ベラルーシの部屋ブログ

東欧の国ベラルーシでボランティアを行っているチロ基金の活動や、現地からの情報を日本語で紹介しています

2022年3月26日。ウクライナ侵攻から31日目

2022-03-26 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2022年3月26日。ミンスクは春一番でしょうか。強風が吹いています。

 ロシア軍の死者がはっきりしませんが、1万人以上になるのではないかと言われています。
 それをアフガニスタン侵攻のときと比較して、死亡したソ連兵は10年で約1万4000人だったから、たったの一ヶ月でロシア軍は大損害だと報道されています。
 このような比較は大事だと思います。ただ、今のロシア・イコール・ソ連ではないんですよね。

 アフガニスタン侵攻で死亡したソ連兵を民族別に分けると、ロシア人は50.1%で半分だけなのです。次に多いのはウクライナ人で17.3%。続いてウズベク人7.8%。ベラルーシ人5.3%。タタール人3.2%・・・と続きます。
 多岐に渡る少数民族も参加していました。
 民族によっては「どうして○○人の私がアフガニスタンで命を危険にさらさないといけないのか。」と考えていた人もいたでしょう。
 ソ連政府や今のロシア政府上層部の中にはロシア人が優先されるのが当たり前で、その他の民族は、ロシア人のために犠牲になってもらおうという考えの人がいると思います。
 第二次世界大戦のときは、ナチスドイツが攻めて来ても、ベラルーシがロシアの防波堤になればいいとソ連政府は思っていたフシがあります。実際、ドイツ軍がブレスト要塞を包囲して、籠城(兵糧攻め)の状態になっても、ソ連は援軍をほとんど送りませんでした。
(もっとも、当時ブレスト要塞にいた軍人はソ連軍人なので、全員ベラルーシ人だったわけではありません。)

 今回のウクライナ侵攻にも先鋒にチェチェン人の部隊を配置したりして、ロシア兵の損失をできるだけ減らそうとしています。
 侵攻初期には、シベリア駐屯軍をわざわざウクライナ国境にまで連れてきているが、それは寒さに強い部隊だからではないかと言われていましたが、本当はシベリアの非ロシア系兵士を真っ先に投入しようとしたのではないですか。

 制圧されたマリウポリでは、ロシア軍が住民にパンや水を与え、「人道的見地」からロシアへ避難させようとしていますが、パスポートを取り上げ、遠くサハリンまで強制移住させようとしています。
 ウクライナ人の人権無視で、強制労働させる目的があり、奴隷(ロシア人に服従する民族)扱いです。
 サハリンなどの遠隔地に連れて行くのは、逃亡しても簡単にウクライナに戻れないようにするためでしょう。
 また、近い将来、ロシアは日本に攻め込む計画があり、そのときの先鋒にこの移動させたウクライナ人を使うことも考えているでしょう。
 ウクライナの肩を持ってロシアに制裁を科した日本へ、強制連行したウクライナ人にロシア軍のZマークをつけて攻撃の先兵をさせる・・・こんな状況を愉快に感じる人がロシア政府の中にいても不思議ではありません。

 3月14日から16日にかけて津軽海峡をロシア海軍の4隻が通過しました。
 3月20日、対馬の東北東約40kmの海域において、南西進するロシア海軍の情報収集艦が確認されました。
 3月24日、海上自衛隊が対馬の北東約210キロの海域を南南西へ進むロシア海軍ウダロイⅠ級駆逐艦1隻を確認しました。
 3月25日、ロシア国防省は北方領土を含む千島列島で3000人以上が参加する軍事演習を始めたと発表しました。

 ロシア非常事態省は一昨日、ウクライナに侵攻しているロシア軍が制圧して「解放した」と称する地域で、年金生活者や公務員の生活支援一時金として1万ロシア・ルーブルを支給すると発表しました。
 お金につられて、ロシアの言うことを聞くウクライナ人も出てくるでしょう。
 しかし、経済制裁のためロシア・ルーブルは価値が下がる一方なので、1万ルーブルも特段大きい金額ではないですが、これからどんどん紙くずに変わっていくと分かっているお金をもらって喜んでもぬか喜びですよ。
 だいたいロシア・ルーブルをもらっても、ウクライナ国内では買い物できないです。まあ、そこを何とかロシアがロシアから食料品など運んで来てロシア・ルーブルの値段をつけて、ウクライナのお金では何も買えない状況に持っていく(ロシア化・経済面による実効支配をまず行う)のかもしれません。

