三ツ沢を歓喜が包む!
キングが決めた。魅せた。踊った。
前半21分、サイドを駆け上がった滝沢のクロスに走りこむ。
落ち着いて右足を振りぬくと、ボールはゴール右上に突き刺さった。
その瞬間、スタンドがゆれた。
久しぶりのカズダンスが披露されると、スタンドの興奮は最高潮。
最下位に低迷するチームにとっても、のどから手が出るほど欲しかった先制点だ。
予感はあった。
セカンドボールを拾うことでリズムを掴み、サイドから攻めこむ横浜。
カズは果敢に2列目からの飛び出しを繰り返した。
大分・シャムスカ監督は苦虫をかみつぶすように語る。
「三浦選手の飛び出しでいい形を作られた。森重がマークするはずだったが、何度かやられてしまった」
得点にこそつながらなかったものの、カズは何度もチャンスに絡んでいたのである。
新たな手応え
それだけいい動きができた理由をカズはこう分析した。
「前(平本)でタメができて、根占との関係もよかった」。
新加入の平本を含め、チームのコンディションは上向きだ。
思えば、カズが去った後のヴェルディで11番を引き継いだのは平本だった。
「才能もあるし、まだまだ伸びる」。
キングがそう評価する彼が機能したことも、大きな収穫だ。
1トップ気味の布陣の中で、平本はターゲットとして動き回った。
後半11分には中島のクロスに飛び込み、あわやの場面を作った。
ディフェンスでも走り回った。
「彼にしかできないプレーをしてくれている」。
高木監督がそう語る通り、貴重な攻撃の一手となってくるはず。
頼りにしていた久保のいない攻撃陣において、カズとともに大車輪の活躍が期待される。
キングがいる幸せ
しかし、この日の主役は終始カズだった。
後半20分、ベンチに退く際にはスタンディングオベーション。
試合後には正規のインタビュー後、内田とともにゴール裏のお立ち台に上がってサポーターを喜ばせた。
――ダンスものほかにも、試合後に「元気ですかー!」と叫んでいましたね。
筆者の問いに「内田が先にやってたから。マネしただけです」と苦笑い。
その後、「(勝ちを決める終了の)笛がなった瞬間とか、(サポーターやスタッフとの)一体感がある。みんなで喜びあえる」と勝利の余韻を噛みしめた。
そして、すぐに「でも、次に切り変えなきゃ」とカズは前を向いた。
降格圏内にいるチームにおいて、この姿勢が心強い。
高木監督も「プレーの面でも、精神的にもまだまだ影響力は大きい。良くも悪くも頼っている部分は大きい」とその存在感を認めている。
今日、キングがいる幸せを横浜サポーターは存分に味わっていることだろう。
そして、同じ幸福を私も感じている。
ひとりのライターとしてなのか、サッカーファンとしてなのか、わからないけれど。
スタジアムからの帰り道。
電車にゆられる私の耳からは、いつまでも「三浦カズ!オ・レ!」の大合唱が離れなかった。
横浜FC2-1大分(試合詳細)
キングが決めた。魅せた。踊った。
前半21分、サイドを駆け上がった滝沢のクロスに走りこむ。
落ち着いて右足を振りぬくと、ボールはゴール右上に突き刺さった。
その瞬間、スタンドがゆれた。
久しぶりのカズダンスが披露されると、スタンドの興奮は最高潮。
最下位に低迷するチームにとっても、のどから手が出るほど欲しかった先制点だ。
予感はあった。
セカンドボールを拾うことでリズムを掴み、サイドから攻めこむ横浜。
カズは果敢に2列目からの飛び出しを繰り返した。
大分・シャムスカ監督は苦虫をかみつぶすように語る。
「三浦選手の飛び出しでいい形を作られた。森重がマークするはずだったが、何度かやられてしまった」
得点にこそつながらなかったものの、カズは何度もチャンスに絡んでいたのである。
新たな手応え
それだけいい動きができた理由をカズはこう分析した。
「前(平本)でタメができて、根占との関係もよかった」。
新加入の平本を含め、チームのコンディションは上向きだ。
思えば、カズが去った後のヴェルディで11番を引き継いだのは平本だった。
「才能もあるし、まだまだ伸びる」。
キングがそう評価する彼が機能したことも、大きな収穫だ。
1トップ気味の布陣の中で、平本はターゲットとして動き回った。
後半11分には中島のクロスに飛び込み、あわやの場面を作った。
ディフェンスでも走り回った。
「彼にしかできないプレーをしてくれている」。
高木監督がそう語る通り、貴重な攻撃の一手となってくるはず。
頼りにしていた久保のいない攻撃陣において、カズとともに大車輪の活躍が期待される。
キングがいる幸せ
しかし、この日の主役は終始カズだった。
後半20分、ベンチに退く際にはスタンディングオベーション。
試合後には正規のインタビュー後、内田とともにゴール裏のお立ち台に上がってサポーターを喜ばせた。
――ダンスものほかにも、試合後に「元気ですかー!」と叫んでいましたね。
筆者の問いに「内田が先にやってたから。マネしただけです」と苦笑い。
その後、「(勝ちを決める終了の)笛がなった瞬間とか、(サポーターやスタッフとの)一体感がある。みんなで喜びあえる」と勝利の余韻を噛みしめた。
そして、すぐに「でも、次に切り変えなきゃ」とカズは前を向いた。
降格圏内にいるチームにおいて、この姿勢が心強い。
高木監督も「プレーの面でも、精神的にもまだまだ影響力は大きい。良くも悪くも頼っている部分は大きい」とその存在感を認めている。
今日、キングがいる幸せを横浜サポーターは存分に味わっていることだろう。
そして、同じ幸福を私も感じている。
ひとりのライターとしてなのか、サッカーファンとしてなのか、わからないけれど。
スタジアムからの帰り道。
電車にゆられる私の耳からは、いつまでも「三浦カズ!オ・レ!」の大合唱が離れなかった。
横浜FC2-1大分(試合詳細)