山に癒されて…♪

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北ア2 秋山拒まず 喘ぐ私 初日の白馬岳

2015年09月26日 | 山登り 北アルプス
栂池自然園からのつづきです

栂池高原から 白馬岳 山荘テン場までのお付き合いをお願いいたします






天狗原の木道を ゆっくりと進み、まずは乗鞍岳へと進みます






木道を過ぎると急な山道になります

安山岩の積み重なる急な道を ほっこらしょ!


既に、このあたりから、体調に異変を感じてはいましたが
気持ちだけが高揚して おかしい…おかしい…と思いつつも
普段通りに歩く私でした


ゴンドラリフトとロープウェイに乗り継いで
一気に高度を稼いでしまう事が、後々大きな影響を与える…とわかっていても
夏に2000m級のお山に行った事が 変な自信になって
自らの体調管理を見誤ってしまう結果となるとは…



これぐらいなら大丈夫…



そう言い聞かせながら登る私は
周りの景色に心奪われながら 足元の崩れる音を聞きそびれておりました






青い空
大きな岩が またよく映える…

汗が噴き出すのに
少し寒気を感じ 頭重感と鈍い痛みがしてきます

それでも この天気に浮かれている私は どんどん先を急ぎます






ネコの額ほどの雪渓が残っています

そんな小さな雪渓でも 一歩踏み出すと 足元からヒンヤリとした空気が絡み
この季節にして 空気が変わる感触を味わいます

 
少々腐った雪渓の上をキックステップで歩きます


でもこの雪渓の足跡…直に渡っていますが
本来のルートは、右に巻くように歩くのではないかと…思いますが…


どちらにしても…
岩についているペンキマークが道案内をしてくれる斜面をゆっくりと登ります

時折、雲の流れが微妙な動きに変わり始めます

青い空とは裏腹に ガスは時折不審な動きを見せて
視界を遮る様に通り過ぎます



三角点だよ!


チチの声に顔を上げると 少し霞んだ稜線が見えます




どこ?


あそこ





チチの指差す先に 針と突き立てたような感じで 見える標識



あれが頂上?


いや 違うよ 頂上は もっと先だよ





確かにロープが張られて 三角点の所までは行けそうもありません





乗鞍岳の三角点


乗鞍岳の広い台地は
三角点の位置とケルンのたてられている頂上との間には距離があるようです





それにしても、乗鞍岳はなんと広い台地なのでしょう

ほどなくして山頂に着きます

この時すでに 肩呼吸をしている私です
全身汗でビショビショ



いつもと違う…


大丈夫なの…私…


この程度で…バテる?





もう…体が鈍りのようです
思考も普段以上に鈍麻で 何かがおかしいです

普段のバテ方と何かが違います
違和感が常に付き纏います…


足もよく攣り始めます…
右 左…交互にこむら返りが繰り返されます…





乗鞍岳山頂


山頂ケルン


ここで休憩を取りますが
常にザックの中の水の量を気にします
これから水は貴重なもの…できるだけ節約を…


そもそもこれが間違いだったの…ですが
高度障害を起こしているのに、
水分を摂らないと拍車をかけるように悪くなることを わかっていても…
この時の私は、まだ、自分というものを過信していたのでしょう…



少々の事は 我慢できる!今までもそうだった…

そんな過信した思いが 私を狂わせます




そう… 

まだ、入山したばかりだというのに…と

このときは、気楽に考えるところもありました



それに もともと天然の私
あまり深く考えないような…悪い癖…があります


いつの間にか、壮大な景色に 心奪われていたのも、またしかり…






あれに見えるは だ~れだ!

ケルンの後ろ側に座って 小蓮華~白馬を楽しむ私です


さて、ここから白馬大池に向けて 岩のごろつく下り道となります
下りは得意な方なので
どんなにしんどくても、元気になったと 錯覚する私です


さっきのしんどさもどこへやら
大池を目指して下ります






見えてきました
碧い 宝石のような深き色が 緑の中から姿を現します

近づくにつれ
その色は濃く 碧い静寂の水面が広がりを見せると
神秘なる深き姿に 何か底の方に棲むものが 静かにこちらを見ているような…
不思議な感じを受ける私でした





