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食品添加物大国・日本 多くが表示されず【食の安全 見える表示・見えない表示】 /トリクロサンのリスク

2013-01-18 | 生活・食卓
 
  薬用せっけんのトリクロサン   アレルギーのリスクに?

 抗菌剤のトリクロサンは、子どものアレルギー発祥のリスクを高めている可能性があるー。ノルウェーと米国の研究グループが国際的な医学専門誌「アレルギー」に発表しました。

 ノルウェーと米国の10歳の子どもたち623人を対象に、尿中のトリクロサン濃度と血中の免疫グロブリン(IgE)濃度、鼻づまりや花粉症の有無との関係を調べました。IgEはアレルギーと関連が深い糖たんぱく質です。
 
 調査の結果、尿中のトリクロサンの濃度が高いと、血液中のIgE濃度と鼻づまりや花粉症の発症レベルが上昇することがわかったといいます。

 トリクロサンは、最近、一般家庭で使う製品などにも広く使われるようになっており、大都市周辺の河川や、下水が流れ込む場所の海底の泥などからも検出されることがわかっています。
 (2012年のしんぶん赤旗日刊紙より)


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  添加物大国の日本  多くが表示されず  <政府が規制緩和>

 食品表示について定めた三つの法律を一元化する「新食品表示法案」が、2013年通常国会に出されようとしています。
  消費者庁の食品表示一元化検討会の委員で、食品添加物の研究・開発に携わってきた、鈴鹿医療化学大学の中村幹雄客員教授に聞きました。

 食品添加物は、食品衛生法で原則として物質名ですべて表示することになっており、「全面表示」とされています。
 しかし、実態はそれとかけ離れており表示率は20%前後で、多くの添加物が表示されていない 
 なぜ20%になるか。物質名表示ではなくても、「一括名表示」や「簡略名表示」が厚労省の通知で認められているからです。
 たとえば、「香料」「酸味料」「調味料」などの表示では、どんな物質が含まれているか不明です。


 また、増粘剤、、安定剤として広く使われる多糖類は、「増粘多糖類」と表示され、個別の物質名であるグァーガム、ペクチン、カラギナンなどとは表示されない場合が多い。
 グァーガムは、2007年にスイスでダイオキシンおよびペンタクロロフェノールによる汚染が問題となり、アイスクリームなどを回収する事件がありました。


 「世界一」ともいえる数・・・

 現在、厚労大臣が指定する指定食品添加物は425品目。しかし、1965年頃から約40年間は350品目に固定されてきました。
 02年、政府は、規制緩和に大きく舵を切りました。その後米国やEU諸国の要望に沿う形で、年々、指定を増やしてきたのです。

 これに、既存添加物(※)(365品目)などを加えれば、その数は世界一といってよく、国内使用の額で1兆円に達しています。

 食品添加物大国である日本の規制は、ヨーロッパに比べて緩いと感じます。
 遺伝子組み換え食品も政府が認めているものは、189品種(2012年9月25日現在)。08年の88品種の2倍以上。

 遺伝子組み換えの食品添加物については、16品目。しかし、遺伝子組み換え技術を使った添加物であっても、組み換え品に当たらないとした添加物は50品目にのぼっています。
 この添加物を使用した食品は、遺伝子組み換えの表示はされず、消費者には使用されたことがわかりません。

 ヨーロッパでは、遺伝子組み換え食品はほとんど認められていません。10年3月、EUは遺伝子組み換えジャガイモの商用栽培を認可しましたが、12年ぶりのことです。
 
 遺伝子組み換え食品や食品添加物、加工食品の原料原産地の表示について、食品表示一元化検討会の2012年8月の報告書は結論を見送りました。
 消費者は、食品の安全を求め、正確な情報を知る権利があります。食品事業者は、安全な食品を提供する義務があり、行政は、それを守らせる責任があります。食品表示実現のための運動はこれからです。
 

 ※既存食品添加物  長く慣習的に使われてきた添加物。天然添加物と呼ばれることも。1996年に名簿が告示され、当初は489品目でした。
 その後使用実態がないものや、安全性から問題のあるものは削除されてきました。


 表示されない添加物の例
●焼きちくわ

 原材料名(食品添加物を含む): 魚肉、デンプン、植物たん白、大豆油、砂糖、食塩、ブドウ糖、ソルビトール、キシロース、調味料(アミノ酸等)、(原材料の一部に小麦、大豆を含む)
 
 ↑で表示されなかった食品添加物: 亜硫酸水素ナトリウム、グリシン、グリセリン脂肪酸エステル、L-グルタミン酸ナトリウム、シリコーン樹脂、大豆レシチン、フマル酸一ナトリウム、ポリリン酸カリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸カリウム、メタリン酸ナトリウム、5’-リボヌクレオチドニナトリウム、リン酸三カルシウム

●イチゴジャム

 原材料名(食品添加物を含む): イチゴ、砂糖、ゲル化剤(増粘多糖類)、酸味料、pH調整剤、乳酸カルシウム(原材料の一部にリンゴを含む)

 ↑で表示されなかった食品添加物: クエン酸、クエン酸ナトリウム、ジェランガム、ペクチン


 (しんぶん赤旗 日刊紙2012年11月15日(木)よりネコ型編)

 


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