露花便り

福山市の庭師のブログです。庭師の仕事や日々の生活の中からやさしさに包まれる出来事や気付きを綴っていきます。

お庭のリフォーム「アコヤのデッキパーゴラの庭」

2017-02-17 02:05:30 | お庭の施工例
お久しぶりです!
最近一眼レフを購入して写真の整理やアップが楽になり、がぜんやる気になってSNSに投稿している夏目です。
SNSには一瞬で送信できるようになったのですが、ブログの写真はアナログ作業で変換等あって、ついつい後回しに・・
こんなことでは施主様に申し訳ないと思うのですが、庭は完成した時がスタートですので、時間を追って植物が成長した姿をご紹介したいと思っています。
一昨年~昨年完成したお庭の施工例を少しずつご紹介していきたいと思います。

昨年の施工では、全体の7割の方が庭のリフォームのご依頼でした。
年数が経つにつれ生活スタイルも変化したり、実際に住んでいくうちにお悩みが出てリフォームを検討される方が多いです。

お庭のリフォームのご依頼でお悩みの例をあげると、

「駐車スペースを増やしたい」

「隣家との目隠しをしたい」

「植物が好きなのでもっと緑に包まれたい」

「デッキスペースで家族が寛ぐ場所を作りたいがメンテナンスが心配」

「草取り等の手入れを軽減したい」

「つるバラを綺麗に咲かせたい」

・・というような内容が多いです。




今回はそれらのご要望を全て叶えたリフォームのお庭「アコヤのデッキパーゴラの庭」をご紹介します。
デッキパーゴラとは、デッキにパーゴラが引っ付いた形状のものです。
柱を共有しているので単独で別々に作るよりも強度があって、柱や基礎工事などのコストも削減できます。

アコヤとはアセチル化加工された、地上で50年以上腐らない天然木材です。
デッキを作ってもすぐに腐ってしまったり、塗装のメンテナンスが大変だという理由でデッキを諦める方も多いですが、
アコヤは外部で雨ざらしの場所であっても植物と合わせて自然を演出したり、繊細な加工を可能にします。

年月を追うごとに美しくなっていくものは価値がありますよね。

人工木材や樹脂材には真似できない本物の風化した美しさと、腐らない安心感を兼ね備えているので、環境保護や自然を愛する方におすすめです。



そして何より、デッキは庭と家を繋ぐスペースです。
自然や植物を愛する方が楽しめるデッキを作ろうと思ったら、構造物を利用した植栽の空間設計が重要です。

デッキだけポーンと独立していても周りに緑がなければ落ち着かないですよね。
ただ面が広いだけでは空間は生まれません。

デッキをいろいろに活用するためには、そこにいて落ち着くような空間や風景になるような構造物や植栽が必要です。

住宅地で隣との境界に大きな樹を植えて目隠しにすることは難しいですが、構造物次第でつる植物を使ってやわらかく目隠しをすることは可能です。




施工前
2015年6月

敷地の左半分が駐車スペースで右半分は花壇スペースでした。


美しく手入れされた季節の草花やバラのコンテナが並ぶ。

今回はカーポートの増設に伴って花壇部分を解体し、駐車場スペースを拡大します。

2015年11月解体スタート!



既存のカーポートは撤去し、4台用を新設します。


カーポート設置後、インターロッキング貼り



カーポートの柱から境界のブロックまでの隙間もアンティーク赤レンガを積んで植栽スペースが完成。

デッキの基礎にコンクリート打設工事。

1月デッキ工事スタート!




リビングの掃出しから出やすいよう段差をなくします。

アプローチの石張りも始まりました。



アコヤのパーゴラデッキ完成!

通りからの視線を隠すため板塀で囲まれた空間になりました。
風通しと室内からもバラを楽しめるよう、上部は透かします。

板材のみ高温乾燥のサーモウッドを使用。
柱と大引き、桟、天板などは全てアコヤを使用しています。




玄関ポーチに直接降りられるようアコヤの階段を設置。




ただいま~おかえり~帰ってきてすぐにデッキに上がって遊ぶYくんとAちゃん

きゃわわ~ん


西側には目隠しも兼ねた板塀を設置。以前は両サイドが生け垣でした。
こちらは強度をそれ程必要としないので、柱はウエスタンレッドシダーを使用しています。
レッドシダーの場合は天板に板金をします。


正面から見ると奥が見えない構成。

お隣との生活スペースを区切る板塀にパーゴラを合わせた設計。
柱を共有しているので強度も出てコストも下がります。


2月塗装工事スタート!