池の縁に立つ赤い屋根の小屋

物語から飛び出してきたような風景が迎えてくれます





鏡のような水面に映し出された
もう一つの世界…

岩のごろつく足場の悪い下りではありますが
急いで池の傍に行きたい気持ちが強くなります







そんな私の気持ちなどお構いなく
チチはどんどん先に進んで行きます


いえ…
私が 遅くなっているだけなのに…
チチに置いていかれている気持ちになります…


頭痛と 吐き気
ちょっと今までとは違うような…


それでも、気力で登って、チチには気付かれないように隠します



山上湖の白馬大池の北側に…白馬大池山荘はあります

その山荘へとチチが向かう後ろを追います



白馬大池山荘入り口


山荘の前には平坦な砂地のキャンプ場が広がります
その横を素通りして、先に進みます





這松帯の道にないり そこを抜けると 雷鳥坂の広い尾根になります





もう言葉なく
雲海と青い空 壮大な稜線歩きを堪能するほかありません



船越ノ頭


雲海を見ながら暫し休憩を取ります

ザックの重さが次第に堪え始めているのを自覚します
でも、ここで根を上げては…

チチには黙って自分なりに体調の調整をしていこうとしますが
疲労の二文字はしっかりとザックの重さの中に入っていました



ただ 慰めは、稜線から見る景色でしょう…





小蓮華山の向こうの雲海から顔を出す 杓子岳




時折チチが振り返り


ゆっくりでいいよ
それでいいよ

自分のペースで歩いておいで




すべて見通したように 声をかけてくれます



小蓮華山への稜線


山肌に色気が出てきております
紅葉が始まり 山は冬支度へと準備を始めだしているのでしょう

秋の舞踏会
山が着飾り 
空が笑い
風が歌を奏でる

招待状は暦に含まれ誘われた
山の男と女

来るもの拒まず
可憐な舞踏会 一緒に参りましょう♪


なだらかな稜線歩きでは まだ…元気が残っているのでしょう
気分的には楽になります


しかしペースは一向に上がりません




小蓮華山 2766m



小蓮華山を越えると、いよいよ白馬が姿を見せてくれます


ここで、時計の針とにらめっこ…

本来なら…頑張って、天狗山荘まで行く予定にしていました
日程的にも 設営条件もその方が良かったから…

だけど…現実には…


足を引っ張るのは 私…


眩暈と 吐き気 頭痛は治まりません…
足の攣りもひどくなります…

鼓動が耳の奥へと響きます


どうしちゃったのでしょう…私の体







山肌を赤く染め始めた稜線を進みます

私のレッドカーペット…

向こうで手招く白馬を追います






雲海に包まれた杓子岳をお供に
白馬が近づきます





近づくにつれて
岩肌が嶮しくなるような…

そして私の呼吸も乱れています




振り返って…小蓮華山を望む



ああ~歩いてきたんだな~と独特の風合いの小蓮華山を望んで
自然に涙が零れかけます…


ここでバテては元も子もない…

頑張れ自分!


虚しい程の自尊心…? 虚栄心…?が自分を励まします…




三国境




ここから 白馬岳へは もうすぐのはず…







あれが…頂上…?

虚ろな目が現実を見逃し騙されます




馬の背    白馬岳への唯一の岩場



甘いよ 甘いよ まだ まだだよ!

白馬の 馬の背を越えねば 頭は見えぬ…



気を抜けば タテガミ揺らして 弾かれそう…







タテガミしっかりつかんで 馬の背越えれば…

振り落とされないぞ!と踏ん張って 踏ん張って…登ります







頭が見える







白馬なのに 赤く染まる頭を見つめ
ただ只管 たずなを緩めず登るだけ…




白馬岳 2932.3m





賑わう山頂とは裏腹に
黙示録の様な感じの斜めの標識

私の記憶は曖昧になり…
こうして記録を書いていても 余り残っていない現実があります

嘶く様に咆哮しても…
ただ登ったという感じで 感激すら余り湧かなかったような…


ただ…ただ…
漸く辿り着いた安堵があったような…



白馬岳山頂から見る小蓮華山


振り返り… 長かった道のりを思い返します
本来ならば もう少し早く辿りついている予定であったのに


今日の宿はここになりそう…




直下の白馬山荘





今日はここで休もう…


チチの声に 従うしかありませんでした…





テン場はもう少し下だから 頑張れよ…


チチの声に 頷くしかありませんでした…





チチは…

隠していても お見通しのようです
口数は少ないチチですが
的確に 私への指示は出してきます


時間的な問題だけではなく

そんなに私はひどい顔をしていたのでしょう…?




