未熟者武道記

空手徒然。
二つの戈を止める武を核とし、諸諸と調和して溶け込んで。(いけたらいいな)

連動す 二

2015-06-16 22:04:27 | 雑感
一般部も全身を使う稽古です。少年部とは違い基本稽古からしっかり意識して体を余すことなく突いて蹴ります。

7~8年程前にWSに行った伊藤式『胴体力メソッド』というものがあるのですが、氏曰く体の動きは①丸める・反る②伸ばす・縮める③捻る の3つに分類されるのだそうです。
それしかないと言うよりは、その3点に着目した感じでしょうか。

これは大きな故障でも無い限りは幾つになっても可能な動きです。これらの単純な動きを確実に行うことで技は研鑽を重ねられます。筋力的ではなく本質的に。


私がフルコンに未来が見えないなと思う原因の一つが組手の距離感です。近年は接近戦しか見られません。接近戦の信条は、細かく!速く!手数!スタミナ!ラッシュラッシュラッシュ!!でしょうか。
昔は綺麗な上段蹴りを放っていた者が組手に傾倒する内に下段蹴りと膝蹴り、下突きしか使わなくなるのはよくある話(苦笑)

試合ルールを是として稽古する余りに技の質が接近戦のものに偏り、体を縮こめた動きばかりしか出来ない人が増えます。それでいて審査会等では体が使えていないというダメ出しが頻繁にありますが、習う側からしたらそりゃあんまりだと思い離れられても仕方ありません。

近いと末端しか動かしませんからね。そして接近戦は実戦的ではないのです。あれは飽くまでフルコン用の距離ですからフルコンは今や実戦空手とは呼んではいけません。実戦の距離はもう1~2歩後ろ。

それはそれで割り切れば良いのですが、やはり前回も顔面攻撃に関する記事で述べたように、先に本質的なものがあってのルールなので。

流派の最高峰イベントが接近戦や腕力を推している以上、体の使い方云々はいくら美辞麗句を並べ立ててもダブルスタンダードに他なりません。


とつい此処まで長くなりましたが…。


組手では体を大きく使えるようにショートレンジを禁止してミドル~ロングレンジでの攻防をしてもらいました。
結果としてよく見て動けましたし、体の自由がある分だけ技の幅も広がりました。そして何より構えが確り出来ていました。だからやられない。

そう。
実戦とは何も倒すことじゃないのです。倒されない事こそ立派な実戦。
私はこの接近しない組手にフルコンの未来が見えたような気がしました。


若者が減ってる中若者しか出来ない事が存続は出来ませんとも。
教える側が今一番考える時だなと指導しながら染み染み思いました。





.

連動す

2015-06-16 16:12:18 | 稽古
今週は躍動感のある蹴り。速く、そして伸びと強さがある蹴りを目指します。

蹴りと言っても足だけの問題に非ず、これは突きにしても同じ事。
体の使えるところ全部使って繰り出す突き蹴りが、単なる手足の運動のようなそれとは一線を画す力を生み出します。

運動の苦手な人というのは概ね末端運動をしているのです。手だけ、足だけ。

手も足も、それだけではなく全ての部位が胴を介して端から端まで繋がっています。だから蹴りであっても背中や腰を使うのです。

運動センスの良い人はこれを体で分かっているのか動きに躍動感があります。だから幼少期に色々な動きをさせるのが良いのですね。

空手の形でも手だけ、足だけを動かす別けた動きはありますがそれは飽くまで芯を通した中での動きなので結局は全身運動。

入門すると先輩の動きを見ることになりますが、彼らはある程度大きなところを掴んで完成されてきているので小さい動きに見えるかもしれません。
その見える処だけを真似ると何の意味もない動きしか出来なくなるので、初めは大きく動いて体を捉えていくのが大事です。

きっと空手以外でも活きてくるでしょう。





.