法華院温泉山荘からの続きです
一晩中付いている大型ストーブのお陰で
ほんわりと温く快適な夜を過ごし
旅館に泊まった感じの ゆったりとした朝を迎えます
朝食 お弁当
朝…何もせずに、お腹を満たせるなんて…
お茶もスイッチ一つで頂けて
今回は、お弁当付きです♪
片づけなしの 撤収なし…うふふ♪
本当に贅沢な山行です
2日目の コースタイム
7:37 法華院温泉山荘 1303m → 8:05 鉾立峠 → 9:28 白口岳 1720m → 10:02 稲星岳 1774m →
10:40 御(み)池 10:45 → 11:06 中岳 1791m 11:13 → 11:30 天狗ヶ城 1780m →
11:52 久住分かれ → 11:56 久住分かれ避難小屋 12:15 → 12:47 北千里ヶ浜 → 12:53 スガモリ越分岐 →
13:01 諏蛾守越(すがもりごえ) 1505m → 13:16 採石道路分岐 → 14:25 長者原ビジターセンター駐車場
普段になく ゆっくりとした朝です
まだ、誰も出発する様子はなく 静かな法華院温泉山荘を
一足先に出発して行きます
ひとたび外に出ると
そこは冷たい朝の空気が絡む 山の世界
今日は、昨日より少しだけハードに歩かねばなりません
法華院温泉山荘に別れを告げます
脚下照願
門の横で踏ん張る 石の登山靴
誰が動かした?
向きを変えたまま 脚下照願…願い叶いますでしょうか?
法華院温泉山荘の背後から
三俣山が朝日に染まりながら顔を出しています
すべてを見通したように 微笑んでいるよう…
中岳とトーテムポール
行く先の方向に トーテムポール…
その後ろに 大船山も…
全て 見透かしたかの様に 静かに見送ってくれます
ただ…大船山の上で微妙に蠢く雲の動きが 少し気になります…
白口谷
今は閉鎖されている 白口岳へのルート
その稜線の頭上には
白い雲が微妙に動きながらも
機嫌よさげに 紅く燃え立つモルゲンロート…
有明の月も微笑み 冬の面影は微塵もなく
晩秋の秋晴れを想像させそうな感じの朝でした
木道の道
暫し、薄暗く 所々 霜の花が咲き
凍った個所のある 冬というよりは
晩秋の雰囲気を感じさせる登山道を歩きます
三俣山
くたみ別れへの標識の向こうに三俣山を見る様になると
次第に視界は開け出し明るくなっていきます
ヒンヤリトした空気とは裏腹に
風はなく 熱く火照り出した身体から
汗が一気に噴き出しています
白口岳
白口岳が見えてくると
背の高い樹木の姿は消えていき クマザサが目立ってきます
ぽたぽた落ちる汗を拭きながら
もうすぐ見えるはずの峠へとひと踏ん張りです
稜線のコルは 鉾立峠…
昔 この道を…馬が荷馬車を引き 峠を越えていた…と
いまだに信じられない私です…
荒れた道を見ながら 一人悶々と思いながら歩きます
鉾立峠
先にチチが立つ鉾立峠…
どれだけの苦難を越えて昔の人はこの峠を越えていたのでしょう
様々な歴史がこの峠には刻まれているのでしょう
鉾立峠と三俣山
その峠の先の竹田の町方面を右手に見ながら
白口岳へと向かいます
冬枯れの草原の様な山麓から 一気に登って行く事になります
凍った泥濘の 急な道
急登の道ですが
ここは 黒色の泥濘で苦戦する所…
そう…九重名物はここにもあるのですが
やはり… 凍結した道のおかげで
ドロドロになる事は避けられます…
白口岳に取り付きだしてから
空模様が急に変わりだします…
明るく照らしていたお日様も
雲の動きに翻弄され 姿が次第に消されていくよう…
変化する大船山
後ろから見守ってくれていた大船山も
灰色の雲に襲われ
その姿も覆いかぶさられてしまいます…
ふと…出発の時 気になった雲の動きが
現実のものとなってきたのです…
そして、その頃からだったでしょうか
何処からともなくやってきた風が
頭上で音を立てていただけでは飽き足らず
体当たりで向かってくるようになります
登りだしの穏やかさから一変して
冬将軍の軍政に囲まれていきます
凍った泥濘から岩場へと…
道は姿を変えてきました…急な岩の斜面がお目見えし始めます…
空から 小さな小さな結晶が落ちてきたのもこの頃でしょうか…
風さんも気ままに吹き荒れだします
亀(ガメラ)岩も しがみついているよう…
舞い散る小雪も風さんに翻弄され
吹き飛ばされまいと揺れる草木が悲鳴を上げます
この当たりで、オーバーズボンとオーバーヤッケを着て
冬将軍に対抗します
岩に張り付く草が 右往左往するように揺れて…
岩場の道が ほんのりと白くなり始め…
漸く 白口岳の頂に辿り着いたころには…
白口岳 1720m
灰白色の包まれ 視界ゼロ!
