昨年暮に発覚した四川省涼山の童工(児童労働)の件は、殆どの新聞が取り上げているようです。微博(ウェイボ)等には、「この様な境遇の子供達の唯一の生計の道を絶ってしまった、暮らしがよければ一体誰が出稼ぎに出るか」「記者に暴かれたので(注:児童労働の件を)田舎に戻り、また毎日ジャガイモとトウモロコシを食べるより術がない、本当に悪いのは一体誰だ」と言うような書き込みもあるとの事です。
家に送り返される事になった、ある子供は「出稼ぎに来る前に両親が旅費等の費用として何とか500元を工面してくれた、一ヶ月2000元貰えるはずだったが、このような事になり、途中で田舎へ帰る事になり、両親に本当に申し訳ない」とも語ったとの事です。
今回発覚した童工達の生まれ故郷は、四川省涼山州喜徳県との事ですが、この県の2012年の場合でも農民の平均純年収入は4063元との事です。子供達は一ヶ月、12時間労働で固定給2000元と云う条件で働いていたようですが、二ヶ月で田舎の平均収入の一年分の収入になるので、子供達にとっては大変に魅力的だった様です。(注:子供達が働いていたシンセン市工場労働者の一ヶ月の平均給料は約5000元との事)
子供達は田舎へ帰っても、そこで待っているのは辛い労働であり、学校を辞めて家の農作業の担い手として働く事であり、姉妹兄弟の面倒を見る事であり、場合により、14,15歳でも結婚する事だそうです。場所により、小学校に通うと言っても歩いて山道を一時間以上も歩かなければならないとの事で、学校を辞める子供も後を絶たないそうです。
今回の児童労働問題を報じている中国の各新聞社のネット版も、最近は正常にアクセス出来なくなっているサイトが多いようです。また、今回の問題は香港やシンガポール等の華字新聞も報じているようです。