勉強のやり方専門塾です。
さくら個別指導学院さんの記事に触発されて、
圧倒的な語彙力不足に立ち向かう!その①
算数が苦手な子にとって、速さの問題(文章題)がどのように見えているか、考えてみました。
まずは、こういう問題です。
・時速80㎞で進む自動車が2時間に進む道のり
・80㎞の道のりを2時間で進んだ自動車の時速
はいはい、速さの定番の問題ですね。
そういう私も、ここだけの話、速さの問題は5年生(当時は5年生でも習う)で苦労した記憶があります。
そこで悪魔の公式である「はじきの法則」の登場です。
その前に、「はじきの法則」をご存じない人のために、一応、説明を。
このように、○を書いて線で3つに仕切り、左下に「は=速さ」、右下に「じ=時間」、上に「き=距離(道のり)」を書きます。
距離(道のり)を求めたい場合は「き」の部分をかくし、「は」と「じ」をかけます。
つまり、距離(道のり)=速さ×時間で求められることがわかります。
時速(速さ)を求めたい場合は「は」の部分をかくし、「き」を「じ」でわります。
つまり、「速さ=距離(道のり)÷時間」で求められることがわかります。
ドラえもん顔負けのとっても便利な道具、いえ、公式の登場です(笑)。
この「はじきの法則」を使って、先ほどの問題を考えてみると、
・時速80㎞で進む自動車が2時間に進む道のり
↓
時速80㎞→「は=80」
2時間→「じ=2」
道のり?㎞→「き=?」
となるので、80×2=160㎞で、「正解!」となります。
次の問題はどうでしょうか。
・80㎞の道のりを2時間で進んだ自動車の時速
↓
時速?㎞→「は=?」
2時間→「じ=2」
道のり80㎞→「き=80」
となるので、「はじきの法則」にあてはめてみると、
80÷2=40㎞で、「また正解!」となるわけです。
「えっ?オレ(ワタシ)って速さ得意?」
と思う子も出てくるわけです。
しかし、ちょっと待ってください!
先ほど、「はじきの法則」は悪魔の公式だと言いました。
ダメな理由はというと、次のような問題を出されたときに、確実にひっかかるからです。
・秒速30mで進む自動車が2時間に進む道のり
大半の子(だいたい8割くらいの子)が、
秒速30m→「は=30」
2時間→「じ=2」
道のり?m→「き=?」
「はいはい、よゆーですよ」と、自信満々に30×2=60mと答えて「不正解!」となるのです。
2時間で60mしか進まない自動車ってどんだけポンコツ?
これは文章をよく読まず、30m、2時間という数字だけつまんで読んでいることで起きる間違いです。
つまり、文章題なのに文章を読んでいないのです。
最初の問題に戻りますが、算数が苦手な子には速さの問題は、
このように見えているのです。
80㎞、2、道のり
80㎞、2、速さ
ポイントは時速80㎞も道のりの80㎞も同じに見えてるということです。
80㎞、2時間という数字だけをつまんで、「かける」か「わる」かをやっているだけなのです!
これではいつまでたっても算数ができるようにはなりません。子どもの算数力がダメになるだけです。
実は、算数が苦手な子にはもともとこうした傾向はあるのですが、「はじきの法則」を教えるとこの傾向にますます拍車がかかります。
「はじきの法則」を知ってしまうと、、文章を読まなくても答えが出せるのだから、読む必要がありませんよね?