 ウクライナ保安庁がロシア側関係者の通話を傍受し、メリトポリ市でロシア支持を表明する集会が開かれるとの情報をつかんだと発表しました。集会参加者にはロシア側から日当1200ロシア・ルーブル(約1400円)が支払われるそうです。
 このメリトポリ市長は一度拉致されて、その後捕虜と交換されて、市長職に戻ったはずですが・・・
 たった1200ルーブルのために敵が企画した集会に市民が行くでしょうか。
 ウクライナ軍当局はSNSに「祖国を裏切り、小遣い稼ぎをしたい者はロシアの旗を持ち、ビデオカメラに向かって心から喜びを表現しなければならないだろう。」とメリトポリ市民に呼びかけています。

 また軍当局によると、トクマク市では、ロシアが4月4日から市内での通貨をロシア通貨のルーブルに移行させる計画だそうです。
 こうして、ロシア・ルーブル圏を広げる作戦ですね。


 アメリカ国防総省の高官が、ロシア軍がジョージアに駐留させている部隊を援軍としてウクライナに送り込もうとしていると指摘しました。
 一方、ウクライナにはジョージア人義兵軍が組織されています。

 ベラルーシ政府当局は、ウクライナで義勇兵としてウクライナ支援(ロシア対抗)をしているベラルーシ人50人を刑事訴訟する構えであることを明らかにしました。


 ロシアのボロネジ州の地方議会でニーナ・ベリャーエワ議員は
「わたしはロシア大統領が決定したことに反対だ。ウクライナ領内で今行われていることは、戦争犯罪だと思っている。」
と発言しました。
 ボロネジ州の州の境界はウクライナ国境と接しており、ルハンスク人民共和国に近いです。
 またボロネジは第二次世界大戦で激戦地となり、ドイツ軍に占領されていた時期もあります。


 ウクライナ大統領は24日のEU首脳会議で行ったオンライン演説でハンガリーの首相に対し、
「ハンガリーがロシアのエネルギー部門に対する制裁の拡大を支持しておらず、ウクライナ上空の飛行禁止区域の導入にも反対し、その領土のキエフに武器を届けることを許可していない。誰の味方に付くのかはっきり決めるべきだ。」と非難していました。
 それに対する返答として、今日、ハンガリー首相はウクライナからの訴えを「国益に反する。」として拒否しました。
 ハンガリー政府は「ハンガリーはこの戦争に巻き込まれたくない。このため、ウクライナへの武器供与は認められない。ウクライナ避難民を50万人以上受け入れてきたが、ウクライナに対する軍事支援やハンガリー経由での武器供与は拒否する。ウクライナに武器を供与すれば、ウクライナのザカルパッチャ州に住むハンガリー系少数民族に危険が及ぶからできない。」
と主張しました。
 またハンガリーはロシア産天然ガスと原油をこれからも輸入し続けることも発表しました。
 同じEUそしてNATO加盟国と言っても、細かいところで足並みは揃っていません。


 ロシアの将官のうち7人目が死亡したと西側諸国当局が発表しました。
 他にも1人の将官がウクライナ侵攻の戦略ミスの責任を取らされ、解任。
 チェチェン人による特殊部隊の将軍も戦死。
 未確認情報ですが、ロシア陸軍の第37自動車化狙撃旅団の司令官が、部隊に大損害をもたらしたとして、部下の兵士の戦車にひかれて殺害されそうです。
 自分たちの司令官を殺して、その後その部隊所属の兵士たちはどうしたのでしょう?


 3月11日から姿を公の場で見せなかったロシア国防相のショイグ氏が今日、軍幹部らとの会合に姿を見せました。
 心臓の具合が悪かったとか、古い映像を使った作られた映像では?という憶測が出ていますが、報道されたテレビ映像を見た限りでは、確かにあまり元気がなさそう(本当に心臓の具合が悪いのか、病み上がりなのか?)という表情で、話の内容も予算の話とかで、本当に今日撮影された映像なのかはっきりしませんでした。


 ロシア国防省は25日、記者会見を開き、親ロシア派が支配するウクライナ東部の地域での軍事的な成果を強調し、特別軍事行動の第一段階の主な目標は達成されたとしました。その上で、東部のドンバス地域の解放に集中すると述べました。