リビングが暗くならないようにということと、パーゴラと板塀にはつるバラを這わせるので、バラが引き立つ明るい色に。
真っ白だと汚れが目立つため、アンティーク仕上げをお勧めしました。


初めにダークブラウンを塗り、二回目はホワイトを塗り重ねます。


アコヤのデッキ床部分は無塗装です。
素足で踏んでも気持ちよく、掃除で塗装が剥げる心配もないですね。
風化してくると周りの板塀と同じような色合いになると思います。


塗料が乾いたらサンドペーパーで擦り仕上げ。

無茶苦茶に汚すのではなく、使い込まれた板のように丁寧に木目を出します。
この作業・・腱鞘炎になるというか筋肉痛というか、とにかく腕力と根気が要ります


作業風景「板塀のアンティーク塗装仕上げの動画」はこちらからどうぞ



擦り仕上げ中。使い込んだような風合いでオーラが出てきました。植物を合わせると自然な印象に。





みんなで座れるベンチを設置。




アンティーク煉瓦の園路工事も同時スタート。
勾配を取って水を逃がします。

園路工事完成。




ガーデナーにとって大切な水周りは使い勝手が悪いと作業がおっくうになりがち

お洒落なアンティーク調二口水栓柱を設置しました

水受けはスペースに合わせて縁石を据え付け、洗い出し仕上げに。




照明器具はガラスの笠で光を360度にほんのり反射させるものを選びました。
足元を照らすだけでなく、デッキ使用時の照明としても。
つるバラを柔らかく照らしてほしいですね




シンボルツリーに迎えられたのは落葉樹の「アオダモ」
家族やお客様をやさしく迎えてくれますね。

庭はバラだけでなく植木も重要、夏のクリスマスローズの日よけとしても期待できます。



写真がないのが残念ですが、この後ご家族全員で土壌改良!
みなさん頑張りました


土壌改良後、施主さまと一緒にばらとクリスマスローズの植え付け。

Mちゃん寒い中頑張ったね
K子さん、重たい残土を大量に袋に詰めました。
そして沢山あった思い入れのある苗や鉢を勇気を出して整理しました。
駐車場が増えて今までよりもお庭は狭くなったけど、ばらを咲かせるために頑張りましたね



可愛いクリスマスローズが咲き始めた時期でした


素晴らしいコレクションの数々!



完成から3カ月後
5月の開花!

わぁ~~
配達が夜になってしまいましたが、圧倒されるぐらい咲いていました!




愛情たっぷりに咲いた花「クイーンオブスウェーデン」


そして完成から8カ月後
2016年10月

花が終わったばかりの時にお邪魔しましたが、葉っぱもツヤツヤで伸び伸び!秋もたくさん咲いたに違いありません。






デッキの手すりにも香りのよい「ナエマ」がコロンと咲いていました


元気に成長しています!!







さあ!今年の春はどんな風景が生まれるでしょう!

K子さん、遅くなりましたが、やっと記事をアップできました!
きっと今頃は寒い中肥料と誘引、剪定など頑張っておられると思います。
風邪ひかないように休み休みしてくださいね

応援していますよ


5月のつるばらに包まれたデッキでお茶を頂くのを楽しみにしています!




「アコヤの空中ゲートの庭」完成のご報告

2017-01-17 00:57:12 | お庭の施工例
車も入れる空中ゲートをアコヤ材とアイアンで作る!

大胆で世界に一つのパーゴラの庭の工事が完成しました.





アコヤは地上で50年腐らない高耐久天然木材です。

年数を追うごとに表面が風化して味わいの出る木材は美しいです。
ところが湿度の高い日本の雨ざらしの外部では木は数年で腐ってしまうのがネックでした。
せっかくパーゴラや板塀、デッキ等作っても数年で腐ってしまうのでは、木材を使わない方が良いという考えにたどり着いてしまいます。

そんな今までの常識を覆すアコヤは、木材の良さを発揮しつつ、外部で植物と合わせても強度が保てるというガーデナーにとって待ちわびた材料です。


「普段車を停めるわけではないけど、来客時や将来子供たちが成長したときには駐車場として使いたい」

そんな空間は是非庭にしましょう。

「駐車場」として考えると限られたことしかできませんが、植物の選定と植える位置を確保できれば、駐車スペースを兼ね備えた庭になります。

普段毎日使う駐車場の上につる植物が植えてあると、車が汚れてしまうのであまりおすすめできませんが、使用頻度の低い駐車場であれば庭として考えることが出来ます。

リビングに面していたり、南向きのスペースの場合、コンクリートを全面に打つと、照り返しで灼熱地獄になってしまいますが、上からも下からも緑に包まれるようデザインされた空間は、気温の上昇をやわらげ、植物の力で癒されます。


