姫島(故郷の海岸から50キロほど離れた小島)
私が生まれた実家は妹夫婦が住んでいる、
家系は長男である兄が継いだが
実家を離れて自分の家を持った、
その兄も亡くなって
また一つ里帰りの目的が失われた、
❝古里は遠きにありて思うもの❞
となりつつある、
さびしい限り、
だが実家には妹夫婦の住んでいるので
帰省する宿には困らない、
古里を離れた友人や知人の多くは
代替わりした実家には宿泊しがたく
帰省してもホテルに泊まると聞く、
自分の実家に気兼ねなく宿泊できるのも
親や兄弟が元気なうちであろう、
兄嫁とか甥、姪の代になれば
そうはいかない、
この度の兄の葬儀でも妹の世話になった、
最早血を分けた肉親は妹だけになった、
だんだん古里が遠ざかる、
だんだん古里は
心の中だけのものとなる、
それが究極の古里なのかもしれない。