
小学校のとき、
図画の時間に
絵の具をはじめて見て
僕はちょっと感動した
父や母から教わったり
兄や姉もいないし
明治生まれの
祖父母とのんびり暮らしていたから
要領が悪いと言うのか
多少ずれていた
☆***☆
「何か質問あるか?」
教師が聞くので僕は
「先生、これっ、水に溶かして
描くんですか?」
クラスのみんながどっとが笑った
「あったりまえだよ。」
☆****☆
笑われたことが悔しくて
僕は執念で絵を描いた
するとさっき笑った友達が
「うまいっ、」
ほかの友達も見に来て
みんなが褒めてくれた
それが嬉しくて
僕は絵を描くことが好きになった
☆****☆
あるとき僕の絵が選ばれて
展示された
授業参観にきた母が
たまたまその絵を見て
その時は何も言わなかったけど
少しして テレビが我が家に届いた
☆****☆

やりくりアパート、月光仮面
「テレビ、見せてくださーい。」
家にテレビがなかったので
テレビのある家に何人かで
見せてもらいに行っていたあの頃
そのテレビを観ている様子を描いた
僕の絵を見て
離れて暮らしていた母は
不憫に思って
買ってくれたのかな、...
