憲法9条が大争点
『国防軍』『集団的自衛権』・・・危険な公約
「国防軍」「自主憲法制定」「集団的自衛権の行使」・・・。今回の総選挙では、きな臭い公約が飛び交っています。憲法9条を壊すのか、9条を生かす平和日本をつくるのか。鋭く問われる一大争点です。
「安倍自民党総裁が公約に掲げた【国防軍】にママたち、おばあちゃんたちが猛反発!
『もしも軍隊を作るなら私は子どもを連れて国を出ます!』」
女性週刊誌『女性自身』(18日号)は、こんなタイトルの特集を組み、選挙戦の様相に危機感を示しました。その中で、改憲の危険性についての識者の見方を紹介し、「家族に降りかかる危機を、しっかり見極めなければ―」と呼びかけています。
憲法を敵視する主張は、自民党だけでなく、民主党、日本維新の会、みんなの党、公明党、未来の党などにも及んでいます。
憲法をめぐる各党の態度
民主党 「集団的自衛権に関する解釈などの見直し」(野田首相が議長の国家戦略会議の分科会報告書)、「(9条)2項は変えるべきだ」(前原誠司国家戦略担当相)
自民党 「集団的自衛権の行使を可能とし、『国家安全保障基本法』を制定」(重点政策)、「国防軍を保持」(憲法改正草案)
公明党 新たに憲法を加える「加憲」の対象に、自衛隊の存在や国際貢献なども検討
日本維新の会 「自主憲法制定」「集団的自衛権の行使や領海統治などを定める国家安全保障基本法の整備」(衆院選公約)
みんなの党 「憲法改正手続きの簡略化」「憲法上、非常事態法制の整備を明記」(アジェンダ)
未来の党 「国際平和と自衛のために国軍を持つ」(東祥三候補)、「安全保障基本法の制定」(公約)
集団的自衛権を認めたら
米の戦争で自衛隊が攻撃
これらの党にほぼ共通するのは、歴代政府の憲法解釈を変えて「集団的自衛権の行使を可能にする」ことです。
集団的自衛権とは何か。自国が攻撃されていなくても、同盟国が攻撃されたら、自国が攻撃されたとみなして反撃する「権利」のことです。歴代政府も、「日本防衛」を超え、憲法9条に違反すると断じてきました。
集団的自衛権の行使を認めたり、憲法9条を改定してしまえば、自衛隊が米軍の戦争に加わり、海外で戦争することになります。
これまでイラクに派兵された自衛隊も派兵法で武力行使できないようにされてきました。しかし、憲法9条と集団的自衛権行使の禁止という歯止めがなくなれば、自衛隊がイラク軍や市民を殺傷する事態を招くことになります。
これで喜ぶのは、自衛隊を自らの世界戦略のもとで利用したい米国です。最近でも、米議会報告書(5月)は、日本の憲法解釈で集団的自衛権の行使を禁じていることが、より緊密な日米軍事同盟協力の「障害になっている」と非難しています。
集団的自衛権の行使を可能にする法整備は、こうした米国の対日要求に応えようとするものです。
いまなぜ、何を狙う
“米国のために血を流せ”
集団的自衛権の行使で一体何を狙っているのか―。自民党の安倍晋三総裁は著書の中で、「軍事同盟というのは『血の同盟』にもかかわらず、『今の憲法解釈のもとでは、日本の自衛隊は、アメリカが攻撃されたときに血を流すことはない」と嘆いています。(『この国を守る決意』)。
米国のために血を流す軍事同盟へ転換―。これが狙いなのです。
維新98%、みんな、民主、未来・・・
明文改憲の候補続々
解釈だけでなく、さらに明確に海外での戦争に加われるように憲法の明文改憲を狙う動きも公然化しています。
自民党は4月に『憲法改正草案』を発表。日本維新の会も公約で明文改憲を主張しています。
『毎日』(8日付)が報じた候補者アンケートによると、日本維新の会の98%、みんなの党の96%、公明党の87%、民主党の58%の候補者が改憲に賛成と回答しています。
