池脇千鶴さん 映画 「はさみ」 先生役で主演
「演じる」でなく、役を生きたい
理容美容専門学校を舞台に、社会へ出る一歩手前で不安にとらわれる若者と、彼らを巣立たせる教職員を描いた映画「はさみ hasami」(2012年1月14日公開)。 一途さがまぶしい新米教員役で主演した池脇千鶴さんは「甘酸っぱくて懐かしい作品」と話します。
生の苦悩に触れ
人間関係を上手く築けず、無理にはしゃいで疲れ、授業に出られなくなってしまう子。カットが思うようにできず、気力を失っていく子。と一人ひとりに問い続ける久沙江(ひさえ)先生に、やがて彼らのポーズは崩れ、本音が漏れ出します。
「演じていて、何で今までこの子の底にあるものを分かってやれなかったんだろうって、苦しい思いでいっぱいになりました」子どもたちの生の苦悩に触れた瞬間、自信なげに揺らめく久沙江の表情で、新米教員の陰影を感じさせました。
実在の専門学校のエピソードを元に作られた光石富士朗監督のオリジナル脚本。
本作には、親の経済的理由で退学を余儀なくされる生徒も出てきます。
「実際にあるんですって。私もあの話だけは悔しくって、いたたまれなかったですね」。
教職員は何とか彼女の夢を実現させようと、様々な手立てを追及します。
「本当に、どの学校もこうであったらいいなって思いますね」
今、30歳。故・市川準監督に見出され、「三井のリハウス」のコマーシャルでデビューしたのは15歳のときでした。
映像で見せた不安と期待がない交ぜの風情は話題になり、市川監督は映画「大阪物語」の主演にも16歳の池脇さんを抜てきしました。
「市川監督からは、普通の生活をしなさい、人の痛みのわかる人になりなさいと言われました。それはずっと思ってやってきましたね」
芝居を超えたい
朝の連続テレビ小説「ほんまもん」のヒロイン、映画「ジョゼと虎と魚たち」の憎たらしくも不思議に魅力的な少女、大河ドラマ「風林火山」の悲運な三条夫人。年齢とともに役の幅を広げ、「演技派」の評価を受けてきた池脇さん。
転機となった作品はありますか?と問うと、
「これといって・・。大きい仕事で、認知された作品は幾つかありますが、私としては、やってることが一緒なので」。
淡白な言葉に、周囲の評価に一喜一憂せず、自身の仕事を見据える芯の強さを覗かせます。
幼稚園の頃には、女優になると決めていたといいます。デビュー間もない16歳のとき、どんな小さな仕事でも、事前に相談してほしいと所属事務所に願い出ました。以来、必ず台本には自分で目を通し、仕事をしてきました。
役を「演じる」のではなく、役そのものを「生きる」のが理想。
「心を止めないというか、あくまでその役として存在したい。お芝居を超えたいんです」
(田中佐知子)
いけわき・ちづる
1981年大阪府生まれ。近年の出演作は、映画「パーマネント野ばら」、「必死剣鳥刺し」、「神様のカルテ」など。
(しんぶん赤旗(HP版も毎日更新)2012年1月13日(金)より)
↑↑赤旗 Wikipedia で検索ください。
戦前・戦時下、治安維持法の下、弾圧・拷問で何人もの命を奪われながらも反戦を貫いた日本共産党の、新聞(日本最大の政党機関紙)。
他党に比べ、党中央のHP、しんぶん赤旗のHPを充実させるよう努力しています(巨大メディアが権力に巻かれ極力共産党の実績を目立たせないようにするため)。
「演じる」でなく、役を生きたい
理容美容専門学校を舞台に、社会へ出る一歩手前で不安にとらわれる若者と、彼らを巣立たせる教職員を描いた映画「はさみ hasami」(2012年1月14日公開)。 一途さがまぶしい新米教員役で主演した池脇千鶴さんは「甘酸っぱくて懐かしい作品」と話します。
生の苦悩に触れ
人間関係を上手く築けず、無理にはしゃいで疲れ、授業に出られなくなってしまう子。カットが思うようにできず、気力を失っていく子。と一人ひとりに問い続ける久沙江(ひさえ)先生に、やがて彼らのポーズは崩れ、本音が漏れ出します。
「演じていて、何で今までこの子の底にあるものを分かってやれなかったんだろうって、苦しい思いでいっぱいになりました」子どもたちの生の苦悩に触れた瞬間、自信なげに揺らめく久沙江の表情で、新米教員の陰影を感じさせました。
実在の専門学校のエピソードを元に作られた光石富士朗監督のオリジナル脚本。
本作には、親の経済的理由で退学を余儀なくされる生徒も出てきます。
「実際にあるんですって。私もあの話だけは悔しくって、いたたまれなかったですね」。
教職員は何とか彼女の夢を実現させようと、様々な手立てを追及します。
「本当に、どの学校もこうであったらいいなって思いますね」
今、30歳。故・市川準監督に見出され、「三井のリハウス」のコマーシャルでデビューしたのは15歳のときでした。
映像で見せた不安と期待がない交ぜの風情は話題になり、市川監督は映画「大阪物語」の主演にも16歳の池脇さんを抜てきしました。
「市川監督からは、普通の生活をしなさい、人の痛みのわかる人になりなさいと言われました。それはずっと思ってやってきましたね」
芝居を超えたい
朝の連続テレビ小説「ほんまもん」のヒロイン、映画「ジョゼと虎と魚たち」の憎たらしくも不思議に魅力的な少女、大河ドラマ「風林火山」の悲運な三条夫人。年齢とともに役の幅を広げ、「演技派」の評価を受けてきた池脇さん。
転機となった作品はありますか?と問うと、
「これといって・・。大きい仕事で、認知された作品は幾つかありますが、私としては、やってることが一緒なので」。
淡白な言葉に、周囲の評価に一喜一憂せず、自身の仕事を見据える芯の強さを覗かせます。
幼稚園の頃には、女優になると決めていたといいます。デビュー間もない16歳のとき、どんな小さな仕事でも、事前に相談してほしいと所属事務所に願い出ました。以来、必ず台本には自分で目を通し、仕事をしてきました。
役を「演じる」のではなく、役そのものを「生きる」のが理想。
「心を止めないというか、あくまでその役として存在したい。お芝居を超えたいんです」
(田中佐知子)
いけわき・ちづる
1981年大阪府生まれ。近年の出演作は、映画「パーマネント野ばら」、「必死剣鳥刺し」、「神様のカルテ」など。
(しんぶん赤旗(HP版も毎日更新)2012年1月13日(金)より)
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戦前・戦時下、治安維持法の下、弾圧・拷問で何人もの命を奪われながらも反戦を貫いた日本共産党の、新聞(日本最大の政党機関紙)。
他党に比べ、党中央のHP、しんぶん赤旗のHPを充実させるよう努力しています(巨大メディアが権力に巻かれ極力共産党の実績を目立たせないようにするため)。