新年が皆様にとって幸せな年になりますように!
昨年はお店(丘の上のつるばらや)や庭工事を通じて沢山のご縁がありました。
お店にご来店下さったり、ホームページを見て庭工事をご依頼頂いた方々、ご縁があったみなさまに感謝します。
以前はブログだけでしたが、最近はFacebookやインスタグラム等のSNSを通じて、沢山の方々と同時に交流できるようになりました。
SNSでも「いいね」等、応援して頂きありがとうございます!
応援してくださる方々のお名前をお一人ずつ拝見しながらページを管理していますので、お知り合いの方はもちろん、お会いしたことない方や遠方の方もお名前を記憶しています。お店に来てくださったときにはどうぞお声をかけてくださいね。
いつも温かい応援、ありがとうございます!
思えば昔はブログで一つの記事を書くのに10時間以上費やしていました。
日中は現場なので、夜中にほぼ徹夜で書き上げ、朝から仕事にいく日々を繰り返していました。
それに比べてFBやインスタはなんと楽になったことか・・!
ただ、お庭の施工例や庭に対する考え方などはブログで詳しく書き残しておきたいという思いは変わっていません。
思いはあれど、昨年は自宅のパソコンが何度か故障し、書いた文章が片っ端から消えるという状況に撃沈・・
お陰さまで日中忙しかったため、夜中はあっさり諦めて眠りに落ちる毎日でした
パソコンはその後何度か修理に出したのですが、故障続きでほぼ使えない状態だったため、昨年一年間のお庭の施工例や考え方などを書き残すことが出来ず申し訳ありませんでした
特に昨秋はスタートから三年かかって親方の思いの丈を込めた庭が完成しました。
施主様には大変ご迷惑をおかけしましたが、親方のこだわりをご理解下さり、いつも温かく迎えて下さってありがとうございました!
三年間の思いが沢山あり、こだわりを一言ではお伝えできないので、徐々にアップしていきたいと思います。
日本庭園以外にも私達の価値観に共感してくださる施主様と出逢うことができ、思いの詰まった庭が沢山生まれました。
こちらも一件ずつ丁寧に書き残して、みなさんにお伝えしていきたいと思います。
新年ということで、改めてバラと庭についての思いを書かせて頂きますね。
バラの庭というとイングリッシュガーデンやフランス式庭園を想像される方も多いと思います。
庭師の中にはバラと聞いただけで派手でうんざりする・・という方もおられますが、
様式やスタイルに対するイメージだけでバラと庭を結びつけて考えるのは少し残念です。
私達はご要望に応じて様々な庭を作りますが、どんな庭であっても日本庭園の決まりごとや排水等を最優先事項として庭を構成し植栽を考えます。
日本庭園には繊細な気遣いや視覚錯覚を利用した遠近感、日本の環境や生活で生まれた知恵と技術、美的センス等が詰まっていて、決まり事が沢山あります。
たとえ洋風の庭であってもバラの庭であってもその決まり事を必ず解決したうえで庭の構成を考えます。
庭のリフォームを検討する場合でも、家や外構全体を無視した構成になるようでは将来的に必ず問題点が出てきます。
とりあえず一部分だけ中途半端に仕上がるくらいなら、急いでやらない方が良いかもしれません。
その土地や環境で生活していくための理由や理想があって、その理に適うことが重要です。
そこに景の美が加わることも重要です。
そんな庭が時間をかけて残っていくもの、価値あるものになると考えています。
そんな考えからも、つるバラを庭の一部に取り入れるご提案をしています。
「庭」は、植物が主体となって構成されたものであれば、その土地の気候風土に大きく左右されます。
この辺りの瀬戸内地域であれば、真砂土や赤ネバ、白ネバの土質が多く、ほとんどの場合で土壌改良が必要です。
土壌改良をすることで、多くの植物が育ちやすい環境を作ることが出来ますが、中でもつるバラは病気に強く成長が旺盛なものが多く育てやすい。
限られたスペースの中でも剪定や誘引で日当たりを確保したり、成長スペースを決めて管理することも出来ます。
お隣と隣接した狭い庭の中でも、柔らかい目隠しとして生活スペースを穏やかに囲んでくれたり、日本の高温多湿の環境でも一本のつるバラが日陰を作ったりする光景は自然でとても癒されます。
その場合、庭を構成する植木や構造物の配置、耐久性も重要です。
バラにとって、日当たりは命ですが、瀬戸内地域では真夏の西日を避ける構成や風の通りを考慮した植栽や構造物が必要です。
ですから、個人の庭に広大なバラ園のようにバラばかりを植えることはお勧めしません。
誘引を頑張りすぎてもイバラ屋敷になりかねませんし、さりげない自然感がなくなってしまったら残念です。
びっちびちに誘引して、野菜を収穫するように出来るだけ花をたくさん咲かせましょうとも考えていません。
柔らかい枝のオールドローズなら、花数よりもあたかも自然に咲いたかのような美しい樹形の方が大事です。
「自然の理に適うように植物が配置されているかか」「庭に美しい景色が生まれているか」いうことを大切にしていますが、
バラは元々いろいろな楽しみ方がある植物なので、どれが正解でどれが間違いと決めることはできません。
ただ、つるバラは圧倒されるような風景を作り出す一方、一輪一輪はやさしく、繊細でさり気ない自然のままの植物だと感じています。
そんな感じ方や庭の魅力を日本の庭師目線でお伝えしていきたいと考えています。
最近ではヨーロッパの公園等でも多くの農薬が禁止される時代になりました。
日本でも無農薬もしくは減農薬で管理し、時代が変わってもバラが次の世代に受け入れられ続けるよう尽力していきたいと思います。
長々とお付き合いくださってありがとうございました
今年も庭や植物を通じて良いご縁がありますように!