2018年9月23日(日)☀ 別山~立山三山
立山三山は浄土山、雄山、別山を指しますが
今回は別山から雄山へと向かう様子を綴ってまいります
別山 北峰からの続きです
別山北峰からは 来た道を戻って
別山南峰へと向かいます
しかし…北峰に向かう途中に
南面斜面に池のようなものが目に留まり
それが気になって仕方がありませんでした
その付近を歩く人の姿も記憶しており
帰りはそこを歩きたいと密かに思っておりました
でも…
チチは来た稜線をそのまま戻っていく様子
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チチ…池が気になります!
えっ 行くの?
はい…
チチは苦笑しながらも 池へと
下るように方向を変えてくれます
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硯ヶ池
そこだけ 違う世界のようでした
渋い色どりの中に 澄んだ水を湛え
その水面が小さく波打っています
渇水期には水がなくなると聞きますが
今回は 豊富に水を湛えた姿が見られました
澄んだ水
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硯ヶ池
硯の形に見える事から硯ヶ池
その池の縁を歩く形で尾根少し外れて歩きます
それにしても この池の水…
何かあった時 飲めそうなほど美しい…
さざ波を立てた水面がキラキラ光って見えます
その池を見るために
ほんのちょっとのエスケープルートを歩いたら
別山頂上は回避して 立山へと向かいます
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右に別山 左に立山
白い砂礫の隆起のような別山を巻いて
エスケープルートを歩いていると ここにもまた
小さな池のような水溜りがあります
その横を通りすぎ 向こうに見える
立山の稜線を見て歩きます
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立山
立山の圧倒的な貫禄に魅了されながら
展望の良い尾根を歩きますが…
稜線上の風は くせ者です
我が物顔で吹く強さは半端ない…
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直に体当たりされると呼吸が出来ません
飛ばされないように体勢を整えたり…
いつまで続くこの風との戦い…
目を遠くに伸ばせば
立山の向こうから増える雲が…
やはり…
天気は下り坂…
雲が増える前に…
雄山までは辿り着きたい 頑張ろう…
自分を励まし チチの姿を追います
尾根伝いの急な下り
石ザレの稜線を歩いてきます
下りの時は戯れた浮石などに注意…
転倒したらただでは済まなさそう…
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こんなに景色がいいのに
足下ばかり見て歩く私…
時折足を止めて 一呼吸します
登り返し
真砂乗越 2750m
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一変に景色が変わった感じがする白砂礫の尾根
立山三山への綱渡しのように雄大な線を描いて続きます
緩やかな所 急な所 そんな稜線を
ただ只管歩きますが
やはり 力が どんどん無くなる感じがします
風が強く息がしにくい所為だと
この時はそう理由付けていました
岩ガレの急登
真砂岳の分岐
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真砂岳 2861m
登りになると 足が重く まるで
足枷でも付けられているよう…な感じ…
次第に 登りは嫌だ~! と 心の中で
駄々を捏ね始める自分が現れてきました
それでも 悶々と
足下の岩ザレの石を見ながら歩いていると
真砂岳に辿り着きます
顔を上げると そこにひろがる展望は
やはり 御褒美以外のなにものでもありません
今迄のしんどさが
全て吸い取られていく感じです
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唐松岳・五竜岳・鹿島槍ヶ岳
内蔵助山荘から延びる稜線の先には
後立山連峰が連なって見えます
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奥大日岳大日岳
室堂平方面の雲の動きが微妙です
それでもまだ 展望は素晴らしく
高山の稜線の魅力を味わいます♪
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平坦で細長い真砂岳を進みます
雷鳥沢に下るエスケープルートの分岐から
左下に 内蔵助カールを望み、
前方に 富士ノ折立を見ますが
その山頂直下はかなり傾斜がき・つ・そ・う…
稜線の先に見える雄山は まだ遠い… 頑張らねば…
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ですが…
私の体は 鉛を背負っている感じで
どんなに自分を励ましても 力が湧いてきません
常に酸欠のような感じで 眩暈すら感じています…
風のせいだ…
風のせいで 息が出来ないからだ…
この時も高度障害とは思っておりませんでした…
ただ 風のせいで呼吸が乱れるためと思っておりました…
風は 薄ら笑いを浮かべ 試すように
容赦なく吹き付けてきます
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白い砂礫の広大な稜線が続きます
真砂岳を過ぎて なおも、なだらかな稜線を進むと
左手に雪渓?氷河?の残る内蔵助カールが見えてきます
ここは 雪氷現象研究が行われている場所だそうですが
年々 雪渓も小さくなっているような…?