デザインの段階から思いが入り、連日図面や材料の拾い出しにかかりました。



こちら一帯はみなさんとても仲の良いご近所さん同士で、大げさな境界を作る必要はありませんが、リビングの正面にお隣のお風呂場の窓があるため、お互いに気を遣われる場面もあるかと思います。

そんな生活スペースの目隠しも兼ねたパーゴラと板塀・・さりげなく目隠ししつつ、奥のテラスにつながる導線の取り方次第で遠近感が生まれる方法を考えました。

3Dでぐるぐるシュミレーションして、回しながらどういう角度で取ったら奥行き感が出るかを試します。

そして日当たり、室内から見える風景、構造物との相性など踏まえ、どんな植物が育つと良いか想像して幸せな空想の世界へ・・。

二年後、三年後、十年後・・植物の生長と子供たちの成長を想像する時間が一番楽しい




工事スタート!
犬走のコンクリート打設工事。
家周りは水勾配を取って清潔に保ちます。



大工工事スタート!


日が落ちてちょっと暗い中の撮影になりました。






大工さんの職人技!


大工工事完成後、塗装工事。

塗装は下地にブラウン、上にホワイトを重ね、サンドペーパーでこすって木目を出します。

擦り仕上げは時間と根気との闘いです。

毎回腱鞘炎になりそうなこの作業、なんと、今回はご主人がご自分で擦り仕上げ!しかもプロ並み!

塗装後、オーダーメイドのアイアンのパネルをゲート部分と両サイドの目隠し部分に取り付け。
風通しとバラが咲いた時の部屋の中からの景色、誘引のしやすさ等考慮してデザイン。


リビングの掃き出し前にはみんなで座れるベンチを設置。
ここから子供たちが自由に出入りできるようになりました。



向かい側にも小さなベンチ。子供が多い地域なのでみんなで遊べるように。
お隣の窓も植物でやさしく目隠し




駐車場として車が入るときのため、わだち部分のみ御影石を据え付け。
ドアを開けて降りるときの踏み石も重要です。


耕運機で土壌改良



暑さに強いヒメイワダレソウ

芽が詰まっている生産者のもの。良い作りです。





初めてお会いしたときから、不思議な親しい感覚に包まれたHさまご家族。

どこかでお会いしたことがあるような・・・というか、もう長いことお付き合いしているような親近感(勝手に)

大切な方を通じてのご縁があったからですねご縁に感謝します!


そして何種類かバラをセレクトした中から奥さまがメインに選ばれたつるバラは「春霞」はるがすみ。



早咲きで透明感のあるひらひらと波打つ花弁がやさしい雰囲気のバラ。

一見バラには見えないかもしれないぐらい、自然な雰囲気のつるバラです。




6月の様子。
数年後にはきっと、絵のような風景が生まれますよ。


そして個人的におすすめした「アルバ・メイディランド」





やっぱり白バラは可愛い・・



毎年つるバラが花を咲かせ、夏には成長して日陰を作り、子供たちの成長とともに庭の風景が記憶に刻まれていく・・
そんな楽しいお庭になりますように


Hさま、先日はお久しぶりにお会いできて嬉しかったです

Nちゃん、ツチノコ見つかった?



なかなかお庭の記事をアップできず申し訳ありませんでした。

来月、バラの施肥に伺いますね  

その時も子供たちに会えます様に・・

二人の対照的な話を聞きながら、ちょっとずつ成長していく姿が頼もしく・・
でもやっぱり変わらない個性に「そうこなくっちゃ!」という安心感を覚えるのでした。

これからも子供たちと庭の成長を見守っていきますよ

年月をかけて、お力になりたいと思います。


いつもありがとうございます!











駐車場と庭のリノベーション工事「つるアイスバーグの庭」

2017-01-09 02:29:04 | お庭の施工例

昨年春に完成した駐車場と庭のリノベーション工事のご報告です。


こちらは当初枕木などを使って、ご自分でお庭を作られていましたが、経年で劣化したことと駐輪場を新たに設置するため、ご依頼を頂きました。

お庭のご依頼やご相談で「狭いから庭を作れない」「植物を端っこにしか植えられない」というお悩みをお聞きしますが、本当は狭いところこそ構成次第でお洒落になります。

Tさま、ご依頼から何カ月もお待たせしてすみませんでした


施工前



家の敷地と接する道路は緩い坂道となっていて、敷地の左右で20センチ以上の勾配があります。
そのままべったりとバリアフリーにした場合、左右で見た目が傾いて見えるので違和感を感じます。

また、大雨の時には敷地の右から左へダラダラとうわ水が流れ、経年で土が削れてきます。
写真でも左の敷地から道路に土が流れ出ているのが見えます。

この勾配の問題を逆手に取ってアプローチに段差を作り、立体的で歩きやすい通路に仕上げていきます。

両サイドに駐車場を作る場合は全てをバリアフリーにせず、歩きやすい段差を上手に取り入れて水勾配を作ります。










2月解体、鋤取り工事スタート!