 ベラルーシ大統領は、今日、ドンバス地域からベラルーシへ避難した子どもをホッケーの試合に招き、おもちゃをプレゼントしました。

 ポーランド入りしたアメリカ大統領は、ウクライナ避難民と面会し、またウクライナ閣僚と会談、演説しました。

 ポーランド国境に近いウクライナのリヴィウで今日3回の爆発音が聞こえ、黒煙が上がりました。リヴィウ州知事によると、燃料貯蔵施設と工場がロケット砲の攻撃を受け、5人が負傷しました。ワルシャワでアメリカ大統領が演説をしているときに攻撃があったそうです。

 ロシアの「なりすまし二人組」ボバンとレクサスが、先週イギリスの国防相にウクライナ首相になりすまして、電話をした事件ですが、この2人は通話の内容をYoutubeで公開しました。
 偽のウクライナ首相が「ロシアから身を守るために核開発を始めようと思っている」と述べるとイギリス国防省は、「ロシアはそれを本当に嫌がるでしょう。大きな問題については、私は我が国の首相と話し合う必要があります。」と返したのですが、ボバンとレクサスは録画を編集して「原則的にはウクライナがとる選択を支持する」という発言がつなげられていました。
(そんな編集をするからますます非難されるんですよ。しかもボバンとレクサスはロシア人でしょ。)
 先程イギリス側からの要請を受けて、Youtubeは該当する動画だけではなくボバンとレクサスのチャンネルを全て削除しました。

 アメリカ連邦通信委員会は25日、ロシアのインターネットセキュリティー会社カスペルスキーを国家安全保障上の脅威と見なす通信機器・サービスのリストに追加したと発表しました。 
 ネットセキュリティの会社が国家の安全保障を脅かす脅威になるとは・・・


 ロシア軍等が平和維持を行なっているアルメニアとアゼルバイジャンの係争地ナゴルノ・カラバフでアゼルバイジャン側が停戦条約違反のロシア管轄区域に侵入しました。 ロシアは非難しています。ロシア軍をウクライナに注力しようとしているこの時期を、アゼルバイジャン側は狙っていたのかもしれません。

 
 セルビアは、国民の多くがロシアのウクライナ侵攻を支持しており、政府は侵攻を非難しているもの、対ロシア制裁は拒否しています。
 ロシアはセルビアから独立を宣言したコソボに対する国連の承認を阻止しています。
 そのコソボ周辺にセルビア軍が集結しつつあるそうなのですが、これも今回のロシアによるウクライナ侵攻の余波なのでしょうか。


 水雷らしき浮遊物が発見されたボスポラス海峡が一時的に閉鎖され、船舶の航行ができなくなっていましたが、今日再び航行できるようになりました。
 誰が水雷を浮かべたのか詳しい報道は見つかりませんでした。


 19日にTBSが放送したベラルーシ大統領へのインタビューについて、日本人視聴者の反応はとても活発だったので、その一部をご紹介します、という報道をこちらで流しています。
 例えば「ベラルーシ大統領の話は力強かった。政治のリーダーはこうでないと。」「難しい問題にすぐさま答えている。」「岸田首相はこんなふうにしゃべれないだろう。」「日本人なら手元のメモを見ながら話す。ベラルーシ大統領は自分の言葉で即答していた。」「事前に日本のことを学んでいたのが分かる。」「番組は役立った。」「このインタビュー番組の拡散希望(英語字幕つけてください。世界に拡散希望)」「大統領は直球で答えていた。」「今まで残酷な独裁者だと思っていたけど、ちがった。」「周りの役人の手を借りずに質問に答えていた。」「プーチンの操り人形だと思っていたけどちがった。」「話をするのがうまい。」「オーラがある。」「大統領は賢い。強い。」「日本の政治家より上。」「ウクライナ大統領より上。」という日本人のコメントがあったと報道しています。

ベラルーシのコロナウイルス感染者958492人。死者数6778人

2022-03-26 | ベラルーシ旅行・長期滞在・留学注意情報
 2022年3月26日の書き込みです。

 ベラルーシのコロナウイルス感染者数は958492人になりました。1日の新規感染者数は1404人です。しかし、新規検査数は13356件です。

 死者数は6778人です。

 955556人が回復しました。

 1280万件を超える検査数となりました。