貴州省の少数民族の村でも、脱穀、籾摺り、精米等に唐臼(踏み臼)を使う地域は、現在では少なくなりつつあります。村に、電気も引かれた事もあり、今では機械による籾摺り、精米が一般的の様ですが、それでも写真の様に、脱穀や籾摺りに今でも、踏み臼が使われている村もごく少数ですがあります。現役で唐臼が大いに活躍しています。
貴州省の榕江県のあるトン族の村では依然、この様に脱穀等にも踏み臼が使われてます。以前このブログでも触れた事もありますが、貴州省の苗族やトン族の村では、この様に今でも穂刈りが行われています。この様に穂の部分のみを刈り取り、保存して、食べる時には、食べる分を、その都度脱穀、精米した様です。その昔は日本でも穂刈りだったそうでが、貴州省の少数民族の村によっては、今でも穂刈りが主力で、根刈りはマレです。
踏み臼を使い脱穀しているところ。一人で脱穀する場合は、この様に箒の様な物で、臼の中のモをかき混ぜ、均一にする。
こちらの踏み臼には、木の杵の先端に石が付けてあります。Y字型の物で杵を支える。箒の様な物で臼の中を掻き混ぜ均一にする。
こちらの踏み臼は、杵の先端部分は石で出来ています。良く見ると杵の部分が木で出来ている物と石で出来ている物の両方ある様です。
こちらの踏み臼は、杵の部分は木で出来ています。この様にY字型の木で杵を支えています。
使われなくなった踏み臼の臼の部分。この村では踏み臼はもう殆んど使われなくなった様です。榕江県高僧村で。
こちらは、別の形の臼の部分です。村によっては、この様に使われなくなった踏み臼をたくさん見ます。後数年も経つと、多くの村で踏み臼は姿を消すと思われます。
臼と云うと多くの日本人は木製の臼を思い浮かべると思いますが、意外にも、中国では石で出来た臼が多い様です。多くの地域で石で出来た臼を使いモチなども付く様です。大理州の白族も石の臼と木の杵でモチを搗いていたそうです。
この石臼の写真は2000年に、貴州省の六盤水のある苗族の村で見かけた石臼の写真ですが、中国では多くの地域では、むしろ石臼と木の杵と云う組み合わせも思いの外、多い事を知りました。
貴州省六盤水のある苗族の村で見かけた石臼と杵。
最近、湖南省のある村で餅つきをしている画像を、TVで偶々見たのですが、石臼と木の杵と云う組み合わせでした。また、春節の頃放送された、あるTV番組によれば中国の朝鮮族も、やはり石臼と木の杵でモチを搗くとの事です。このブログでも何度も触れている「舌尖上的中国」と云うドキュメンタリー番組の中でも、寧波市等では、石臼と木で出来た杵で、「年糕」を作る場面が出て来ます。
ある中国人と餅つきの話をしていたところ、石の臼と石の杵でモチを搗くとの事です。私としては、かなりの驚きでしたが、踏み臼の写真の様に、石の臼と石の杵と云う組み合わせも中国では、結構多い様です。