それとも…この季節はこんなものなのでしょうか…?
登山者の姿も思うほど多くなく
時折 団体さんとすれ違う程度です
静か…というべきか…風は煩いのですが
この時はまだ しんどいと思いながらも
安穏な山歩きが愉しめていました
手作り標識
内蔵助氷河
富士ノ折立の肩までのガレ場
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振り返って 内蔵助カールと氷河
うん十年前に ここ内蔵助カールに来ています
その時はカール全体に雪渓が残っており
取付き迄 アイゼンをつけて登った記憶が…
やはり 雪渓が小さくなっている…?
何度も振り返って見直します…
まずは 富士ノ折立の肩まで
浮石の多い不安定な斜面を登っていきます
真砂岳のコルからは
標高差約200メートル程ある登りです
ここでも 登りは もう嫌だ~! と
心の中で叫んでいました
歩こうと思うけれど 足が動かないほど
疲れを感じるからです…
あぁ…酸素が欲しい そう思って
深呼吸をしよとすると 風が口も鼻も塞いできます
下ってくる人? この頃から…
あれ?
富士ノ折立の肩
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富士ノ折立 999m
呼吸をタイミングを見て整えながら
なんとか 富士ノ折立の肩に来てみれば
呼吸が止まりそうになるほどの人の数…
急に雑踏の中に飲まれる感じで
一瞬 めまいがします…
そんな私に チチが言います
このまま 先に進むぞ…
えっ?
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先があるから ここは避けよう
???
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後ろ見てごらん それでも行く?
ギョ!
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富士ノ折立への行列!半端ない
デポして登っている人のザックの傍らに
まだ待 機して待つ人の山!
迷うことなく 休憩もせずに
そのまま通過していく事に…
そして ここから 風だけではなく
人との出合も増えてきます…
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室堂平
中央の灰色の地獄谷
その向こうに奥大日ヶ岳 大日ヶ岳ヶ鎮座し
そのすそ野を巻くように流れる称名川が
深い渓谷を作り出しているのが見えます
室堂平の箱庭の向こうから蠢くものが
どんどん広がってきているように感じます
そして…静かな景色とは裏腹に
流石に立山の主稜線…次第に人が増えて
離合に時間が掛かるようになり始めます…
団体さんとのすれ違い…
大汝休憩所が見える
軽いアップダウンを繰り返して
ガレ場の登りを頑張ると 建物が見えてきます
この建物が大汝休憩所のようで
その裏に出た形になります
丁度 おトイレをお借りしたかったので
右側に回るようにして 正面へと向かいます
建物を右側から周る
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大汝休憩所
正面の入り口付近は 多くの人でにぎわっております
それぞれに風を避けるように休憩をとられていますが
その間を通って 休憩所の中へと入って行きます
休憩所の中もごった返しですが
おトイレは空いているようで お借りします
使用料は100円です
山で綺麗なおトイレを使えるのは
この上なく贅沢な事です
我が家も 皆さんの仲間に入らせて貰う事にし
少し休憩をとります
この休憩所から立山最高峰の大汝山までは
大体2~3分で登れるはずです
小屋からすぐにある標識
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大汝山の山頂は登山道から5mほど登った所にあり
立山最高峰という事もあり やはり人は多い感じです
山頂は大岩が累々と積み重なった
小さく狭い岩峰のようです
大勢の登山者が立つ事はできません…
その為 頂上へ行くには
渋滞の中の順番待ちとなるのですが
最高峰と聞いては スルーは出来ません
頂上を目指します
しかし 2~3分ほどの距離でも
今の私には しんどく感じます
3000メートル超えの壁は
数分の距離と言えども堪えます
そして漸く…
酸欠状態のしんどさが 風の所為だけではなく
高度障害によるものでは…と気付き始めます
麻痺した頭での この鈍感さが
山では致命傷となる事もあるのですが…
チチと言う保護者同伴の私は
ついつい 呑気に構えてしまいます…
きっとチチは 私の子守に
苦労しているのでしょう…ね
登山道から順番待ち!