白馬山荘



私の心とは裏腹に なんと賑わっている山荘の周り

黙って通り過ぎて テン場へと 向かいます





テン場の標識が虚しく感じる


山荘からかなり離れた位置に テン場が設けられ
まだ歩かねばなりません…



白馬岳頂上宿舎



テントのお花畑のようになっているテン場
受付よりも先に 張り場を確保してくださいと言われます

チチはすでにテン場の確保に向かっており
受付だけをしておこうと思いましたが…そのまま チチの後を追います

すれ違う人が 私の顔を見返していきます…

どんな顔をしているの…? 私…



設営をして…
受付をして…

何か食べねばと…喉を通らない食事を無理に押し込んで…


そのままシュラフの中に身を投じて 起きる事のなかった私…



普段なら ゆっくりと高度を稼ぐか、
高い位置で一晩過ごすかして 順応させる事が基本にあるのですが
今回は…一気に高度を稼ぎ 日ごろの睡眠不足もあり 
体調を崩して…ペースも乱してしまったようです


だけど、一晩れば、順応する…はず… でした…



思いの外 体調は悪かったようです


体の震えも止まりません
悪寒が時折襲ってきます…



それでも…下山を考えずに いかに山に残れるか…
愚かにも、黙って考えていた 私でした…



満点の星空も チチの話で知りました




お山はこんなに良い御天気で迎えてくれたのに…




夜中に激しい風に叩かれるテントの音を遠くに聞きながら
明日の事を密かに考え…勝手に涙が出てしまう夜でした…




つづく…








高度障害と 脱水…

もしかして… 途中でエスケープしなければならないのかしら…






情報


栂池から白馬岳
コースは分かりやすく、乗鞍岳の登りで雪渓を少し通過します
白馬岳の手前にヤセ尾根の馬ノ背の岩場がありますが、
岩場はしっかりしていて 特に危険な個所はありません

白馬岳ノテン場は窪地にあり、稜線の風の影響はあまり受けにくいようです
白馬山荘と白馬山頂山荘に分かれており、テン場は白馬山頂山荘の方で受付をします

しかし、時期が時期なのでかなり混雑していた。水場やトイレも近く空いていれば快適なテン場だと思う。
ただ、ロケーションは稜線までで上がらないと望めない。




白馬山荘  収容人数 800人  

(料金)

1泊2食 大人 9,500円    小学生以下 7,000円     幼児 なし

素泊り 大人 6,600円    小学生以下 4,500円     幼児 なし

夕食  大人 1,800円    小学生以下  1,700円     幼児 1,000円

朝食  大人 1,400円    小学生以下 1,300円     幼児 1,000円

弁当  大人 1,100円    小学生か  1,100円    幼児  1,100円





白馬岳頂上宿舎  収容人数 416人

開設期間  H27年6月13日 〜10月12日

標高    2730m

テント場  100張

(料金)

宿泊個室料金 上記料金 + 繁忙期は8000円 / 閑散期は4000円
 ※ 個室は頂上宿舎のみ

テン場 700円(1人)+ 水・トイレ使用料300円 = 1000円
 ※ 白馬岳テント場は頂上宿舎のすぐ裏手にあります

 ※ 頂上宿舎では、テント泊のお客様に夕食、朝食サービスがあります
   朝食1900円 / 夕食2300円




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6 コメント

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Unknown (錫杖)
2015-09-26 18:36:38
いやあ 大作ですね。
すごく几帳面な紀行文。

なによりすごく強いじゃないですか。
nanekobiさんご夫婦がどれだけ強いか、このレポ見るだけで充分理解出来ました。

雲海の中、白馬まで1日目は最高でしたね。
高度順応が出来ればあとは身体が楽になるはず

キレット通過時にこの荷物は重さは難儀ですね。
次を期待しますね。

うーん 実にきめ細かいレポでした。拍手
返信する
辛かったね (たか)
2015-09-26 21:32:08
)大丈夫なのかしら??
心配しながらも余りの景色の良さにウットリ
   ()そんな場合じゃないでしょ!彼女は今、苦しんでいるのよ・・・
)ワッ、何て綺麗なの、コバルトブルーの大池・・私の目はすっかり釘づけされて・・・ウットリ画像の中に入っていました
   (ゴメンゴメン、その苦しさがどんなもので有るのか分かって上げなくては・・・
)赤くメッシュに染まった稜線だ~~、私も歩きた~い
   ({/dogeza/)}苦しいのよね、辛いのよね
   赤で有ろうが緑で有ろうがどうでもいいのよね