 鋤取り後、サイクルポート設置。

 型枠とコンクリート打設。


3月 駐車場の石貼り。



道路に勾配があるため、複雑な合わせになりましたが、綺麗な勾配が取れました。






3月 錆ごろた石のアプローチ。




踏み石で段差を取って奥行き感を出したことで、立体的なアプローチになりました。
道路勾配との違和感も解消できます。





アプローチ工事完成!



このあと飛び石工事と土壌改良、植栽も終了。





3月完成時





早春にはジューンベリーが満開。



ご実家から移植のギボウシも芽吹いてきました。




こちらのお宅に初めてお伺いした際、玄関ドアがとても素敵で印象的でした。
ドアの雰囲気とお家のデザインに合わせて玄関ポーチ前につるバラを一本植えることをお勧めしました。


今回10種類ほどセレクトした中から選ばれたバラは「つるアイスバーグ」


つるアイスバーグはステムが長いので、花の重みで枝が優雅にたわみます。

葉も光沢があるので病気に強く美しいです。つるバラは花以外の葉や樹形がとても重要ですが、つるアイスバーグは花がない時期でも美しいので景色になります。

他のバラにはない優雅さと華やかさを持つ大好きな白いバラ、お家の雰囲気にピッタリの上品な品種を選ばれました




数年後には通る人が思わず立ち止まるような景色が生まれると思います。



つるバラはボロ隠しのように考えず、樹形も考慮して品種を厳選しましょう。

雑誌の中のヨーロッパの建物ではなく、今ある家や外構との相性やバランスが大事ですよ。

バラで家を覆うのではなくて、つるアイスバーグが家の美しさを引き立てるのです。

家は本来美しいものですから、傷めつけてはもったいないというか、申しわけないという思いです。




ちなみにつるバラを植える際は、家の外壁から少し距離を取って植え付けます。

高温多湿の瀬戸内地域の環境で木造建築の場合、べったり壁面に植物を植えると壁は苔や藻で汚れ、家の基礎に水気が集まります。
他にもシロアリが来るなどして将来的には家を傷めます。

ヨーロッパで見られるような石造り、レンガ造りの家なら大丈夫かもしれませんが、夏暑く虫が大発生する日本(瀬戸内地域)においては、家の周りは清潔に保ち、軒内は犬走を打つなどして通路を確保しましょう。





7月中旬

玄関前と足元ををさり気なく隠す植栽。

どちらの駐車場からもスムーズに玄関に入れる導線。



ポーチから見た通路。


緑に包まれるあられこぼしと飛び石のステップ。




真ん中の植栽スペースの地盤を少し高くすることで、駐輪場側の水は道路に向かってすばやく自然排水できる。


コバノズイナ、ハギ、シモツケ、アジサイ等、集団で暑さから守り合うように植栽。
真夏に暑い場所は暑さに強い植物でカバーし、陰になるところには奥さまの好みに合わせて山野草など茶花も入りました。




駐車スペースしか取れないと思われる場合でも構成次第で緑溢れる庭が作れます。




Tさま、遅くなりましたがようやくアップできました

来月はつるアイスバーグに寒肥をあげましょうね

今年はどんな花姿が見れるか今からとても楽しみです


これからも一緒に植物の成長を見守っていきますね。

ありがとうございました!!











お庭の見学会

2016-03-20 07:02:24 | お庭の施工例
昨日はYさまご家族をご案内して露花で施工させて頂いたお庭を見学しました。



プランをご検討の際、「板塀の経年劣化やメンテナンスが心配」ということもあり、
百聞は一見に如かずで実際に施工したお庭を見て頂くことをおすすめしました。


団地の中の「夏木立の庭」



「やさしいバラの庭 2014」

今までお庭の見学は私がご案内することが多く、親方一人でのご案内は今回が初めて。

無口で気が利かない親方が一人でお客様をご案内することに不安を感じていましたが、
お訪ねした施主様みなさまがお気遣いくださって、お連れしたYさまと打ち解けていろいろ説明してくださったそうです。

「レトロな空間と芽吹きの庭 2014」




帰ってきた親方からいろいろ聞いて、じ~~ん・・・

お庭の施主様から頂いたメールに じ~~ん いろいろお気遣い下さったんだなぁ・・と。



見学するお庭の施主様は長いお付き合いの中で、大切に築いてきたご縁の方ばかり。

親方の性格も私の心配も重々承知のようです

いつも思いに寄り添ってくださってありがとうございます!