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大汝山 3015m
登山道から狭い岩峰に並んで待つ事10分
漸く頂上に立つことが出来ました♪
東方向には
白馬岳、五竜岳、鹿島槍ヶ岳と後立山連峰の名峰が並び
西方向には
室堂平から大日連山の山並みの大パノラマ広がって見えます
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槍・穂高岳連峰をはじめとする北アルプス_
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黒四(黒部ダム)
待つ間に見た景色は 風の存在すら忘れさせるほど…
しかし…
漸く頂上に立っても…
ゆっくりとしたくても…
並んで待つ登山者の姿を見ると…
早々にその場から離れる事にします
次は 立山最後のピークです
だんだん雲が増えてきていますが まだ展望を覆う事はなさそうです
天気が怪しくなってしまう前に 急いで雄山へと向かうことにし
最高峰の大汝を後にします
つづく
立山三山は浄土山、雄山、別山を指しますが
今回は別山から雄山へと向かう様子を綴ってまいります
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別山北峰からは 来た道を戻って
別山南峰へと向かいます
しかし…北峰に向かう途中に
南面斜面に池のようなものが目に留まり
それが気になって仕方がありませんでした
その付近を歩く人の姿も記憶しており
帰りはそこを歩きたいと密かに思っておりました
でも…
チチは来た稜線をそのまま戻っていく様子
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チチ…池が気になります!
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えっ 行くの?
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はい…
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チチは苦笑しながらも 池へと
下るように方向を変えてくれます
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硯ヶ池
そこだけ 違う世界のようでした
渋い色どりの中に 澄んだ水を湛え
その水面が小さく波打っています
渇水期には水がなくなると聞きますが
今回は 豊富に水を湛えた姿が見られました
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硯ヶ池
硯の形に見える事から硯ヶ池
その池の縁を歩く形で尾根少し外れて歩きます
それにしても この池の水…
何かあった時 飲めそうなほど美しい…
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さざ波を立てた水面がキラキラ光って見えます
その池を見るために
ほんのちょっとのエスケープルートを歩いたら
別山頂上は回避して 立山へと向かいます
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右に別山 左に立山
白い砂礫の隆起のような別山を巻いて
エスケープルートを歩いていると ここにもまた
小さな池のような水溜りがあります
その横を通りすぎ 向こうに見える
立山の稜線を見て歩きます
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立山
立山の圧倒的な貫禄に魅了されながら
展望の良い尾根を歩きますが…
稜線上の風は くせ者です
我が物顔で吹く強さは半端ない…
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直に体当たりされると呼吸が出来ません
飛ばされないように体勢を整えたり…
いつまで続くこの風との戦い…
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目を遠くに伸ばせば
立山の向こうから増える雲が…
やはり…
天気は下り坂…
雲が増える前に…
雄山までは辿り着きたい 頑張ろう…
自分を励まし チチの姿を追います
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石ザレの稜線を歩いてきます
下りの時は戯れた浮石などに注意…
転倒したらただでは済まなさそう…
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こんなに景色がいいのに
足下ばかり見て歩く私…
時折足を止めて 一呼吸します
