日曜絵かきの散歩道 “doucement,doucement”

日曜絵かきは楽しくて孤独 青空に誘われてつい散歩に
“ドゥスモン、ドゥスモン(ゆっくり、ゆっくり)”

『門』読了

2017年09月17日 | 
年のはじめに
漱石ファンの人と話したのをきっかけに
読み返しはじめた『門』



それを読みだしておいて
植田紳爾の対談本や



女装して1年暮らした人の本



ターシャ・テューダーの本



中山可穂の『ゼロ・アワー』に



3度目の『男役』



『海底二万里』と『神秘の島』



今も読みかけの
『グラント船長の子供たち』に



就活がらみの本も読んだ

スパゲティを茹でながら
タマネギを炒めながら
コーヒーをドリップしながら
ちょい読みを重ねて
このたびようやく終いまで読んだ



主人公の宗助は
親友の安井から奪うかたちで
御米と夫婦になった

喧嘩ひとつしない睦まじい夫婦だけど
世間に負い目を感じながら
ひっそりと暮らしてる



親友の安井は自殺するものと思い込んで
終盤はやや緊張しながら読んだら
偶然が運んできた安井の消息は
そのまま遠ざかっていき
平和のうちに物語は終了した
どうも『こころ』と混同してたみたい



ところで
物語の終わりに季節は春を迎えようとする
宗助は役所に勤める官吏だが
春の増俸問題とともに
"淘汰"の問題が宗助をおびやかす

漱石の時代には
公務員にもリストラがあったのかと
ちょっと驚いた



結果として
宗助はリストラを免れ5円昇給する
勝ち組となって
頭つきの魚と赤飯で祝う

安井の消息も遠ざかり
めでたしめでたしといった雰囲気になるが
春を喜ぶ御米の言葉に宗助は
またじき冬が来ると答える



ハッピーエンドのような
そうでないような
人生とはこうしたものかもしれないと思った

・ 。..・ 。..。・・.。...。。・ ・。...

今 台風一過の青い空が
気持ちよく広がって
ちょっとだけうらめしい

うらめしい理由をまた後で
アップしたいと思います