大船山も隠れてしまい 自分の周辺しか見えません…
そして 岩の上に白いものがくっきりと…
晩秋から一気に厳冬期へと移り変わって行くお山…
二季節味わう感じとなりますが…急変です…
遮るものさえない頂で ゆっくりと休んでなどおられません
寒さと強風に戦う気もなく 早々に先を急ぎます
風さんは草を揺らして笑っているよう…
稲星越
追われるように、稲星越まで下って行きます
高度を下げた分 風の勢いも少し治まったかの様に見えます
しかし… そう甘いものではなさそうです…
さて…ここで
直に中岳に行くコースと 御池経由と思案します
このお天気…早々に切り上げて温泉へ…とも
考えないわけではありませんでしたが
凍った御池の上を歩くのが夢でした…から…
今日は…必ず凍っている はず…
灰色の先を見ながら 御池コースを選んで進むことに…
分岐から 再び 岩のごろつく登りです
高度があがると…風さんは 何処に潜んでいたのでしょう…
再び現れ 容赦なく吹き付けてきます
何のその! 負けるものですか エンヤコリャ!
ただ…この風さん…問題は 稲星岳への稜線です…
風さんが冬枯れの草を 弄ぶように吹きつけています
さて…問題の稜線です
だだっ広い稜線は 風さんの遊び場となって
好き勝手に暴れまわります
しかし、今回は思った程 強くはない風さんだったような…
以前 ここで遭遇した風さんの脅威は
身体を45度の前傾の低い体勢になっても 倒れることなく
一歩も動けなかったのを覚えています
吹き飛ばされる!
そう思うほどの恐怖が襲ったのですが… 今回は有りません…
しかし、油断はできません
今回の風さんは 確実に歩く事が出来る優しさがあるものの、
気を付けて歩きます
稲星岳 1774m
展望なき頂の標識が 灯りこそ有りませんが
山の灯台のように ココだと知らしてくれます
風さんに煽られながら漸く稲穂岳にたどり着きます
稲星岳の標識の裏側に回ると
ガメラ岩の下に 石仏様が祀られております
稲星岳とガメラ岩
石仏様に手を合わせる間も
風さんに 身体を不安定に揺らされます…
ここも早々に退却です
何も遮るもののない稜線…
ただ風さんが小雪と戯れながら
好き勝手に暴れまわっているだけです
一気に生まれた六角花?
吹雪と化したお山で、時折チチが振り返り
私の姿を確認してくれます
はいはい…ただいま参ります…
呑気に写真など撮っている場合では有りません…ね…
池の避難小屋
チチが 休むか?と声をかけます
私は 顔を横に振るだけです…
私は なぜか…この避難小屋の中には入れません…
御池へと下ります
完全凍結!
わぉ~♪
流石にチチも御用心!
私は 気持ち高揚!
サッサとザックを降ろして 池に向かいます
冬の御池さま~♪ 願いが叶いました~♪
雪のかぶった池の辺
我忘れた私の身体は
スルスル~ ずで~ん!
愛しの池に 見事な尻餅で着氷します
固いスケートリングの様な水面は私の身体を滑らせます!
あれ~!
私は ここでも ずっこけキャラを見せてしまいます…
お腰…痛い だけど お尻…もっと痛い…
痛いけど…幸せ♪
変な私です…
今度は用心しながら 大魔神のように
のっそり のっそりと氷の感触を味わって歩いてみます
池の縁は まるで…
小さな 小さな 北陸の海のよう…
この時は荒れた天候の事すらも 忘れていました…
さぁ~行くぞ!
