今回起きた日本人人質殺害事件については、中国のTV等でも連日の様に報道されていました。特に、二人目の日本人人質が殺害された当日には、中国中央TVのニュース専門番組ではトップで放送していました。また、毎週日曜日の夜に放送される「世界週間」と云う報道番組でも、今回起きた日本人人質事件について、時系列を追って詳しく報道していました。(注:この番組はその週に起きた世界中の重大なニュースを取り上げ報道する番組です。今週は日本人人質殺害事件と新国王が就任したサウジアラビアとアメリカの関係に焦点を中てて放送していました。)
先日は官房長官の記者会見を通訳付きで東京から実況中継していました。ヨルダンには中国中央TVの特派員も居る様で、ヨルダンの日本大使館の前から中継で現地で行われる外務副大臣の記者会見の様子をニュース番組の中でも良く流していました。テレビのニュース番組を見る限る中国ではかなりの時間を割いて、今回起きたイスラム国による日本人人質事件及び殺害事件について報道していました。
中国ではニュース番組等でも、良く日本の番組をそのまま使う場合も多い様ですが、今回は中国中央TVの日本駐在の特派員が東京駅で、日本人に対して行った街頭インタビューしたものを流していました。その内容は「後藤さんが殺害されて大変残念で、とても心が痛む」「無事に日本へ帰ってくる事を願っていたのに、あの様な立派な人が殺害されてとても残念です」と云う様な物でした。また、当然ながら現政権が、今回の事件を利用して、集団自衛権を都合よく解釈して容易に自衛隊を海外に派遣する事に対する危険性について危惧する人の声も伝えていました。今回の日本人人質殺害事件の報道を通して見えるものは、今の中国の政権の一部にある「現政権に対する強い警戒感」の存在の様な感じがします。