「レトロな空間と芽吹きの庭」

団地の中の「夏木立の庭」

「やさしいバラの庭」




そしてYさま、長い距離の移動でお疲れさまでした!

実は最初に手描きのプランを拝見したとき、「夢がある!」と感心しました。

庭でやりたいことがあるのはいいなぁ~

想像するだけで幸せな気持ちになります

そんな夢を実現させたいですね。



来週も打ち合わせよろしくお願いします、お気をつけてお越しくださいね。


自分が出来ないことで頂けるやさしさに気付く一日でした。

出来ないのも大事ですね








お庭のリフォーム「花野(はなの)の庭」

2015-10-13 00:39:23 | お庭の施工例
春からお声をかけて下さっていたお庭のリフォームが完成しました






施主様の季節感や風情にこだわった自然体のお庭の中で、主張しすぎず自然に咲く秋の野の花のような空間になればと思い、
秋の野の花が咲き乱れる野原、「花野(はなの)」の庭と付けました。

私は一年のうち秋が一番心ときめく季節です。
秋の自然の風景の中には驚きと感動が詰まっていて、毎年新しい発見があります。
年月をかけて毎年驚きと感動をもらえるような空間になればと思います。

・・とはいえ、イングリッシュガーデンのように草花だけで構成すると、際限なく広がって手入れが大変になります。
そんな時は、アジサイや、ノリウツギ、ハギ等低木を植えて大株に育てると野性味が出て自然です。

大株の低木があることで宿根草の成長スペースもコントロールできます。
成長した株自体が自分で影を作ることで真夏の直射日光の熱から根っこを守れます。

低木や宿根草を植えて、手入れの手間を軽減しつつ、季節の花を楽しめる空間になりました


アジサイ「マジカルレボリューション」
こちらは真夏に日差しが強いので土壌改良を念入りにしています。
暑さでヤマアジサイはもたないので、ハイドランジアの美しい品種を選びました。


ノリウツギ「ライムライト」
大株になっても繊細なやさしい樹形です。


エキナセア「グリーンジュエル」
今年は矮化剤で低く咲いていますが、0.7~1mぐらいになる大型の宿根草。
暑さに強烈に強く、花のない時期の切り花としても重宝します。


「ダルマハギ」
ハギはどんな品種でも大好き。

「シュウメイギク」
増えすぎて嫌われる傾向がありますが、風に揺れるさまは風情があります。
市場に出荷されるものは矮化剤で低く咲かせてありますが、来年は本来の草丈(1m前後)になりますので、植え付け場所を考慮してから植えましょう。


「カリガネソウ」親方が大好きな山野草。
冬は地上部がなくなりますが、春から芽を出す可愛い草花。


変わり咲きハイドランジア。

黒実西洋カマツカ 「チョコベリー」なかなかお目にかかれない渋いカマツカです。


ツルバラ「ペレ二アル・ブルー」和風にも合わせやすい自然咲きでナチュラルなツルバラです。





今回は元々あった植栽スペースのリフォームでした。
広いスペースに草が生えて手入れに時間が取られて困るけど、植物は好きなので出来るだけナチュラルに仕上げたいという方にお勧めの方法です。
施工前と施工後の様子を写真でご紹介しますね




施工前

建物とアプローチとの間には広い面積の植栽スペースがありますが、いろんな植物が茂り、足を踏み入れることができない状態でした。


       ⇩
施工中

飛び石を打って植栽スペースの中にも通路を確保。
飛び石は岡山県産御影石。親方がチェーンブロックで据えました。


       ⇩

施工後


小道の脇に日当たりにみあった低木と宿根草、球根を植え付けました。



施工前

アーチは壁際に立てかけてあり、ツルバラ「ピエール・ドゥ・ロンサール」が誘引されていました。
太陽の向きとは反対に誘引されていたので、きれいに育ちにくい状態でした。



      ⇩

施工後

アーチの向きを変えて、通路に設置しました。
これからは太陽の方向に向かって元気に枝を伸ばせます





歩いて通るのも楽しい小道。

つるばらが咲く春が楽しみです





施主様手作りのバードフィーダー

Sさま、長くお待たせしてすみませんでした!
一年を通して変化していく様子を楽しみに見に行かせていただきますね



ありがとうございました!











