群馬県の旅③

一昨日から始まった群馬県の旅でどうして太田駅に来たのかと言うと
中京テレビの『ヒューマングルメドキュメンタリー　オモウマい店』で紹介された
野沢屋本店で昼食を食べるためである。

　　

駅から５分足らずのその店は蔦に絡まれた古い家で、店っぽくはない。
知らなければ到底、入店しようとは思わない。
薄暗い店内に入ると、店の奥にお笑いタレントの小峠英二さんによく似た
この店の大将が座っており、私の風貌をみるなり
「堅気の仕事をしてたんか？」と声を掛けてきた。初対面で失礼な話だが
元ヤクザから「ワシらと同じ匂いがする」と言われたことがあるだけに
「堅気の仕事」だと伝え、この発言でどんな客か判断してるんやろうなあ
と思いながら聞き流した。
すると「お父さんは表に行ってウナギを取ってきて」と言われて外へ出ると
水槽にウナギが居り、網を渡された。

　

妻と一匹ずつ捕まえるとカゴに入れて店内に運ぶと、大将が捌いてくれた。
割り箸を渡されて網の両端に割り箸を突っ込んで持ち上げると
妻が燃料を入れて点火するよう指図され、言われたとおりに行った。

　

身は１５秒ごとに裏返し、白焼きにして塩コショウで食べてもいいし
タレに付けて付け焼きにして蒲焼にしてもいい。
頭はよく焼いて食べればいいと教わり、追って豆腐とトマト、
どんぶり飯とみそ汁を持って来られたが、どれも旨い。



大阪ではウナギと言えば蒲焼きしかなく、ほとんどタレの味だが
自分で焼きながら白焼きで食べたのは初めてで、少し塩を付けて食べたが
こんなに美味しいウナギを食べたのは初めてだ！

　　　

ウナギの頭もよく焼けば香ばしくて美味しい。
大将も気を遣っていろいろと知っている限りの大阪の話をされて
ゆっくり食べられなかったが、大将の根っからの優しさが感じられる。
これで一人３千円だと言うが安いと感じられ、「安い」と言ったら
元ヤンキーっぽい従業員の姉さんから「もっと払いたいですか？」と
大阪人のようにポンポンと返され、あっさりしていて気持ちがいい。
群馬県の１発目から大満足の旅が始まった。

参考：野沢屋本店（食べログ）