9月13日 曇

叙事詩「イリアス」の中の話である。ギリシア軍の総大将アガメムノンは、夢の中で「トロイアを攻めるのは今だ」というお告げを聞いて兵士達に出陣の命を下す。しかし「もう戦いに疲れたからギリシャに帰ろう！」などと、逆のことを言ってしまう。
これを聞いた兵士達は、大喜びし我先に船に飛び乗ったが、老将ネストールに「帰りたければ帰れ！そうすれば誰が真の勇者で誰が臆病者か分かる」と一喝され、兵士達は再び立ち上がり心を一にして最後の勝利まで戦うことを誓った。
アガメムノンがなぜ兵士達にこのような逆のことを言ったのか分からない。
しかし、ギリシア軍の兵士の敗北感や厭戦気分を払拭した。
昨日は、安部総理の辞任で日本中が驚愕した。これからの政治の行方が気になるところだが、彼の行動からアガメムノンのような逆の効果が生まれることを願う。