要は読解力の問題なのです。
こうして、子どもは文章題の文章を「丁寧に読む」という一番大切なプロセスをはぶいてしまうようになります。
その結果、速さがわからないと言い出すのです。
しかし、われわれ塾講師の立場から言わせてもらうと、わからないという前に読んでいないのですから当たり前です。
読んでいないものをわかるはずもありません。
だから、「はじきの法則」はダメなんです。
では、速さの問題はどうやって教えたらよいのでしょうか。
それは「は・じ・き」は悪魔の公式!?算数が苦手な子には文章題はこう見えている!(その2)で。
小数点を「.」じゃなく読点「、」と書けといい加減なことを教える学校New
詳しいお話は新刊でも→「子どもがつまずかない教師の教え方65のアイデア」(東洋館出版社)
さくら個別指導学院さんの記事に触発されて、
圧倒的な語彙力不足に立ち向かう!その①
算数が苦手な子にとって、速さの問題(文章題)がどのように見えているか、考えてみました。
まずは、こういう問題です。
・時速80㎞で進む自動車が2時間に進む道のり
・80㎞の道のりを2時間で進んだ自動車の時速
はいはい、速さの定番の問題ですね。
そういう私も、ここだけの話、速さの問題は5年生(当時は5年生でも習う)で苦労した記憶があります。
そこで悪魔の公式である「はじきの法則」の登場です。
その前に、「はじきの法則」をご存じない人のために、一応、説明を。
このように、○を書いて線で3つに仕切り、左下に「は=速さ」、右下に「じ=時間」、上に「き=距離(道のり)」を書きます。
距離(道のり)を求めたい場合は「き」の部分をかくし、「は」と「じ」をかけます。
つまり、距離(道のり)=速さ×時間で求められることがわかります。
時速(速さ)を求めたい場合は「は」の部分をかくし、「き」を「じ」でわります。
つまり、「速さ=距離(道のり)÷時間」で求められることがわかります。
ドラえもん顔負けのとっても便利な
この「はじきの法則」を使って、先ほどの問題を考えてみると、
・時速80㎞で進む自動車が2時間に進む道のり
↓
時速80㎞→「は=80」
2時間→「じ=2」
道のり?㎞→「き=?」
となるので、80×2=160㎞で、「正解!」となります。
次の問題はどうでしょうか。
・80㎞の道のりを2時間で進んだ自動車の時速
↓
時速?㎞→「は=?」
2時間→「じ=2」
道のり80㎞→「き=80」
となるので、「はじきの法則」にあてはめてみると、
80÷2=40㎞で、「また正解!」となるわけです。
「えっ?オレ(ワタシ)って速さ得意?」
と思う子も出てくるわけです。
しかし、ちょっと待ってください!
先ほど、「はじきの法則」は悪魔の公式だと言いました。
ダメな理由はというと、次のような問題を出されたときに、確実にひっかかるからです。
・秒速30mで進む自動車が2時間に進む道のり
大半の子(だいたい8割くらいの子)が、
秒速30m→「は=30」
2時間→「じ=2」
道のり?m→「き=?」
「はいはい、よゆーですよ」と、自信満々に30×2=60mと答えて「不正解!」となるのです。
2時間で60mしか進まない自動車ってどんだけポンコツ?
これは文章をよく読まず、30m、2時間という数字だけつまんで読んでいることで起きる間違いです。
つまり、文章題なのに文章を読んでいないのです。
最初の問題に戻りますが、算数が苦手な子には速さの問題は、
このように見えているのです。
80㎞、2、道のり
80㎞、2、速さ
ポイントは時速80㎞も道のりの80㎞も同じに見えてるということです。
80㎞、2時間という数字だけをつまんで、「かける」か「わる」かをやっているだけなのです!
これではいつまでたっても算数ができるようにはなりません。子どもの算数力がダメになるだけです。
実は、算数が苦手な子にはもともとこうした傾向はあるのですが、「はじきの法則」を教えるとこの傾向にますます拍車がかかります。
「はじきの法則」を知ってしまうと、、文章を読まなくても答えが出せるのだから、読む必要がありませんよね?
要は読解力の問題なのです。
こうして、子どもは文章題の文章を「丁寧に読む」という一番大切なプロセスをはぶいてしまうようになります。
その結果、速さがわからないと言い出すのです。
しかし、われわれ塾講師の立場から言わせてもらうと、わからないという前に読んでいないのですから当たり前です。
読んでいないものをわかるはずもありません。
だから、「はじきの法則」はダメなんです。
では、速さの問題はどうやって教えたらよいのでしょうか。
それは「は・じ・き」は悪魔の公式!?算数が苦手な子には文章題はこう見えている!(その2)で。
小数点を「.」じゃなく読点「、」と書けといい加減なことを教える学校New
詳しいお話は新刊でも→「子どもがつまずかない教師の教え方65のアイデア」(東洋館出版社)