未来の党も、東祥三候補が「国軍を持つ」と公言するなど、改憲賛成が候補者の半数を超える53%。同党の松崎哲久候補は集団的自衛権の行使について「安全保障基本法という法制でやる」と述べています。
各党の標的は「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない」とした9条2項です。
歴代政府は、自衛隊の存在を合理化するために「自衛隊は憲法で禁じられている『戦力』にあたらない」と主張。「戦力」ではないので、
①武力行使を目的にした海外派兵
②集団的自衛権の行使
③目的・任務に武力行使を伴う国連軍への参加―
はできないとしてきました。(衆院特別委員会での内閣法制局長官答弁、1990年)。
「国防軍」など、戦力保持を憲法上で認めれば、海外での武力行使がすべて可能になってしまいます。
しかし国民の中では、こうした改憲に反対する人は多数です。世論調査でも、改憲で自衛隊を国防軍にすることに賛成する人は26%に過ぎず、反対は51%に達しています。(『朝日』3日付)
9条生かす道示す共産党
主要な政党の中で、改憲の本質を告発し、憲法擁護の論陣を張っているのは日本共産党だけです。
志位和夫委員長は選挙戦の中で、軍事同盟に固執する国々は世界でも少数派であり、東南アジアでは『紛争の平和解決』を掲げるASEAN(東南アジア諸国連合)が地域の共同体として発展していることを紹介。
「紛争が起きても戦争にしない。外交で解決する。憲法9条こそ、この思想を体現しているものです。9条を生かす平和外交で世界に貢献する日本をつくりましょう」と訴えています。
(しんぶん赤旗日曜版2012年12月16日号)
しんぶん赤旗はお近くの日本共産党地区委員会事務所へ。
日刊紙 月3.400円 日曜版 月800円
日本共産党ホームページ
http://www.jcp.or.jp/
携帯版
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『国防軍』『集団的自衛権』・・・危険な公約
「国防軍」「自主憲法制定」「集団的自衛権の行使」・・・。今回の総選挙では、きな臭い公約が飛び交っています。憲法9条を壊すのか、9条を生かす平和日本をつくるのか。鋭く問われる一大争点です。
「安倍自民党総裁が公約に掲げた【国防軍】にママたち、おばあちゃんたちが猛反発!
『もしも軍隊を作るなら私は子どもを連れて国を出ます!』」
女性週刊誌『女性自身』(18日号)は、こんなタイトルの特集を組み、選挙戦の様相に危機感を示しました。その中で、改憲の危険性についての識者の見方を紹介し、「家族に降りかかる危機を、しっかり見極めなければ―」と呼びかけています。
憲法を敵視する主張は、自民党だけでなく、民主党、日本維新の会、みんなの党、公明党、未来の党などにも及んでいます。
憲法をめぐる各党の態度
民主党 「集団的自衛権に関する解釈などの見直し」(野田首相が議長の国家戦略会議の分科会報告書)、「(9条)2項は変えるべきだ」(前原誠司国家戦略担当相)
自民党 「集団的自衛権の行使を可能とし、『国家安全保障基本法』を制定」(重点政策)、「国防軍を保持」(憲法改正草案)
公明党 新たに憲法を加える「加憲」の対象に、自衛隊の存在や国際貢献なども検討
日本維新の会 「自主憲法制定」「集団的自衛権の行使や領海統治などを定める国家安全保障基本法の整備」(衆院選公約)
みんなの党 「憲法改正手続きの簡略化」「憲法上、非常事態法制の整備を明記」(アジェンダ)
未来の党 「国際平和と自衛のために国軍を持つ」(東祥三候補)、「安全保障基本法の制定」(公約)
集団的自衛権を認めたら
米の戦争で自衛隊が攻撃
これらの党にほぼ共通するのは、歴代政府の憲法解釈を変えて「集団的自衛権の行使を可能にする」ことです。