私はこんな風に
心配と感激の中で日記を読ませて頂いておりました。
それにしても凄いのは苦しい中でビューポイントを外さずに的確にカメラを向けていた事
私だったらカメラを向ける事さえ出来なかった事でしょう。

白馬の神様・・・一晩寝たら彼女は回復します様に・・・
   
返信する
錫杖様 こんにちは♪ (nanekobi5963)
2015-09-27 11:36:37
わぁ~ありがとうございます
くすぐったい気持ですが そう云っていただけると嬉しいです

>すごく几帳面な紀行文
本当は几帳面どころか ずぼらな性格なので 
本当に恥ずかしいです…

強い・・・?とは思った事はありませんが
好きな事をするときの根性だけはあるかも…と自負しております(笑)

登れるうちに登りたい山に行く!
これが私の決めごとなので、必死ですが
記録もまた 思い出になるように残しておきたいと思うのも事実…

そんなブログにご訪問いただけて
最後まで読んで頂ける事 この上なく嬉しく思います

とても励みになるコメント
いつもありがとうございます♪
返信する
たか様 こんにちは♪ (nanekobi5963)
2015-09-27 11:48:41
うっうっうっ ありがとう… 心配してくださって
とても嬉しいです
本当に辛い初日でした…(笑)

だけど、いいお天気で、綺麗な景色に慰められました♪
辛いのに私も心奪われていましたから
たか様のお気持ち 十分に伝わりますし
こんなブログ写真で、楽しんで頂ける事が嬉しいです♪

>それにしても凄いのは苦しい中でビューポイントを外さずに的確にカメラを向けていた事…

実は、余りの形相に、チチも心配して声をかけるのですが
そんなときでも、目に飛び込んだ景色を優先して、シャッターを押してしまい、チチにあきれられております

チチいわく、
「おまえは、死んでもカメラを離さないんだろうな… 
ふつうは、写真どころではないはずなのに…
おまえって…倒れながらも、シャッター押しまくっているんじゃないか?」
ですって…

私は、普通に…撮らなければと思う所を撮っているだけなのですが…(笑)

>白馬の神様・・・一晩寝たら彼女は回復します様に・・・

ありがとうございます
白馬の女神さま 願いを叶えて下さいました♪
励みにもなりました

とても、素敵なコメント ありがとうごいます♪
返信する
こんにちは (延岡の山歩人K)
2015-09-27 17:35:43
乗鞍岳から小蓮華山を越えて白馬岳まで
いやっ
この稜線歩きの画像 たまりませんね

最初、稜線の赤は 赤石岳と同じ様な赤い石かと思いましたが
草紅葉の様ですね

九州の山では絶対味わう事の出来ない
連峰のスケールの大きな稜線風景
楽しませていただきました
するするとスクロールするのが 勿体ないです

なんて素晴らしい天候なんでしょう
よほど日常の行いが良いのでしょうね(^^)/

これだけ見せていただいて満足ですが
まだ次も期待してしまいます

返信する
延岡の山歩K様 こんばんは♪ (nanekobi5963)
2015-09-27 20:54:04
本当にお天気には恵まれました
天のお助けがあり、稜線歩きを楽しむ事が出来ました

>最初、稜線の赤は 赤石岳と同じ様な赤い石かと思いましたが 草紅葉の様ですね

ウラシマツツジやチングルマなどの高山植物が 山肌を赤く染めております
もう…秋も深まり 紅葉の見ごろを迎えようと準備をしているようです

確かに 2000mを越える山並みの壮大さは 本当に素晴らしいと思います
九州のお山は規模は違えど、アルプスに勝るとも劣らない魅力があると思っております

どの山でも、それぞれに魅力をいっぱい持って迎えてくれますね

こんな拙いブログでも、楽しんで頂ける事を嬉しく思います

本当に励みになります

いつも コメントありがとうございます♪
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