未熟者武道記

空手徒然。
二つの戈を止める武を核とし、諸諸と調和して溶け込んで。(いけたらいいな)

勝ち方 負け方

2019-03-21 21:21:49 | 大会
今日は毎年恒例、尼崎支部主催の阪神地区交流大会でした。参加人数は五十名余と少なめではありましたが熱い試合が繰り広げられました。

先ずは入賞者たちと寸評を。向かって右から優勝、準優勝、三位です。

幼年気持ち的に幼年は皆優勝をあげたいのです。

一・二年女子いきなり決勝で緊張しただろうけど気合いが欲しかったかな。

一年男子決勝は経験の差が出たもののそれまでが紙一重の差の試合。気を抜くと来年ガラッと入れ替わるかも。

二年男子皇成にどれだけ食らいつくかでこの学年の底上げの幅は物凄いものになるでしょう。

三・四年女子決勝は去年と同じ組み合わせでしたが去年より差が随分縮まりました。来年が楽しみです。

三年男子勝っていてもちょっとした隙で勝敗がひっくり返ります。三年はそんな試合が多かったかな。

四年男子勢いだけでは勝てなくなる分かれ目の学年。自己分析。

五・六年男子六年生達は後輩にしっかり気持を残してくれたと思います。

敢闘賞選出にとても迷いました。

技能賞観に来てくださった品川先生がベタ褒めでした。決勝の上段はスゴいね。

ベストファイト賞凄い盛り上がりでした。


さて。

大会はただ出るだけでは成長はありません。出る事に意味や意義があるのではなく勝ち方、負け方に価値があります。仮に百人のトーナメントだとしたら九十九人は敗者。練習姿勢が勝利を更に色濃くし、敗戦が次に繋がる糧になるのです。試合の良いところですね。競技に溺れてしまうとそこが歪んできますが。これを記している当に今、テレビでは私が最も尊敬するイチロー選手の引退に絡む特集をしておりますが、彼は4000本安打を達成した時に「僕の数字で言うと8000回悔しい思いをしてきた訳で、そこと向き合ってこれたのは誇れるところです」という事を述べたこの言葉は途轍もなく深く重いですね。

一生懸命やって勝つことの次に素晴らしいことは一生懸命やって負けること。(Next to trying and winning, the best thing is trying and failing.)
という言葉が私は好きです。今日の勝ちも負けも今日だけのもの。ひたむきな姿勢はいずれ勝ち負け以上の価値が出るでしょう。頑張る姿は誰であれ幾つであれ美しいものです。


良い試合をありがとう👍




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大先生

2019-03-21 20:51:30 | 日記
ニュースでもみるかとヤフーニュースを開いたら友人の師匠の記事が出ていました。猪熊先生。御歳九十九。お会いした当時は八十五辺りだったでしょうか。生きるパワーを感じる先生です。

何年か振りにふらっと立ち寄っても「おお◯◯君、よう来たなあ」と本気でやっていた訳でもない自分らの名前を憶えていてくれるのが嬉しいと友人は言っておりました。確かにすごく大事なことですね。

やはり私が香川に居た高校時代から空手道場の間では有名で、老眼が無いとか戦時中の癖か一人での食事中は横に長槍を置いていて、高弟であっても「これ以上近付いたら殺すよ」とか田舎ならではの嘘か真かわからない噂が飛び交っておりました。

大学在学中か卒業してからかその辺りで友人に連れて行ってもらい初めてお会いしましたが、噂の人物像とかけ離れた円やかな雰囲気のお爺ちゃま。記事の通り道場のスタイルはフリー。私の通った道場もそうでしたから田舎のスタイルなのかもしれません。私は正道会館に来た時は逆にそのシステマチックさにびっくりしましたから。私が指導中に出す思い付きやいい加減さはその名残です(笑)

当時まだ競技志向でしょうむない三流空手家だった私にも「あっ、この先生本物や」と分かる先生でした。見学だけで暇を持て余した私が拳をコツコツ何かに当てていたら「そんなことしたらいかん。拳悪するだけやで」と仰っていたのが凄く今でも頭に焼き付いています。癖で鉄骨等今でも殴ってしまいますが、部位が掌底等に変わる瞬間は猪熊先生の言葉が頭をよぎった瞬間です(笑)

組手もありませんでした。
師範代が技を試したい若者の技を受けてあげている光景はありましたが。生涯武道を考えた時、あの日は空手観が大きく変わるきっかけになった一日と言っても良い日でした。

もう一度お会いしとうございます。
ちょうどその友人が家を建てたので新築祝いに行った時また連れて行ってもらいますか。




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