庭のリフォーム「小道の庭」

2015-07-01 00:05:43 | お庭の施工例
雨が続いて庭の草が喜んで伸びてきました。

これからは草刈りとの闘いが始まりますね


植物は好きだし、草刈や草引きは嫌いではないけれども、この時期取っても取っても生えてくる草にうんざりされている方も多いと思います。


そんなお庭の問題を解決する最優先のポイントは、「通路等、人が歩くところ(導線)が確保されていること」です。





通路がないスペースには満面に草が生え、日常的に手入れに入ることが出来ないので、

忙しくしていてふと気が付くと足も踏み入れられないぐらい背の高い草に覆われていたりします。

さすがに20センチ以上になると、ヘビに出会いそうで怖いですよね。

ちなみに私も今年に入ってハミ(マムシ)を退治しました(親方は殺生をしないので仕方なく・・)



普段お忙しくお庭の手入れを楽にしたいけど、どうしたら良いのかわからないとお声を掛けて下さったKさま。

漫然と植えられた植物の撤去と小道をつけて庭の中に入っていけるようご提案しました。

施工前








施工後



ブルーべりーを二品種、アジサイ、宿根草など足しました。


御影石の飛び石で小道が出来ました。




作業風景

ポストの周りも植物が茂りすぎて、手紙を取りに行くのが楽しくない感じでした。
思い切って暴れる植物を撤去し、御影石で導線を確保。






ポストの横には良い便りを届けてもらうよう願いを込めて「ラ・パリジェンヌ」が咲いています。
手紙や新聞を取りに行くのが楽しい習慣だったな・・って子どもたちの記憶に残ったら良いですね。


家の脇の通路は草取りも楽しくない場所なので、防草シートを敷いて砂利敷きに。

施工前






施工後




草が生えず安全に使用できるスペースに生まれ変わりました。

こちらにはサイクルポートを設置します。

Kさま、お待たせしてすみません

引き続きよろしくお願いします!


4月11日㈯~12日㈰ 「ボラギャラリィ」イベントのお知らせ♪とお庭のリフォーム

2015-04-11 01:11:16 | お庭の施工例


福山市内海町にひっそりと建つ、のじま家大工店さんの古民家「ボラギャラリィ」

古い建物を長く使い続けることの素晴らしさを伝えていくことと、
多くの方に利用され、地域の活性化に繋がることを願って、昭和初期に建てられた家屋をリノベーションされました。



プロの職人集団、のじま家大工店さんの細部までこだわった外壁と内装工事。。

懐かしさ溢れるノスタルジックな空間に夢が広がりますね・・


そんなボラギャラリィさんに若い作家さんたちが集まって明日から楽しいイベントが開催されます。



UTSUMIって”vol.1 in ボラギャラリィ









ステンドグラスや溶接造形、柿渋一閑張など作家さんの作品の展示に加え、
多肉植物寄せ植え(1500円)やお絵かき教室(1500円)、ホメオパシーの体験(1000円)など、
ワークショップも開催されます。

zonokitchenのフィッシュバーガーや、民宿あそびの海鮮丼も味わえるのも魅力的です♪



ボラギャラリィへのアクセスは、内海大橋を渡ってすぐに左折の看板があります。
別れ道ごとに看板が出ていますので、看板を目印にお越しくださいね。
大きな車は入りにくいかもしれませんが、心配でしたらお問い合わせてみてください。


イベントのお問い合わせ・ご予約はコチラ
    ↓
zonokitchen


とっても楽しそうなイベント

是非足を運んでみてくださいね






今回、露花はボラギャラリィさんの庭のリフォームをご依頼頂きました!

のじま家さんの「洋」の要素を入れたいというご要望と、
建物との調和を考え、自然に馴染むよう構造物は和の要素で構成し、植栽につるばらを取り入れました。


施工前

ブロックで作られた花壇の上に石とリュウノヒゲで盛り土がしてありました。
よじ登ってしゃがんで手入れしないといけないので、草取りが大変。
排水が取れていないので、雨水が家や下の隣地に向かって流れます。


施工後

盛り上げられていた花壇を解体し、長石で植栽スペースを区切って新設。
空間が立体的になり、手前の砂利水路で水はけの問題も解消。

あられこぼしの小道の奥にはベンチを設置してもらう予定です。
縁側に座ると、向かい合わせにベンチがあり、家の中と外で共有できるスペースに・・


施工前

部屋の中から見た様子
すぐ近くに植栽マスがあるように感じます。


施工後

GL奥行きが広がったので、遠近感が出ました。
眺めるだけの空間から入り込める空間に。
のじま家大工店さんの職人さんが板塀を設置されました!