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一変に景色が変わった感じがする白砂礫の尾根
立山三山への綱渡しのように雄大な線を描いて続きます
緩やかな所 急な所 そんな稜線を
ただ只管歩きますが
やはり 力が どんどん無くなる感じがします
風が強く息がしにくい所為だと
この時はそう理由付けていました
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真砂岳 2861m
登りになると 足が重く まるで
足枷でも付けられているよう…な感じ…
次第に 登りは嫌だ~! と 心の中で
駄々を捏ね始める自分が現れてきました
それでも 悶々と
足下の岩ザレの石を見ながら歩いていると
真砂岳に辿り着きます
顔を上げると そこにひろがる展望は
やはり 御褒美以外のなにものでもありません
今迄のしんどさが
全て吸い取られていく感じです
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唐松岳・五竜岳・鹿島槍ヶ岳
内蔵助山荘から延びる稜線の先には
後立山連峰が連なって見えます
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奥大日岳大日岳
室堂平方面の雲の動きが微妙です
それでもまだ 展望は素晴らしく
高山の稜線の魅力を味わいます♪
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平坦で細長い真砂岳を進みます
雷鳥沢に下るエスケープルートの分岐から
左下に 内蔵助カールを望み、
前方に 富士ノ折立を見ますが
その山頂直下はかなり傾斜がき・つ・そ・う…
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稜線の先に見える雄山は まだ遠い… 頑張らねば…
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ですが…
私の体は 鉛を背負っている感じで
どんなに自分を励ましても 力が湧いてきません
常に酸欠のような感じで 眩暈すら感じています…
風のせいだ…
風のせいで 息が出来ないからだ…
この時も高度障害とは思っておりませんでした…
ただ 風のせいで呼吸が乱れるためと思っておりました…
風は 薄ら笑いを浮かべ 試すように
容赦なく吹き付けてきます
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白い砂礫の広大な稜線が続きます
真砂岳を過ぎて なおも、なだらかな稜線を進むと
左手に雪渓?氷河?の残る内蔵助カールが見えてきます
ここは 雪氷現象研究が行われている場所だそうですが
年々 雪渓も小さくなっているような…?
それとも…この季節はこんなものなのでしょうか…?
登山者の姿も思うほど多くなく
時折 団体さんとすれ違う程度です
静か…というべきか…風は煩いのですが
この時はまだ しんどいと思いながらも
安穏な山歩きが愉しめていました
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振り返って 内蔵助カールと氷河
うん十年前に ここ内蔵助カールに来ています
その時はカール全体に雪渓が残っており
取付き迄 アイゼンをつけて登った記憶が…
やはり 雪渓が小さくなっている…?
何度も振り返って見直します…
まずは 富士ノ折立の肩まで
浮石の多い不安定な斜面を登っていきます
真砂岳のコルからは
標高差約200メートル程ある登りです
ここでも 登りは もう嫌だ~! と
心の中で叫んでいました
歩こうと思うけれど 足が動かないほど
疲れを感じるからです…
あぁ…酸素が欲しい そう思って
深呼吸をしよとすると 風が口も鼻も塞いできます
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富士ノ折立 999m
呼吸をタイミングを見て整えながら
なんとか 富士ノ折立の肩に来てみれば
呼吸が止まりそうになるほどの人の数…
急に雑踏の中に飲まれる感じで
一瞬 めまいがします…
そんな私に チチが言います
このまま 先に進むぞ…
えっ?
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先があるから ここは避けよう
???
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後ろ見てごらん それでも行く?
ギョ!
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富士ノ折立への行列!半端ない
デポして登っている人のザックの傍らに
まだ待 機して待つ人の山!
