未熟者武道記

空手徒然。
二つの戈を止める武を核とし、諸諸と調和して溶け込んで。(いけたらいいな)

大前提

2015-11-20 23:49:11 | 稽古
現在巻いているその帯。取ってきた方法は二通りあります。

一つは実力で勝ち取った帯。
一つは周りの配慮で譲ってもらった帯。

フルコンタクト空手である以上避けて通れない組手ですが、当然皆得意な訳ではなく一番差が開いてしまうところです。
強い子の配慮で組手が苦手な子は手加減され続け、何となく進級して行き遂には立往生&自信喪失…というパターンに陥る場合も少なくなく。

せめて四級或いは三級辺りで手を打っておかないと先が無くなり兼ねませんし現にその辺りの子で組手になっていない子が多い実情。今週はこれを打開しようかなと。
取り敢えずいつも通り組手をしていても苦手組は目に光も力もなく、どうせ勝てないとでも言っている眼差しです。

そこで一つ携えておかねばならない心得を話しました。
私は組手信者でもないし、フルコンに於いてさえ強さが全てとも思っていません。が、それは弱くて良いという意味でなく、空手をしている以上は強くて当たり前。強いのが標準。一定の帯から上は弱いなどあり得ない。組手が苦手なことを否定する様な真似はしないけど、そのままにしておくなら進級を望んでもいけない。

とクラスごとに言葉は違うものの大凡そんな話をしたのですが、するとそれ以降の組手で別人のようなアグレッシブさを見せる不得手な面々達。何か思う事があったのでしょうか。
今回、六甲道教室では泣く子も数名出ましたが、今までは強い相手からは逃げ回ってたから痛くなかったけど今日は向かって行って色々分かって良かったと言っておりました。泣きながら強者に対峙する息子に感じるものがあったのかお母さん方からも帰りに御言葉を頂きました。

蝶よ花よでは強さは得られないのです。
強者であればある程自分の弱さを痛感し向き合ってきたのだろうと思います。
弱さを経ない強さは無いのかもしれませんね。

今週の気持ちが来週萎えていない事を願っております。




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マジックテープの攻撃

2015-11-11 22:22:35 | 稽古
今週の一般部は突き(特に左)をテーマに練習しておりますが、意外な敵に悩まされる事になるとは…。

それが新型グローブ。

いつからだったか改良型が大会用公式グローブとして採用され皆さん此方を着けて組手等行うのですがこれがまた痛い。

打撃の痛さなら良いのですがそうではなく、その突きを受ける度にマジックテープのザラザラした方が腕を引っ掻いていきます(´Д` )
突きだけの組手をしている内に擦りすぎて出血する部分もありました(苦笑)猫にやられたみたいです。

そういえばそんな声を聞いたことがあるなと思いながら耐えておりましたがこれは改良の余地があるのではないかなと思いました。私のようなオッサンなら兎も角、女性は毎回引っ掻き傷出来てたらイヤでしょう。

一昔前のグローブはシッカリしていましたが随分質も変わったものです。マジックテープを駆使すれば違った効かせ方も生まれ得るかもしれませんがしかしやはり 素手 is bestやなと思いました。




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Knowledge

2015-11-07 00:19:32 | 名言考察
“All types of knowledge, ultimately mean self knowledge.”
「私が思うに全ての知識は最終的には自己認識につながっていく」

ブルース・リー


私は武道を一つの哲学として捉えています。全ての知は一つのものとして完結する筈なのです。それが学業であれ運動であれ会社勤めであれ。
しかし例えば多くの学生がそうであるように、ただ学問を学問するような知識の得方では無理。私が学業に今ひとつ熱が入らなかったのはそこにありましたが。点を取れば上に行ける。だから何だと。考えている振りをするなと。

空手においては単に肉体的に強いだけではどうにもならんという事が解り、強さとは何か?という問いが脳にこびり付いております。本当の意味で考えられるといいましょうか。
安直に組手(或いは形)だけに価値観を求める者も少なくありませんが、あんなものは物の一表現に過ぎず。

自分の知を肉体運動を介してどう表すのか、また何処でどのように知を得るのかという処にどうにも離れ難い魅力を感じているのですね。それもいずれは自己循環してゆくのでしょうが。

私はヨガに惹かれるものがあり入門編からマニアックなものまで幾つか書籍も揃えているのですが、それは何故かと考えたところやはり哲学として思想として、様々な形を肉体で表現するところからなのでしょう。全身を澱みなく動かせるようになれる可能性も含めて。
近年溢れている◯◯ヨガといった子供騙しで底の浅いものには嫌悪感しかありませんが。

全く違うジャンルで生きている人同士でも、考えてきた人同士なら話が合い何か得られることもあるでしょう。
浅い者同士だときっと疲れるだけ。

文武両道と言いますが、それは単に勉強もスポーツも満遍なくしなさいという教えではなく、一つの事象から知性的なものと肉体的なものを導き出しなさいという事なのではないかなと思う今日この頃なのです。