施工中・・あられこぼしの小道。

手前の砂利見切りに向けて水勾配を取っています。





ウィーピングスタンダードのつるばらは「クレパスキュール」
野趣溢れる伸び方に暴れながらも気品のある花形。イエローからサンセットオレンジ、内海の夕陽を映したような花色です。


和風建築に馴染むよう、桜棚仕立てにしました。
枝が伸びてくれば竹を組み替えて広げていける素晴らしい工法です。


植えマスの長石は古い古材です。
のじま家さんが用意されたものに岡山産の御影石割石を足し、親方が三日かかってノミ切りで合わせました。





板塀に沿って伸びていくのは「ジャクリーヌ・デュプレ」



「ヒュームズ・ブラッシュ・ティー・セインテッド・チャイナ」


和の調和を乱さず自然に溶け込むつるばらたち。



スゲの中からティアレラ、アスチルベ、奥にはホトトギスなど・・・真夏はクレパスキュールの陰に守られて育ちます。


コスミレサクラ


ハナニラ


ヒューケラ


エゾノコンギク


日本の植物は通常、一年中花が咲いているものはありません。
季節ごとに咲く花を楽しみに育てるのですが、たとえ咲かなくても葉っぱがみずみずして綺麗だったらそれだけで人間も元気をもらえます。


植えたばかりのときに華やかに仕立てるよりも、一年を通して何かが咲いていく庭が大好きです。

植えたことを誰にも気づかれないぐらい地味で何の違和感もない植栽が理想なんです。

それである日突然、花が咲いて満開になったときの家人の感動を想像し、妄想で幸せな気持ちになっています。


花が咲く度に自然と人が集まって気が付くと賑やかに楽しい時間が流れる空間になるよう願っています。



のじま家大工店さん、ありがとうございました!!

改装工事にあたって、解体や残土の撤去など一番しんどい作業をボランティアでお手伝い下さったみなさまに感謝します!


解体中の様子

植物が元気に育っていけるように見守っていきますね








やさしいバラの庭追加工事

2015-03-09 21:34:53 | お庭の施工例


昨年夏に追加工事完了しました!

材木はアコヤとサーモウッドの最強コンビ

アーチにどんな表情のバラたちが咲くのでしょう



親方設計のアーチ。


Kさま、追加工事が決まってから取り掛かるまでに9か月もお待たせしてすみませんでした


今年もオープンガーデンしてくださ~い!!


成長した可愛いバラたちに出会えるのを楽しみにしています



団地の中の「夏木立の庭」

2015-02-03 01:24:32 | お庭の施工例


先日完成しましたM邸、団地の中の「夏木立の庭」




今は真冬ですが、夏の庭で子どもたちの思い出を作れたらという思いから構想を膨らませました。



春秋は外で楽しいのは当たり前ですが、夏こそ植物が旺盛に茂り、虫や生き物が活動する一番楽しい季節!

昔の夏は子どもの楽しみが溢れていましたが、最近の住宅事情や温暖化、綺麗好きで虫嫌いの親が増えたせいか、

夏は冷房の効いた部屋に閉じこもってゲームに熱中する子どもたちが増えています。


ゲームより自然観察を!

冷房より木陰の涼しさを~!

庭にプールを出して遊ぶ~遊んだ後の水で庭の植物に水やりして植物を喜ばせる。

コンクリートや真砂土だけの炎天下ではプールも暑いです。

水遊びで熱中症になるやもしれません


真夏に安心して外で遊べる環境を庭の中に作れたら子どもたちは楽しいだろな。



夕方には家族でデッキで夕涼みしたり、テラスでバーベキューや花火。

毎日聞いてる虫の声が夏の虫から秋の虫に変わっていく瞬間にもYくんは敏感に気づくんだろう。




施主様ご夫妻の育児に対する考えにはとても共感します。

長男のYくんはジブリの作品の中から抜け出してきたみたい!純粋でエネルギーに満ち溢れた男の子です。

工事の間中親方と私はYくんの笑顔と言葉に癒され、毎日新しい発見がありました。

本当にピュアで可愛くて大人顔負けに頭の回転が速い!Yくんロカゲキに登場してほしい~

次男のAちゃんは最初の打ち合わせのころにはまだハイハイもできませんでした。

コロコロ転がって膝元にニコニコできてくれていましたが、半年でみるみる成長!!

