里山の樹々の紅葉が始まり、秋の深まりを感じる季節になりましたね
2015年5月3日に丘の上のつるばらやをオープンしてから半年が経ちました。
あっという間に半年かぁ・・・余裕なくドタバタの毎日でしたが、校舎のお陰でたくさんのやさしい方々と出会えました。
校舎を改装するにあたって尽力くださった大工の野島さんや地域の方々、商工会のフジモトさん、私たちの想いに賛同して応援してくださった全ての方々に感謝の気持ちでいっぱいです
facebookページでも530人以上の方に「いいね」して頂きありがとうございます!
口コミやSNSなどでも素敵な紹介をしてくださったみなさま、テレビ局、ラジオの取材に来てくださった方々、新聞記者、雑誌社の方々にも感謝します。
想いが強すぎてなかなか書けませんでしたが、半年で一区切り!
今日は校舎を改装してお店を出すことになった経緯と、改装工事の様子をご紹介したいと思います。
福山市沼隈町平家谷(横倉地区)の丘の上に木造校舎が建てられたのは昭和27年。
当時はバスの乗り入れもなく、本校まで歩いていくには遠すぎるため、山南小学校横倉分校として73世帯、地域の方がみんなで協力して建てられました。
二階は小学1年生から3年生の子供たちが勉強する3部屋があり、一階は職員室と保育園がありました。
子供たちは朝、二階の窓から先生が自転車で来たのを見つけると、みんなで一斉に坂を下り先生の自転車を押して丘の上まで上がってきたそうです。
子供たちが楽しそうにキラキラしている当時のお話しを聞くと、古き良き日本の情景が目に浮かびます。
当時の子供たちが使っていた小さな机とイスは、現在みろくの里の中にある「いつか来た道」に寄付され展示されています。
地域の山から木を伐りだし、大工さんと地域の方で製材してまさしく自分たちで建てた校舎でしたので、思い入れがありとても大切にされてきました。
平家谷で生まれ育った親方は、この地域の方とは全員知り合いです。
造園「庭.Life露花」の代表として庭の提案をしてきた親方ですが、庭師として京都で修行を積んできたので、当初は見た目が派手で豪華、病気も多いバラを毛嫌いしていました。
お世話になった方の紹介で福山市のばら祭に出店したり、三年ほどかけてツルバラを扱うようになり、旺盛に伸びながらも手入れされた自然咲きのつるばらの美しさと香りを知り、景色、風景になる姿に魅力を感じるようになりました。
バラ花壇のような豪華さや色とりどりを競うのではなく、楚々としたやさしさのあるオールドローズ等を庭に取り入れて魅力を伝えていくべきだと考えるようになったのでした。
沼隈は雨が少なく土質が良いため、ブドウの産地として定着しています。
バラもブドウと同じく温暖で雨の少ない気候を好むことから、この地域を綺麗にしたい、環境や古い建物を活かしたい、地域の想いも伝えていきたいという考えでこの校舎を改装しつるばらを専門に扱う店をオープンさせようと決意したのが三年前の二月・・。
様々な問題を乗り越え、たくさんの方々のお力添えでこのプロジェクトが実現しました。
校舎の改装が始まったのは3月4日。申請に半年かかったため、オープンの二カ月前からの工事になりました。
大工は福山市神辺町の「のじま家大工店」さん。
古民家再生や社寺なども手掛ける伝統工法を伝えていく木造建築のスペシャリストです。
グラグラだった床板を全て取り外し、根太をやり替えました。
予算の問題もあり、当初は諦めていましたが、のじまさんの「この建物を後世に残すべきだ」という熱い想いで工事は進んでいきました。
ほとんど骨組みだけになりました。
柱が下がって鴨居がへの字に曲がり、建具の開け閉めが出来ない状態でしたがジャッキで柱を上げて調整されています。
古い漆喰をはがす親方。
床板は丁寧に洗われ、NPO法人「沼隈民家を大切にする会」の方々によって柿渋を塗って再生されました。黒木さん、民家の会のみなさまありがとうございました!
さねを作り直して張り合わされていきます。
床板完成。
漆喰は左官職人の森岡さん。
どんどん完成していく。
校庭に生えていた木の枝を利用。のじまさんの遊び心。
古いガラスは揺らぎがあって大好きです。現場の合間に一枚ずつ洗って再利用しました。
もともとのトイレはこんな状態でした。
予算と勾配のことなどでいろいろな問題が出ましたが、こんな山奥まできてくださった方々にゆっくりして頂けないと申し訳ない・・
庭の工事を諦めてこちらを優先しました。
信頼できる水道屋グローバルさん、いつもありがとうございます!!
古い扉を再利用。
4月28日、ギリギリでトイレ完成!
照明は京都の橘商会さんで買付け。
玄関灯を後から追加して送ってもらったら駄菓子とお手紙付きでした
建具が入り、電気工事終了。
古い玄関灯に明かりが点り命を吹き返した分校。
それぞれの職人さんの工事がひとつづつ終わっていき、完成が近づく度に嬉しいような寂しいような気持ちがこみあげてきます。
「私たちの庭工事の施主さんもきっとこんな気持ちなんだろうな」と親方としみじみ・・。
そして大工さんの作業は全て終了!
ここからは親方の左官仕事や商品の準備・・徹夜の日々が続きました。
苗置き場の整備。小山社長、急ぎで無理を言いました
駐車場は地域の方々と有志の方々がボランティアで整備してくださいました。
そして迎えたオープン初日。
毎日徹夜しても間に合わず、オープン日の朝も瓦礫を片付けていましたが、地域の方々がお祝いを持って集まってくださり、何もお願いしたわけではないのに皆さんが片付けや準備、車の誘導などを手伝ってくださいました。
みなさんのやさしさが嬉しく、さすがの親方も思わず涙ぐみました。
たけしくん、あさちゃん、すーちゃん、オープンを助けてくれてありがとうね
みのじ、みのばもありがとう!!
お客様には道案内がなかったり、商品に値段が付いていなかったり、足元も悪かったりと、全てに至らないところだらけで申し訳なかったです。
こんな状況でオープンしましたが、この考えや想いに賛同してくださるたくさんのやさしい方々と出会え、毎日ニコニコで過ごした半年でした
少人数で手仕事にこだわって仕事しているため、お庭のご依頼、剪定のご依頼も何カ月もお待たせしてすみません。
たくさんの方々の想いが詰まったつるばらや。
これからも地域とともに成長していけるよう、いろいろ発信していきたいと思います。
いつも応援ありがとうございます