チチの声に我に戻って、後ろ髪引かれる思いで 引き返します
一層激しさを増した天候…
いつの間にか 中岳への道は
六角花の花園に変わっています
本当に山の変わりようは早いです
諦めていた 冬の花を見る事が出来ました♪
中岳 1791m
こちらではご夫婦と思われるパーテーがおられました
風を避けて休まれています
我が家も暫し休もうと隣に席を借ります
中岳周辺は六角花に包まれています
いっきに変わった冬の装い…
恵まれたというべきものでしょうか…
風を避けて 休むことにしましたが…
じっとしていると 寒くて…寒くて…
早々に出発です
ピークへの最後の登りが待っています
天狗ヶ城 1780m
ここもまた、ふきっさらしの頂で
立っている事も苦痛になります…
後は 帰るのみ…
風さんは 止むことを知らないようです
地面を這うような草さえも吹き荒らしています
見る見るうちに 白く凍てつかせられる草が 寒々しく広がります
そして 冬の芸術家らが作る品々のオンパレード
芸術品としか思えません
そんな冬の芸術作品を見ながら 一気に下って行くだけ…
悶々と風と向き合いながら下る道で
久住分れの標識が見えると ホッとします
久住分れ
標識を見て久住分れと知ると 急に力が抜けます
小屋で少し休もう…
チチの声が風に吹かれ 微かに聞こえます
はい…
私の声がチチに届いたかどうかは わかりません
ただ、二人して進む先は同じだったこと…
避難小屋
外とは裏腹に 中は人でにぎわいを見せていました
それぞれにラーメンを作ったり、お茶を沸かしたりして
その熱気が 部屋を暖め、冷えた体を包んでくれました
我が家は、山荘でお願いしたお弁当を頂く事にしました
北千里ヶ浜
さて 後は 下るだけ…
力が湧いてきて もうひと踏ん張りです!
久住分かれから 北千里へと向かいます
人の足が無数に残された砂地
凍って砂の感触はありません
だだ広いはずの北千里にも ガスがかかり
広々とした空間の景色すらも消されています
スガモリ越の分岐 スガモリ越
スガモリ越しの分岐からは 最後の登りとなります
これを超えれば、あとは永延と下るだけ…
ガンバでございます♪
諏蛾守越
雪は降り続け
風さんは 少しだけ優しくなり
帰りの道を見送ってくれます
スガモリ越から見えるはずの 三俣山は
灰色のベールに包まれています
さ~帰ろうか…
チチの声に促されて
黄色のペンキに導かれるように
岩と石のゴーロの道を下っていきます
砂防堰堤 林道 エスケープ
熊笹の泥濘の道
帰りのルートは 少し嫌気がさすほど 長く感じる道のり…
そして…
これまで泥濘は凍っており、
ズルズル汚れる事もなく来れましたのに
ここにきて…九重名物の黒い泥濘が迎えてくれることに…
オーバーズボンが汚れないようにつまみあげて歩くチチ…
山でこんな光景を見る事は まずありません…
思わず 吹き出しそうになりました…
チチ~ ズボンに気をとられて 滑らないようにね~
長者原ビジターセンター
舗装道路に出ると ホッとします
長者原ビジターセンターにたどり着き さて温泉!と思っておりましたが
この日は午後2時30分までとの事で…利用できませんでした…
が~ん!
仕方なく、濡れた体のまま…星生ホテルへ
日帰り温泉に入リます
その受付の番頭さん?
こんな日に山に登ったんですか…!
はい!
はい♪
呆気にとられているお顔が 印象的でした…
ゆったりと温泉を楽しんで 帰路に着きました…とさ♪
終
最後までお付き合い下さいまして
ありがとうございました
最後までお付き合い下さいまして
ありがとうございました
一泊二日の実に内容の濃い山行でしたね。(^^)
大船山からの素晴らしい青空から、寒さが伝わって来るようなくじゅうの山々・・・
御池の上も歩けて良かったですね~
次のくじゅうには雪が積もったタイミングで行きたいと思っていましたが、
なかなか寒波が続かない九州・・・(+o+)
くじゅうを歩きたくなりました!!
それがとても素敵で今日も私は指を加えて拝見させて頂きました。
見るだけではつまらないので今日もコッソリ後を追う事に致します。
なになに?
法華院温泉の昼食の洒落た包み紙
後から追う私に中身が見えないのがちょっと・・・
ん?こっちには登山靴?
びっこたんこはね、行きも帰りもどうぞご無事でという事なのではないかしら?
先ずは登山靴に一礼して出発する事に致しましょう。
あらら、トーテムポールもイカスわね。
あっ、見とれている間にもうnanekobiさんとチチ様の背中が小さくなってしまった
待って~~~~~~~~
しかし寒いですね
ファイト・ファイト・ファイトデゴザイマス
鉾立峠、そうなんだ!
昔の人も家畜も現代人の様に軟弱ではなかったんですね。
山の天気は分かりません
オーイ、太陽どーん~~風神様に負けたのですか~~
遥々やって来たお二人の為にもう一度お顔を見せて下さいよと亀が思い切り首を伸ばしてましたね。
nanekobiさん、風に負けるな、へこたれるな!