スピードハイハイと段差の上り下り、伝い歩きでアコヤデッキとパーゴラベンチを移動できるようになりました。



育った環境で子どもたちの感受性は大きく変わると思うので、これからも庭が感性を育ててくれることを願います







沓脱石は親方のノミ切り御影石。



犬走りのコンクリート下打ち。


ミキサーが入らないので手練りです。




テラスの縁石加工。親方の好きな石仕事。






犬走りの三和土風仕上げ。
すぐに固まる材料ですが、低温のため中々硬化せず、夜10時すぎまでかかってなんとかカキ落とし終了


カキ落とした後に水洗いしますが、水洗いを始めたころから雨が降り出しました。
ギリギリセーフで間に合いました




御影石の縁石を据えた中にアンティーク鉄錆レンガを敷き並べます。


目地が入るとこんな味のある風情になります。






濡縁風デッキは外部で無塗装でも強いアコヤ材を使用。



経年で色はグレイになっていきますが、塗装のメンテナンスフリーの天然材のデッキです。

急ぎの無理を聞いてくださった大工のモリさん、ありがとうございました!


アコヤデッキについての施工例他記事はコチラ





デッキの上でお勉強。




お絵かき・・・おっこちないでね~



今度はパズル



二人でお絵かき




パーゴラはウエスタンレッドシダーを使用。
さりげなく目隠しの役割とつる性植物を這わせて夏の木陰を作ります。


アンティーク仕上げにするため、塗装は2色使い、4回塗り重ねます。


下地のブラウン塗料。

剪定が終わって帰ってきてから里山工房で夜の部、材木の塗装スタート。

ブラウンが乾いた後仕上げのホワイトを二度塗りします。


パーゴラ組立、サンの取り付け。



木目を出すように布ペーパーで表面をこすります。


幕板は木目の綺麗な高温乾燥材サーモウッドを使用。
外部に強く反りや割れが入りません。


親方の表面仕上げに興味津々の二人








キャ~~可愛い~~~






パーゴラには2,5mのウィーピング仕立てのコーネリア。

春が楽しみ



ブルーベリーにも期待が高まっています。




花壇の植栽。お客様を迎えるシンボルに奥様の優しいイメージにぴったりのライラックを植えました。





親方とYくんの共同制作のベンチにちょこんとすわるAちゃん。
水やりに夢中のYくん。


Yくん制作のプレゼント


飛び石。



飛び石から延段。春には緑に芽吹く小道。



春に芽吹いて夏にはデッキにもパーゴラにも木陰ができる。

団地の中ではお隣や近所にはみ出して成長しては困りますよね。

そんな団地でも樹をたくさんは植えられなくても、木陰を作ることはできます。


少ない樹でも夏木立の中にいるような緑に覆われた空間になっていきますように・・



Mさま、剪定と別工事で当初より工期が長くなり、ご迷惑をおかけしました。

いつも笑顔で温かく迎えてくださって、ありがとうございました!!

これからもYくんとAちゃんの成長と庭の植物の成長を楽しみに折々訪ねてみますね



















アンティーク鉄錆レンガのテラス完成!

2014-06-22 15:26:30 | お庭の施工例
最終日は雨になりましたが、やっと完成しました!



アンティーク鉄錆レンガのテラス。


形も厚みもバラバラのため、敷並べる作業に加え、目地詰めに時間がかかりました。




敷き並べ作業の様子。





三種類の大きさをミックスしています。



敷き並べたところから順に目地を詰めていきます。

この目地詰め工、どんなに頑張っても見積り通りに終わった試しがない。

見積りが甘いのか、手が遅すぎるのか・・・





一人で作業のため写真はありません










たこ焼き・・・というより、抑えに力が相当必要です。
休憩も取らず一日中しゃがみこんで目地を抑えているので、肩と腕、指などが痺れて動かなくなります。





目地を入れたところ。
このあと少し時間を置き、目地ゴテで抑えていきます。



親方が京都時代からの目地ゴテ4種。 右から二番目を使用中。



タイミングが難しく、欲張って広い面積に一気に目地を入れると、抑えが間に合わなくなります。




抑えた後さらに時間を置き、ワイヤブラシでかき落としていきます。

重量感のあるアンティークレンガに合わせて、目地も表面を荒れた感じに。使い込んだ風合いに仕上げます。


レンガはキワを特に綺麗にかき落とし、際立たせます。

このとき目地の深さがとても重要です。

目地が浅すぎるとレンガが立体的でなくなり水はけが悪くなりますが、深すぎるとチリが付きすぎて足を取られてしまいます。


かき落とした後刷毛で綺麗に掃除し、レンガを一つ一つ丁寧に洗っていきます。







完成!!




施工前





施工後


2、3年はレンガから鉄分が出てくるので、時間をかけてどんどん詫びた感じになっていきます。


家の前にゆったりとしたスペースが生まれ、家族でお茶をしたり団欒を楽しむ空間になりました。



Oさま、長らくお待たせしてすみませんでした

作業中いつもやさしいお心遣いありがとうございました!


田んぼに水が入ったため、今回の工事は一旦終了して、秋の稲刈り後から再び庭のリフォーム工事に入る予定です