ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

2022年3月22日。ウクライナ侵攻から27日目

2022-03-22 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2022年3月22日。
 主にシリア難民が収容されていたベラルーシ国内の物流センターを一時的に使用していた難民収容所が役目を終えました。
 帰国したくないとまだ400人の難民が残っていましたが、昨日98人が飛行機に乗ってシリアへ戻りました。
 残りの難民はホテルやサナトリウムのような宿泊施設に分散し、次の飛行機を待っています。
 この調子だと、ベラルーシに残ることも、ポーランドに入国することもなく、祖国に帰され、ベラルーシとしてはこの件は終了、ということになりますね。
 去年起こったベラルーシからポーランドへの難民流入は、ベラルーシが意図的に行ったポーランドに対する作戦だと言われていますが、今ウクライナからポーランドに大量に避難民が流入しているので、ベラルーシ国内のシリア難民を利用する必要はなくなったということですね。

 ベラルーシ科学アカデミーは、ポーランド政府に対し、不法入国者を防ぐ壁を世界遺産の森に建設するのを注視するよう求めました。
 

 ベラルーシ大統領は、穀物と石油は新しい金になると発言しました。
 つまり、穀物と石油は、金のように高価で、多くの人が追い求めるものになるということです。
 そして、これから不足すると予測していることの表れです。
 ベラルーシは石油はほとんど採れませんが、農業国なので、穀物で何とかしのごうと考えていると思います。

 
 アメリカ大統領はロシア大統領を戦争犯罪者と呼んでいますが、ルハンスク人民共和国指導部は、ウクライナ大統領を戦争犯罪者として審判にかけるよう訴えています。


 ベラルーシは対ウクライナ国境地帯の軍強化を行っていましたが、今日それを解除しました。
 空挺部隊などが集中して配備されていましたが、平常時の持ち場にそれぞれ帰りました。


 ロシア国営メディアから、関係者がすでに複数名、辞職しています。

 ロシア連邦捜査委員会は今日、ロシア軍がマリウポリで小児科・産婦人科病院を「意図的に」砲撃したという「偽情報」を広めたとして、ロシア人ジャーナリスト、アレクサンドル・ネフゾロフ氏に対する捜査を開始したと発表しました。
 ロシアの反体制派指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏には詐欺や法廷侮辱の罪で禁錮9年の判決です。
 ベラルーシでは、ちょうど1年前に公務執行妨害で逮捕されたジャーナリスト、デニス・イワシン氏が、実はスパイでウクライナから報酬を得ており、ベラルーシの国家安全を脅かしていたと、今になって判明したと報道されました。
 
 2021年3月26日から10月19日まで、ベラルーシ南部の町ピンスク出身の40代男性が、国の許可なしに、ドネツク地域の合同軍作戦地帯での武力紛争に参加していたことが分かり、逮捕されました。今日は判決が出て、約2年半の更生施設送りの有罪判決となりました。
 今ウクライナでベラルーシ人義勇兵が多く参加していますが、このベラルーシ人は2020年の大統領選挙後、国外へ出国した人がほとんどです。ウクライナの味方をしているのは、ロシアが負ければ、ベラルーシ政権も揺らぐので、政権転覆の可能性が高くなり、ベラルーシへ安全に帰国できるようになるからです。
 ウクライナと違ってベラルーシは兵役義務があり、銃器に慣れている男性が多いです。また、ベラルーシ語はロシア語よりウクライナ語に近く、言葉の壁もありません。
 ウクライナにとっては強力な味方ですが、もし、身柄拘束されたら前述の男性のように逮捕されてしまうのか・・・と思いました。
  

 ベラルーシにはミンスクにウクライナ大使館、ブレスト市にはウクライナ領事館があり、両館合わせて約20人の外交官が働いています。ベラルーシKGBは今日、この20人はベラルーシ国内で諜報活動をしていると指摘し、スパイ認定されるべきだと述べました。
 

