2022年3月5日。ロシアがウクライナに侵攻して10日目です。
ウクライナ政府はベラルーシからの軍事的脅威はないと発表しました。
ベラルーシ軍はロシア軍と合流していないということです。
ウクライナ裁判所は、ロシアの映画監督、ニキータ・ミハルコフ氏を逮捕する決定を出しました。
同監督が、ドネツク人民共和国とルガンスク人民共和国を独立国家と認めるロシア政府を支持したからです。
Booking.comがロシアとベラルーシの営業を停止しました。
ラトビア国籍の家族(子供二人)が大爆発があったとされるチェルニヒフ市からベラルーシ国境地帯に車で逃げてきました。ベラルーシのビザを持っていなかったのですが、ベラルーシ国境管理局の判断により、入国できました。
キエフでボランティア活動を行っていたベラルーシ人が死亡しました。砲撃に巻き込まれたようです。
今日午前ロシア側は休戦を宣言し、マリウポリとボルノバハの住民を退避させる人道回廊を設置しました。民間人は早く逃げてほしいです。
・・・と思っていたら、ウクライナ当局はロシア軍が人道回廊を定めた合意に違反したとして、包囲された南東部の都市マウリポリからの退避を中断しました。結局ロシア軍が攻撃を続けているとウクライナ政府は主張し、ロシア大統領はウクライナ軍が民間人を攻撃していると主張しています。
マリウポリは水道や電気などライフラインが途絶えており、食料品店も爆撃で破壊され、生きていけない状況です。
現地入りした国境なき医師団によると、水がないので、雨水や溶かした雪を住民は飲んでいるそうです。
ロシア大統領は4日、ドイツ首相との電話会談で、ドネツク、ルガンスク両州全域で親露派の主権を認めること、ウクライナの非武装化と中立化、クリミアでの主権承認などを停戦への条件として求めました。
ロシアの全ての要求が実現するという条件下なら、ウクライナ側との対話にはオープンだ、とも語りましたが、はっきり言って、ウクライナからしたらわざわざ代表団を送って停戦交渉をする意味がないですね。
ロシア航空アエロフロートが今月8日からミンスク行き以外の全ての国際線のフライトを中止しました。
停戦交渉の場にウクライナ代表団の一員だったデニス・キリエフ氏がキエフで殺害されました。
キレエフ氏は国家反逆罪の容疑をかけられ、ウクライナの治安部隊に拘束されたのですが、その際、ウクライナ治安部隊により殺害されたと報道されています。
停戦交渉代表団の一員だったのに、ロシアに寝返ろうとしていた? 水面下で工作していた? はっきりしません。真相が明らかになるのは戦後になってからでしょう。
ロシア国内のアメリカ人外交官らを国外退避させるための飛行機がサンクトペテルブルグからアメリカに向けて離陸しました。
ウクライナ国内にあったロシアとベラルーシの貨物列車が差し押さえられました。
フランス政府はロシアの石油大手ロスネフチのCEOが所有する豪華ヨットを差し押さえました。
イタリア政府はロシア大統領の側近など制裁対象になっている人物がイタリア国内に所有する別荘を差し押さえました。
ロシアの検索エンジン大手企業ヤンデックスは、ドル建て債の利息分を支払いましたが、それがドルつまり外貨だったので、ロシア企業で初めて外貨でクーポンを支払った最初の企業となりました。これから後に続くロシア企業が現れるかもしれません。
3月2日にロシア軍が完全制圧したとされるウクライナのヘルソン市で、住民が大規模な反戦デモを行いました。ウクライナの国旗や、「ヘルソンはウクライナだ」というプラカードを掲げています。
ロシアの歌手など芸能人の中で、戦争反対を訴える人たちが出てきました。一方で片道チケットを買ってロシアを出国した芸能人もいます。
ベラルーシ人男性の出国が急増しているそうです。バルト三国のメディアによると、ベラルーシからバスに乗ってリトアニアに出国するベラルーシ人が増えており、1日に200人ほどになっています。
徴兵されそうな18歳から60歳までの男性がほとんどで、戦争に参加したくないからというのが理由とされています。
外国メディアはこの状況から、早くて2日後にはベラルーシに国家総動員令が出されるのではないかと書いていますが、どうでしょう?
