トン族、壮族、苗族等の少数民族は、もち米を黄色や黒色に、色付けして食べる様です。貴州省黔東南苗族トン族自治州の黎平県、榕江県、从江県等の農貿市場等では色付けされたお強を売っているのを見かけます。また、屋台でもお強を売っているのを実に良く見かけます。私は、黎平県、榕江県、从江県へ行く度に必ずの様にお強を食べていましたが、この近辺のお強は、実に美味しいです。
中国語では、「烏米飯」と云うとの事。黎平県、榕江県、从江県ではよく見かけるシャシャンボと云う木の葉を利用して色付けするそうです。木の葉を唐臼等で、すりつぶした後、煮出して、その汁で、もち米と一緒に炊き上げるとこの様な黒い色をしたお強になります。
日本ではシャシャンボと云うとの事ですが、この葉で色づけするそうです。中国語では「烏米飯」を作る原料ともなるので「烏飯樹」と呼ばれているそうです。
シャシャンボと云う植物は、朝鮮、日本、中国の南方に生息しているとの事。
黄色に色づけされたお強。
何の植物の実かは分かりませんが、この実を煮出して、煮汁と一緒にもち米を炊き上げると、この様に黄色くなります。
貴陽市内でもお強を売っていますが、色付けされたお強は、まず見かけません。凱里市内でもあまり見かけなかった様に思います。貴陽市内や貴陽駅前の屋台等で売っているお強は、余り美味しいとは云えません。また、お薦め出来ません。と云うのはテリを出す為に、もち米の表面に油を塗っている場合が多いからです。
こちらは色づけしない普通のお強。黎平県、榕江県、从江県では、今でもよくお強が食べられています。また、芦笙節、新米節、春節、苗年等の祭りの際には、今でも必ずお強が出されます。
「舌尖上的中国」の第1集の第7話にも、榕江県に住む苗族やトン族が、同じ様に植物の葉や実でモチ米を着色する場面がで出来ます。人それぞれとは思いますが、私は、色付けした糯米の方が美味しいと思います。何故、色付けするのかその理由については良く分からない点もあるのですが、「舌尖上的中国」と云う番組の中では、彼らが色付けするのは、閉ざされた社会で、困難の多い生活を送る少数民族の色彩に対する渇望、また、色付けする事でモチ米の本来の味を保つ事が出来るためとしています。
私としては、色づけする事で、もち米の美味しさが一層引き立つ事も理由の一つの様に思いますが、保存が効くと云う事も理由の一つに挙げられると思います。単調な環境の中で、色彩に対する渇望と云う様な説明は、如何にも他所からのよそ者の勝手な解釈の様に思います。