集団的自衛権とは何か。自国が攻撃されていなくても、同盟国が攻撃されたら、自国が攻撃されたとみなして反撃する「権利」のことです。歴代政府も、「日本防衛」を超え、憲法9条に違反すると断じてきました。
集団的自衛権の行使を認めたり、憲法9条を改定してしまえば、自衛隊が米軍の戦争に加わり、海外で戦争することになります。
これまでイラクに派兵された自衛隊も派兵法で武力行使できないようにされてきました。しかし、憲法9条と集団的自衛権行使の禁止という歯止めがなくなれば、自衛隊がイラク軍や市民を殺傷する事態を招くことになります。
これで喜ぶのは、自衛隊を自らの世界戦略のもとで利用したい米国です。最近でも、米議会報告書(5月)は、日本の憲法解釈で集団的自衛権の行使を禁じていることが、より緊密な日米軍事同盟協力の「障害になっている」と非難しています。
集団的自衛権の行使を可能にする法整備は、こうした米国の対日要求に応えようとするものです。
いまなぜ、何を狙う
“米国のために血を流せ”
集団的自衛権の行使で一体何を狙っているのか―。自民党の安倍晋三総裁は著書の中で、「軍事同盟というのは『血の同盟』にもかかわらず、『今の憲法解釈のもとでは、日本の自衛隊は、アメリカが攻撃されたときに血を流すことはない」と嘆いています。(『この国を守る決意』)。
米国のために血を流す軍事同盟へ転換―。これが狙いなのです。
維新98%、みんな、民主、未来・・・
明文改憲の候補続々
解釈だけでなく、さらに明確に海外での戦争に加われるように憲法の明文改憲を狙う動きも公然化しています。
自民党は4月に『憲法改正草案』を発表。日本維新の会も公約で明文改憲を主張しています。
『毎日』(8日付)が報じた候補者アンケートによると、日本維新の会の98%、みんなの党の96%、公明党の87%、民主党の58%の候補者が改憲に賛成と回答しています。
未来の党も、東祥三候補が「国軍を持つ」と公言するなど、改憲賛成が候補者の半数を超える53%。同党の松崎哲久候補は集団的自衛権の行使について「安全保障基本法という法制でやる」と述べています。
各党の標的は「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない」とした9条2項です。
歴代政府は、自衛隊の存在を合理化するために「自衛隊は憲法で禁じられている『戦力』にあたらない」と主張。「戦力」ではないので、
①武力行使を目的にした海外派兵
②集団的自衛権の行使
③目的・任務に武力行使を伴う国連軍への参加―
はできないとしてきました。(衆院特別委員会での内閣法制局長官答弁、1990年)。
「国防軍」など、戦力保持を憲法上で認めれば、海外での武力行使がすべて可能になってしまいます。
しかし国民の中では、こうした改憲に反対する人は多数です。世論調査でも、改憲で自衛隊を国防軍にすることに賛成する人は26%に過ぎず、反対は51%に達しています。(『朝日』3日付)
9条生かす道示す共産党
主要な政党の中で、改憲の本質を告発し、憲法擁護の論陣を張っているのは日本共産党だけです。
志位和夫委員長は選挙戦の中で、軍事同盟に固執する国々は世界でも少数派であり、東南アジアでは『紛争の平和解決』を掲げるASEAN(東南アジア諸国連合)が地域の共同体として発展していることを紹介。
「紛争が起きても戦争にしない。外交で解決する。憲法9条こそ、この思想を体現しているものです。9条を生かす平和外交で世界に貢献する日本をつくりましょう」と訴えています。
(しんぶん赤旗日曜版2012年12月16日号)
しんぶん赤旗はお近くの日本共産党地区委員会事務所へ。
日刊紙 月3.400円 日曜版 月800円
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