日曜絵かきの散歩道 “doucement,doucement”

日曜絵かきは楽しくて孤独 青空に誘われてつい散歩に
“ドゥスモン、ドゥスモン(ゆっくり、ゆっくり)”

海底二万哩(映画)

2017年08月13日 | 映画
小説『海底二万里』を映像化した
もう一つの映画を見た

『海底二万哩』1916年 アメリカ



ジュール・ヴェルヌが
『海底二万里』の続編とも言える
『神秘の島』を発表したのが1874年だから
そのおよそ40年後に作られた映画
ということになる

そのまた約40年後の1954年に
ディズニーが再び映画化した



ディズニー映画『海底2万マイル』は
ドタバタとにぎやかな映画だけど
この映画はおそろしく静かで
それもそのはず
モノクロのサイレント映画だ



サイレント映画といえば
チャップリンぐらいしか知らないけど
音楽は流れたようなような気がする



この映画は音楽さえなくて
黒い画面に現れる
白抜き文字の字幕だけが頼りだ

出演者は大げさな身振り手振りで演技し
その動きはなめらかさに欠けて
チャカチャカしているので
喜劇でも見ているような気になる



その反面
目にも静かな海底シーンが
けっこう長く続いて
眠たくなる(寝てしまう)



物語はといえば
『海底二万里』と
その約15年後のエピソードを書いた
『神秘の島』を1つにまとめて
しかも同時進行させている

そんなわけで
登場人物がぐっと増え
話が複雑になった上に
サイレントとくるから
小説を読んでから見ても
何が何だかわかりづらい



私が唯一気に入ったのは
ネモ船長の服装だ
おそらく小説の挿絵を参考にしたのだろう
海で得られる物で作った
という雰囲気が出てる

しかし
肝心のネモ船長自身はというと
細身で長身のシルエット
首から下はばっちりなんだけど…



『神秘の島』で
ネモ船長の正体が明らかにされた時
あれ?と思った
ヴェルヌがきちんと
整合性をとらなかったことの1つ
と言っていいように思ったけど
あのあたりの人と言えば
こうだろうと決めつけるのが間違いかな
そうすると
この映画のネモ船長の設定も
間違いってことになりそうだけど

『海底二万里』と『神秘の島』を
読んだことのある人に出会ったら
そっと議論してみたい