ほら!待ち望んだ御池渡り 願いが叶って良かったじゃないですか。
でもクレグレもお気を付けて、集中・集中
嬉しさの余り舞い上がったらズッコケますよ。
・・・・・・・・・・・・・・あーぁ、言った事じゃない
向こうから「雪の花」の応援団が駆けつけて
口々に「大丈夫?」って言って慰めてくれましたね。
これで痛みも霧散した事でしょう\(^o^)/
素晴らしい世界良かったですね。
見ている私も夢の中に居るようでした。
今回もまた 天候には恵まれなかった様ですが
いつもは 穏やかなくじゅう連山も
天候次第では 厳しい表情になります
そんな中 かなりなロングトレイルでしたね
さすがに 体力有りますね
自分も1月3日 鉾立峠から 白口岳に登りはじめましたが
余りの泥んこの急登りに(滑って滑って・・)途中撤退しました
軟弱な登山者ですが・・・
今年もよろしくお願いします。
満喫する事ができました(笑)
願わくばは 銀世界の九重を歩きたかったのですが
今年は、雪不足のようで…
ですが、霧氷を見られ、御池の上を歩く事が出来たことは
貴重な体験でした♪
バボ様がタイミングよく久住の登られたご様子を
アップして頂けることを楽しみにお待ちしております♪
…2月ぐらいには?(^m^)
コメントをありがとうございます♪
たか様~ ご一緒に登っていただけましたか♪
嬉しいです
傍にいてくれて 心嬉しく さらに浮かれそうになります♪
>昔の人も家畜も現代人の様に軟弱ではなかったんですね
本当に、見習わなければなりません…
軟弱者来るに及ばず!と言われそうです(笑)
>ほら!待ち望んだ御池渡り 願いが叶って良かったじゃないですか
は~い♪ 今年はよい事が起こるかも♪・・・って
スッテンコロリで御破算になってしまっちゃたかも…
たか様のいう事を聞くべきでした ・・・ですね(笑)
九州のお山…
侮れないほど深いものがあります
本当に素敵な世界を楽しませていただきました
たか様 寄り添うように 素敵なコメントを
いつもありがとうございます♪
今年もよろしくお付き合い お願い致します♪
K様も 九重山に行かれたのですね…
ごめんなさい 先に登った私の情熱が
凍っていた泥濘が融けてしまったのですね・・・?
ドロドロのあの急登は半端なくしんどいです!
…閉口してしまうほどです…
こちらでは よく、「九州のお山に雪が降るの?」と聞かれます
久住山ほど豹変して、アルプス以上に難しいお山になるなんて…想像だにしないのでしょう…
だけど、一旦足を踏み入れると 穏やかな表情とは裏腹に、厳しい顔を見せつける事がよくあります
奥深いお山だと思います
そんな九重山の山々に憧れ 遠征してしまいます…
今回は 銀白の世界は望めませんでしたが
面白い山歩きができました
銀白と紅葉の世界は、K様のブログで楽しませていただきます
コメントをありがとうございます♪
聞いただけで背筋が凍ります
私が尻餅をついたら
ドクターヘリを待つしか移動方法がないでしょう
でも
羨ましいです
昔は必ずご来光を拝みに山へ登っていたのですが・・・
ただ一度もきれいなご来光を拝顔することはありませんでした
山は良いですね
人様に迷惑をかけなければ私も登りたいのですが
尻餅が致命傷となる私の体・・・情けない次第です
平和で幸せ多い一年をお迎えください
明けましておめでとうございます。
2015年の〆は温泉付きの小屋泊での九州・九重連山
でしたか。好天の初日は素晴らしい眺望を楽しまれ、
二日目は天気は良くないものの素晴らしい霧氷を楽し
むことができ、良かったですね。
それにしても九州~寒いですね。
馴染みの薄い西の山々のレポ、楽しませていただいて
います。
今年もよろしくお願いします。
体調は如何ですか?
お山のお天気の変化に戸惑いながらも
愉しませていただけました
贅沢な事だと 感謝しております
いつも由布院の町並みや 由布山の姿
時にお花の陰りなど…表情豊かに撮られているお写真 愉しませて頂いております
温かなコメント ありがとうございます
ryuuke158様にも 平穏んな年になられます事を願っております
今年もよろしくお願い致します
山のお天気と 女心と申しますが
何とも移り気な空模様で 冬のお山まで楽しませて頂きました♪
西のお山といえど
本当に寒さは半端なく厳しいです・・・
昔は、1メートル以上の積雪があったほどです
今年は…ちょっと残念でしたが
西のお山の様子を少しでもお伝え出来たのでしたら
本当にうれしいのですが♪
ちょっとずっこけな私のブログですが
お越しいただきありがとうございます
コメント嬉しく思います
今年もよろしくお願い致します♪