ベラルーシは今日から4連休で、3月8日の国際女性デーに合わせて、あちこちで花が売られているし(値段は高くなっていますが)祝日ムードになっています。
一方で、とうとうベラルーシでもいわゆる取り付け騒ぎが起こりかけています。
市民が貯金のベラルーシ・ルーブルを口座から引き出し、ルーブルが大暴落する前にドルやユーロなどの外貨に両替しようとしています。
銀行も外貨を保存しておきたいので、ベラルーシ・ルーブルから外貨への両替を希望する人は前もって予約してくださいと言い出す銀行も現れました。
ベラルーシ保健省は経済制裁により、不安が広がっている国民に対し、薬品の在庫が最大9ヶ月分あると発表しました。
ベラルーシから事業撤退を決める企業も連日現れています。H&Mは期限なしの一時閉店。
Airbnbも撤退し、ロシアとベラルーシから撤退。
Revolutも取引停止。Intelも事業停止。Snapchat も停止。IKEAは5月31日まで店舗閉店。しかしベラルーシにはIKEAの店舗がそもそもありません。しかし、ベラルーシの家具製作企業がIKEAからの注文を請け負っていました。その発注も停止されました。
DHLはベラルーシに何も運んでくれない。Booking.com のサイトでロシアとベラルーシのホテルを予約しようとしたら、「この行き先周辺の宿泊施設のうち、0軒に空室があります」と表示されるだけになってしまいました。
格安航空会社フライドバイがミンスク・ドバイ間の全フライトを3月26日まで欠航することを決定しました。
ポーランドでは商店の棚からロシアとベラルーシ製の商品が撤去され始めました。商品を輸出しても全く売れないです。
第3回停戦交渉が明後日7日に行われることになりました。
北京パラリンピックに出場できなかったロシアとベラルーシだけで、ソチの元五輪会場を使って大会をするそうです。
今日、ベラルーシ大統領は三男を連れてバイアスロンの試合会場を訪れ、親子そろってバイアスロンを楽しみました。
ロシアを支持しているらしいインド。そのため、ウクライナに嫌インド感情が湧き、ウクライナ国内にいるインド人留学生をウクライナ政府は拘束して人質とし、地下シェルターに押し込め、人間の盾にしている・・・とロシアの国営テレビが報道しています。
ただインド人が安全を求めて、シェルターに自ら入って身を潜めているだけではないでしょうか。
キエフ周辺が砲撃を受け住宅などが崩壊。数百人が生き埋めになっているという情報があります。
ロシア大統領に戦争責任を取らせようという動きがあります。民間人に対しての非人道的な武器を使用した攻撃など証拠集めもすでに始まっています。スマホで撮影した動画や画像なども証拠になります。
ウクライナから国外に避難した人が120万人を超えました。
支援物資がウクライナ国内に届けられ始めました。
ウクライナ大統領はNATOが飛行禁止区域を定めなかったことについて、
「明日から(ウクライナで)死ぬ人たちは、あなた方のせいで死ぬ。」
と厳しい口調で批判しました。
一方で、NATOが派兵したら、一時的にはウクライナの人たちの中で助かる命も出てきますが、本格的な第三次世界大戦勃発になる可能性があることはウクライナ大統領も重々承知していると思います。
しかし、一国の大統領として自国民の命を世界大戦回避のための犠牲にしたくないでしょう。
ウクライナには兵器の支援、外国人義勇兵の派兵をしていますが、とにかく経済制裁が効き目を表してきてほしいというのがNATOならびにEUなど西側諸国の戦術のようです。
ウクライナ大統領は再びロシア大統領に対して、一対一の対話を求めました。会談の場所はトルコのイスタンブールかアンカラをしていますが、ロシア大統領がわざわざ来るでしょうか?
最後に今日配信の河北新報の記事より。
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ロシアによるウクライナへの軍事侵攻に協力するベラルーシを巡り、首都ミンスク市と国際姉妹都市の仙台市に対し「提携をやめるべきだ」との意見が寄せられている。日本政府がベラルーシへの制裁を実行する方針を示す中、市は50年近い都市間交流の歴史を踏まえ、近く対応を協議する。
市によると、2月28日~3月4日に電話や市のホームページを通じ「姉妹都市の提携はいかがなものか」「(市バスの車体広告でミンスク市を紹介する)ラッピングバスの運行をやめるべきだ」などの意見が9件届いた。姉妹都市の継続を求める声はないという。
日本国内でベラルーシの都市と姉妹都市を結ぶのは仙台市だけ。1973年に仙台市代表団がミンスク市を公式訪問し、都市提携共同コミュニケを交わして始まった。5年ごとに交流事業を実施しているほか、毎年5月の仙台国際ハーフマラソン大会に、ベラルーシの選手を招待している。
市交流企画課の担当者は「本来、国家間の問題と都市間の交流は別の話だが、日々状況が変化していて、はっきりしたことが言えない。今後、市役所内で対応を協議したい」と話した。
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ベラルーシのアスリートが国際試合から締め出されているので、仙台のハーフマラソン大会にベラルーシ人選手を招待しなくていいという発想につながるのは分かります。
イメージが悪くなるからラッピングバスもやめましょうというのも分かります。ちなみにミンスクには仙台号というラッピングのトロリーバスが昔ありましたが、もうとっくに走行していません。
しかしミンスク市には仙台広場という広場があります。東日本大震災のときには、ミンスク市民の多くがこの広場に花を手向けろうそくを灯し、折り鶴をたくさん折って仙台市から贈られた桜の木の枝に結びつけました。
「国家間の問題と都市間の交流は別の話」つまりレベルがちがう、という仙台市役所の担当者の意見も分かります。
仙台市長とミンスク市長で戦争反対の共同宣言を出せば?という意見もありますが、ミンスク市長は大統領による任命制であることをここに書いておきます。ミンスク市民が選挙で選んでいるのではありません。
同時に、東日本大震災のときにはミンスク市役所から仙台市民に支援物資が届けられたことも書いておきます。
そして震災後、コロナ禍が始まるまで毎年、仙台市だけではなく宮城県や福島県、その他地震などの災害の被害に遭った日本人高校生がベラルーシのサマーキャンプ場で保養滞在し、ベラルーシの子どもたちと交流しています。
受け入れているサマーキャンプ場は国立だったり、ミンスク市立だったりです。
国立のキャンプ場での滞在費用は、ベラルーシ大統領基金が出しており、日本側は出していません。日本とベラルーシ間の飛行機代はベラルーシの企業複数(ほとんどウォーゲーミング社)が出しています。
両市が姉妹都市提携を結んで49年で、その間ルカシェンコ大統領が大統領就任中の期間は28年間、ソ連構成国だった期間は18年です。
私は仙台市民ではなく、ミンスク市民ですが、今後の判断は仙台市に任せるほかありません。
私の想像の世界ですが、仙台市役所がどうしようと考えている間に時間が経ち、やっぱり姉妹都市提携やめよう、市民の声を反映しよう、じゃあそのことをミンスク市役所に言うか・・・で、言われたミンスク市役所は、ちょっと考えさせてください、と考えるのにまた時間がかかって、気がついたら戦争が終わっていた・・・ということになるんじゃないかなあと思います。