 ベラルーシのバイアスロンメダリスト、ダリヤ・ドムラチェワが、SNS上でロシアとベラルーシのアスリートが国際試合に参加を禁止されていることについて、
「かつて、試合で互いを称え合っていた外国人選手が、ロシアとベラルーシ選手に対するこのような措置を支持するコメントを出しているのを読むのは悲しい。」
とコメントしました。「世界をよくするためにまず自分から始めよう。」とも発言していますが、すんなり賛同してくれる人のほうが少ないのでは・・・と私は感じました。
 ドムラチェワはベラルーシスポーツ史上最高のアスリートなのですが、政治に関しては距離を取っているように見えます。実兄が大統領選挙のとき反政府デモの近くを偶然通りかかっただけで、デモ参加者と勘違いされて、警察に身柄拘束され取調べ中に暴行を受けて負傷したのに、妹はノーコメントでしたからね。今は引退して、試合に出ることもないので、ベラルーシ選手は国際試合に出られませんと言われても特に困りません。北京冬季五輪前には、高額報酬のため、中国選手団のコーチになりましたが、結果は期待から大きく離れており、伝説的選手であっても優秀なコーチになるとは限らないことの証明みたいになっていました。(日本人で、日本語が母国語だからって日本語を上手に外国人に教えられるとは限らないのと同じ。)


 ウクライナ大統領はローマ教皇と電話で協議しました。ローマ教皇は「戦争終息のため可能なあらゆることを行っている」と語ったそうで、ウクライナ大統領は平和への祈りに感謝し「人々の苦しみを終わらせるため、教皇庁が仲介役を果たしてくれればありがたい」と訴えました。
 ウクライナ大統領はともかくいろんな人に、コンタクトを取っています。明日は日本の国会で演説しますし。
 気持ちは分からなくもないですが、ローマ教皇は大きな役割は果たせないと思うんですよね。ローマ教皇は戦争反対、平和希求のお祈りはしますが、国と国の間に立って政治的に調停する立場にないです。
 それにウクライナはキリスト教の国ですが、カトリック信者は少ないです。ロシアはもっと少ないです。
 ロシア大統領は正教徒ですが、あまり信心深くないと思います。敬虔なキリスト教徒は他国に侵攻しないですよ。ウクライナも正教の国なのに。ただ、ロシアはロシア正教で、ウクライナはウクライナ正教です。違いはあると言えばあります。
 とこういう話をすると「ベラルーシにはベラルーシ正教があるの?」と日本人から聞かれるのですが、ベラルーシ正教はありません。ベラルーシは国民の大部分がロシア正教とカトリックの信者です。


 アメリカのメディアCNNはアメリカ政府高官やベラルーシの反体制派情報筋などの話として、ベラルーシが近くウクライナ侵攻に参加する可能性があると伝えました。
 ベラルーシ軍の部隊が数日中に数千人規模で展開する準備を整えているそうですが、たったの数千人か・・・と拍子抜けしました。
 以前の投稿にも書きましたが、ベラルーシ大統領は、ロシアは強くて負けるわけがないので、ベラルーシ軍は今回の特別軍事行動に参加しないとくり返し述べていますし、ウクライナ国境付近に増強されていた部隊も、それぞれの持場に戻っています。まあ、これがベラルーシ国営メディアが流したフェイクなのかもしれませんが。
 今、ロシア軍にベラルーシの兵士数千人が参加しても、大した加勢にはなりません・・・。

 ロシア大統領が生物・化学兵器の使用を検討しているとアメリカのバイデン大統領が警告しました。

 ロシア大統領補佐官が、ロシアは核兵器を使用する可能性があると発言しました。
 単なる脅しであることを祈ります。
 



ベラルーシのコロナウイルス感染者95万2254人。死者数6737人

2022-03-22 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2022年3月22日の書き込みです。

 ベラルーシのコロナウイルス感染者数は952254人になりました。1日の新規感染者数はますます減って496人です。しかし、新規検査数は前日のまた半分の3014件です。

 死者数は6737人です。

 948587人が回復しました。

 1274万件を超える検査数となりました。