映画とあまり関係のない「ひとこと感想」その10。
メモにあった断片的な言葉を、膨らませて書いてみる。ちょっとヤヤコシイ「感覚」の話になりそうだけど。
私は子どもの頃から、サーカスはあまり好きじゃなかった。生身の人間や動物の生々しさが、もともと好みに合わなかったのかもしれない。TVで観る外国のサーカスは大好きだったのに。
シルク・ドゥ・ソレイユの公演をTVで観たときも、「生き物としての人間」という素材を強く感じさせるので、「パフォーマンス」としての素晴らしさは理解しても、好みとしてはやっぱり苦手だな・・・と思った。
なのに今回この映画を観に行ったのは、映画の好きな方たちがとても好意的な感想を書いておられたから・・・というのが1つ。もう1つは、“3D”という技術の粋?を見られるかもしれない・・・という、私なりの素朴な好奇心からだった。
というわけで、映画を観た後の感想は・・・というと、要するに「文化の違いを強く感じた」ということに尽きる。シルク・ドゥ・ソレイユはカナダのケベック州が本拠地と聞いたけれど、観ていて、とてもフランス的なモノを感じる。私の眼には、フランスとは「肉」と「接触」の文化・・・という風に映るのかもしれない。
「官能」「豊潤」といった言葉も、そういう土台の上に成立しているように感じられて、私の文化(というようなモノがあるとして)でいうところの同じ言葉とは、指しているものが違っているとしか言いようがない。観ている私は、「美しさ」をアタマでは理解するものの、それがそのまま「醜さ」という言葉に直結している微妙さ・複雑さを味わいきれず、いつもどこかで困惑している・・・そんな感覚がついて回った。
ただ、映画の場合は「映像」だからこそ表現できる「美」というものも随所にあって、それは「映像として」堪能させてもらったと思う。大きな丸いガラス鉢に、満々と張った水の中での女性のパフォーマンスなどは、とてもとても美しかった。
(「生々しさ」が苦手・・・だからこそ、自分は本や映画が好きなんだから、今更ながら、随分と当たり前のことを書いたのかなあ(苦笑))
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