
先日 諸角先生から
電話があって
「しばらくです。」
僕が言うと
「誰だ。」
「えっ、○○ です。」
「間違えたか..。」
「またよれや。」
「プープープープー」
それだけ言うと電話は切れた
☆****☆
そして今日
隣のリフォームの家に
大型トラックが
やってきた
「また何かやるんですか・・」
工具を下ろしている作業員に聞くと
家の前のコンクリートを
ドリルで壊すのだと言う
「うわっ、煩そう。」
「午前中で終わる予定だけどね。」
僕は午前中、
買い物に出かけることにした
そして先日の
諸角先生からの電話のことを思い出した、
「そうだ しばらくぶりで
行ってみよう。」
☆****☆

「ゴメンください。」
「こんにちはー。」
「いませんか。」
返事がないので
かってに上がって行くと
奥の部屋に
夢中で化粧をする奥さんと
コタツ板に額をつけたままで
ピクリとも動かない
諸角先生がいた
「先生、だ、大丈夫ですか?」
すると奥さんが
「いつもこうやっているのよ。」
冷たい口調で人事みたいに言った
先生は前回きたときよりも
ずいぶんやせられた
☆****☆
諸角先生が入院された時の話を
奥さんがしてくれた
四人部屋で
先生の隣のベッドが大柄の外国人で
その男のイビキが煩くて
眠れない
そこで先生がちょっと男の顔にさわったら
すごい剣幕で怒り出して大騒ぎになり
先生は「こんなところに居られるか」と
家に帰ってしまわれたそうな...
「イビキぐらいで....」と話す奥さん
僕には諸角先生の気持ちがよく分かる気がした
僕も寝つきが悪くて入院中は
とても苦労したから...
☆****☆
「もう 二週間、一人も客が来ない。」と、
まだ店のことを心配している先生、
すると奥さんが
「もう二ヶ月、一人も客なんて来ていないわよ。」
