にシュッシュ・くるくる?してもらっていた。当時はまだ男性用の香水その他は聞いたことがなかったけれど、姉も私も「いい香りね~」とそれを楽しんで見ていた。
看護婦さんたちも(気を遣ってくれたのだろうか)褒めてくれたらしい。しばらくの間、その習慣は続いた。が、あるとき「この香水、最後に残る香りがモノ凄く甘いんだよ。」と言い出してからは、しなくなったような気がする(笑)。
私が大人の年齢になり、香水は時間の経過と共に、第1、第2、第3と、それぞれ別の香りが現れると知ったとき、ふと父が嬉しそうに「シャネルの五番を纏って」出かけていく姿が浮かんだ。
いずれにせよ、ココはとても魅力的な女性なのでしょうね。
2009~10年にかけて、シャネルの映画が3本続けて封切りになったそうですね。
イエローフロッグフィシュさんがご覧になったのは『ココ・シャネル』(シャーリー・マクレーン)か『ココ・アヴァン・シャネル』(オドレイ・トトゥ)でしょうか?
私はS・マクレーンの方しか観てませんが、一生を通じてさまざまな恋人がいたらしくて、とにかく魅力的な人だったんだろうな~って、しみじみ思いました。
同性から見ても、あの独立心、誇り高さ、美的なセンスは魅力的ですよね~。
イエローフロッグフィシュさんが「ココ ファン」っていうの、よくわかります。私から見るとイメージがちょっと似てますよ~(笑・でもホント)。)