雲南省の大理市や麗江市、紅河州等には中国語では、「木瓜水」と呼ばれる食べ物があります。「木瓜水」は、四川省成都等では、氷粉と呼ぶとの事ですが、成都には何度か行った事はあるのですが、残念ながら成都ではその氷粉は食した事はありません。
「百度」等で木瓜水の作り方を検索すると茄子科の植物「假酸浆」と云う植物の種から作られるとの事です。学名は、Nicandra physaloidesとの事で、日本では「おおせんなり」と呼ばれているそうです。
雲南省について書いてある某ブログには、「木瓜水」は、パパイアの実(種)から作られるとの記述がありますが、これは誤りの様です。そのブログには、『「木瓜」とは中国語でパパイヤのこと。省略 その種を水に浸けて、ひたすら揉み続けると、ヌルヌルしたものがでてきます。これをひやし固めると、寒天のようにプルンと茶色く透明感のある木瓜水ができるのです。』等と書いてあります。
しかし、Google等で検索しても、パパイアの種からその様な物を作ったと云う様な記事は見つかりません。このブログを読むとこのブログを書いた方が、恰も実際に作った様に読めますが、パパイアの種を使って実際に「木瓜水」を作ったのか、また、果たして出来るのかどうか大いに疑問です。
また、かなり古いのですが2013年9月の人民網日本語版には、「大理の木瓜水」と題した記事が掲載されています。その記事の中でも「大理の木瓜水は老若男女に好まれ、爽やかで口当たりがよく、喉の渇きをおさめ、爽やかな味は疲れを吹き飛ばす。「木瓜」は南部の木の上に実るものではなく、一種の植物の果実で、その種を取ってつぶし、水晶のような透明なゼリー状のものを作り」云々とありますので、どう考えてもパパイアの種からは出来ない様です。この記事の中の「南部の木の上に実るものではなく」と云う件も意味不明ですが、勘ぐれはパパイアを指しているのかも知れません。
「木瓜水」は、中国語では「假酸浆」と云う植物の種から作るとの事で、日本語では大千成と云うとの事。木瓜水に関する記事は少ない様ですが、四川省成都の氷粉に関しての記事は結構見受けられます。
假酸浆と云う植物。茄子科との事で日本語では「大千成」と云うとの事。写真は百度HPからの物。
木瓜水と云う食べ物。四川省成都等では氷粉と呼ぶとの事。ゼリーの様な食感。
紅河州の建水県には、木瓜水を売りにしている有名な老舗があります。この建水県には何度か行った事がありますが、ここを訪れた際には必ずこの店に立ち寄ります。
この店には木瓜水以外にも実に様々な飲み物がありますが、一杯3元ととても安く地元の人が絶え間なく訪れる超有名店です。
この店の木瓜水には、氷やゴマも入っています。