冒頭の言葉を残したブルース・リー。彼は哲人でもありました。勿論武道を哲学として捉えていました。
よく本当に強かったのか?と問われていますし、ネット検索でブルースリーと入れると予測検索の中に「強かったのか」と挙がります。幼稚な問いです。

個人的にはイップマンに師事していた事やデモンストレーションの動きからも相当な強さだったと思います。
しかし彼の凄い処はそんな強い弱いというチンケな価値観上にあるのではなく、彼の偉大な処は彼自身の武道哲学を彼の身体で表現し切ったところにあるのだと考えます。

何に従事していようが哲学を持つことと体現する事が肝要なのでしょう。








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軸を取る、纏める

2015-11-04 23:47:21 | 稽古
一般部は軸を取る練習に取り組みました。私は人の軸は三軸と考えています。
(①右肩~右脚のライン ②正中線 ③左肩~右脚のライン)

右で蹴る時は②と③を、左で蹴る時は①と②を重ねて二軸を一軸に纏めます。
すると二対一になり蹴りがスムーズに出るわけです。軸を纏め切れていないと流麗な蹴りには成り辛いかな。頭から膝のラインが真っ直ぐ一本線になるようにしましょう。

軸が取れると回転系の蹴りも難なく出来ます。脚だけの問題と捉えて蹴る人は色々バタつきます。脚一本に対して胴体は余りに重すぎるのです。ですから蹴りも先ずは胴体から。

移動稽古で繰り返した前蹴上と回転しながらの移動は様々な技の養成に役立つ事でしょう。是非個人でも取り組んで頂きたく思います。
中学の頃からこの手の移動稽古を積み重ね、軸を良く理解している波也翔は私がオマケで見せた『裏回し蹴り』を見ただけで完コピしておりました。私が蹴らない代わりにいつか彼が誰かに炸裂させるかもしれませんから注意してください(。-_-。)





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そしてまた山へ…

2015-11-03 19:05:26 | 山登り
休みの度山へ登らせようとする息子氏。
今回は須磨アルプスを攻めようかと思いましたが前回が不作だったので息子は摩耶山をリクエスト。

しかしまた同じでは面白味も無く疲れも増すので登山口を変更することに。今回は雷声寺からではなく新神戸駅の裏手から布引の滝経由で雷声寺へ降りるというコースにしました。ケーブル代がかかりません(^ω^)

新神戸駅の高架を抜けて山へ。
地図があるので大体のルートを確認。マップがあるなら持っとくべきですね。いつも忘れます。

息子が急に「ハリネズミがおる!」と叫ぶので、んなアホなと確認しにいくと土竜が!!撮ろうとしたら颯爽と逃げたので穴だけ。確かに顔はハリネズミぽいかも。

特に見るべきものもなく、案内通り進んで布引の滝へ。意外と大き目。

近くの見晴台。息子もはや反応せず。

しっかりし過ぎな蔓橋がありました。渡らずに進みます。
Twenty Cross(二十渉)の発音に時代を感じつつそっち方面へ。
川沿いや涼し。

そして貯水池に到着。ドーナツで小休止。

息子は天狗道を選択。テングタケがあると信じて疑いません。二十渉は少し発音が現代寄りに。

少し進むと初キノコ発見!しかし図鑑にも無かったのか名前は不明。
野紺菊を眺める。草花にも興味あり。
猪のルートかな?

やはり余りないキノコ。年中生えるカイガラタケは偶にあります。

僕が折りました(嘘)

天狗道というだけあって岩場が多いです。

勾配よりも歩き辛さに疲れた様子。二度目の小休止。次はおにぎり。

暫く道なりに進むと学校林道とのT字路に到着。前は此処に沢山あったキノコはいずこへ…

しかしビッシリ生えたカイガラタケを発見。触診を交えての講義が始まります。

ところが…急にNO.2を催した博士、急いで下山(笑)

こんな時に限って大きなキノコが出現。お腹の事情により華麗に無視(笑)

どんどん下り雷声寺着。

珍しい哉、ここでも階段で土竜を発見。しかし可哀想に事切れておりました。襲われた跡もなく彼に何があったのやら、自然界は厳しいですね。
大学で受講していた心理学の教授が「自由を履き違えた者が鳥のように自由に成りたいなどと言うが、朝起きて鳥になっていたら必ず人間に戻りたいと願う」と言っていたのを思い出しました。自由とは何なのか、というのは道徳教育でも大事な項目です。

閑話休題。
無事用を足した息子と懐かしいひっつき虫で遊びました。久々に見た気がする。
田舎には嫌という程咲き乱れていて靴下に付いたヤツにイライラしたものです。

疲れますがこうして植物に親しむのも人らしくて良いなあと思う最近の山登りであります。

けど電車もやっぱり好きで新幹線が気になるみたいです。
まだ幹線新!と言っていた小さい頃によく祖母が連れてきてくれたなあ…

簡単なコースとはいえ5時間弱歩いたので少々疲れました。三宮まで歩くのを合わせると丸5時間。

空腹が過ぎたのか「廣場」が唐揚げに見えたので三宮で妻と合流した後元町で名物コロッケを食べて帰りました。





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