迷うことなく 休憩もせずに
そのまま通過していく事に…
そして ここから 風だけではなく
人との出合も増えてきます…
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室堂平
中央の灰色の地獄谷
その向こうに奥大日ヶ岳 大日ヶ岳ヶ鎮座し
そのすそ野を巻くように流れる称名川が
深い渓谷を作り出しているのが見えます
室堂平の箱庭の向こうから蠢くものが
どんどん広がってきているように感じます
そして…静かな景色とは裏腹に
流石に立山の主稜線…次第に人が増えて
離合に時間が掛かるようになり始めます…
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大汝休憩所が見える
軽いアップダウンを繰り返して
ガレ場の登りを頑張ると 建物が見えてきます
この建物が大汝休憩所のようで
その裏に出た形になります
丁度 おトイレをお借りしたかったので
右側に回るようにして 正面へと向かいます
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大汝休憩所
正面の入り口付近は 多くの人でにぎわっております
それぞれに風を避けるように休憩をとられていますが
その間を通って 休憩所の中へと入って行きます
休憩所の中もごった返しですが
おトイレは空いているようで お借りします
使用料は100円です
山で綺麗なおトイレを使えるのは
この上なく贅沢な事です
我が家も 皆さんの仲間に入らせて貰う事にし
少し休憩をとります
この休憩所から立山最高峰の大汝山までは
大体2~3分で登れるはずです
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大汝山の山頂は登山道から5mほど登った所にあり
立山最高峰という事もあり やはり人は多い感じです
山頂は大岩が累々と積み重なった
小さく狭い岩峰のようです
大勢の登山者が立つ事はできません…
その為 頂上へ行くには
渋滞の中の順番待ちとなるのですが
最高峰と聞いては スルーは出来ません
頂上を目指します
しかし 2~3分ほどの距離でも
今の私には しんどく感じます
3000メートル超えの壁は
数分の距離と言えども堪えます
そして漸く…
酸欠状態のしんどさが 風の所為だけではなく
高度障害によるものでは…と気付き始めます
麻痺した頭での この鈍感さが
山では致命傷となる事もあるのですが…
チチと言う保護者同伴の私は
ついつい 呑気に構えてしまいます…
きっとチチは 私の子守に
苦労しているのでしょう…ね
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大汝山 3015m
登山道から狭い岩峰に並んで待つ事10分
漸く頂上に立つことが出来ました♪
東方向には
白馬岳、五竜岳、鹿島槍ヶ岳と後立山連峰の名峰が並び
西方向には
室堂平から大日連山の山並みの大パノラマ広がって見えます
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槍・穂高岳連峰をはじめとする北アルプス_
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黒四(黒部ダム)
待つ間に見た景色は 風の存在すら忘れさせるほど…
しかし…
漸く頂上に立っても…
ゆっくりとしたくても…
並んで待つ登山者の姿を見ると…
早々にその場から離れる事にします
次は 立山最後のピークです
だんだん雲が増えてきていますが まだ展望を覆う事はなさそうです
天気が怪しくなってしまう前に 急いで雄山へと向かうことにし
最高峰の大汝を後にします
つづく
立山、体調が思わしくなく、かつ、強い風の中の稜線歩きでしたが、素晴らしい眺望でしたね~
何故人気があるのかを認識できます。
最高峰大汝山からの大パノラマも硯ヶ池の景観も
ウラシマツツジなのかチングルマなのか紅葉もあ
り、本当に素晴らしいですね。何れはあやかりた
いものです。
次のレポも楽しみにしています。
高度循環がうまくいかないようです(苦笑)
でも本当に眺望に励まされました
稜線付近では チングルマの紅葉が目立っていました
硯ヶ池の周辺は チングルマやハクサンイチゲなどのお花が楽しめるようです
室堂平や雷鳥沢ではイワイチョウの葉が黄葉して これから 花紅葉を楽しめそうです♪
やはり高山歩きは 里山では味わえないダイナミックさと繊細さを添えてくれますね
コメントをありがとうございます