私にはこれと言って格段に興味があることとか、熱中してやりたいことなどがない。
がしかし、糸と針をもって布をチクチク縫うことは好きだ。
子どもの頃、母からあまり布をもらっては人形の服を縫っていたことを思い出す。
あの感覚で、今も私はチクチクと手縫い服を縫うことが時々ある。
最近では、もうすぐ一歳になる孫娘に、服やカボチャパンツなどを縫って送った。
大分手縫い作品を作ることに慣れてきたので、今度は自分のワンピースを縫ってみようと思い立った。
手芸屋さんで自分好みの布を買い、どんなワンピースにしようかと考えた。
本を見て型紙を写し用意した後、布を裁断。
縫っていく手順を何度も本を見ては確かめながら、少しずつ縫い進めていった。
そして、今日、布裁断から七日目にしてようやくワンピースが完成した。
ミシンで縫えば、二三日で完成するのだろうが、何せ私は全てが手縫いなのだ。
以前ミシンを持っていたが、引っ越しの時に古い型だったから捨てた。
依頼ミシンは持たない生活が続いている。
それなのに、手縫いで服を作りたいと思ってしまったのだ。
それは自分の性格が原因の一つだ。
私は縫い始めると、できるだけ早く仕上げたくなってしまう悪い癖がある。
とにかく一気にやりたい、仕上げたい。
だからミシンだとバ~~~~ッと縫ってしまい、縫物を楽しむ感じがあまりない。
ならば、手縫いでチクチクやれば楽しめるかもしれない。
そんな単純な発想から手縫いが始まったというわけだ。
これは私には良かったと思える。
ミシンで縫ったみたいに細かいきれいな針目で縫いたい。
まっすぐに目を揃えて縫いたい。
時間をかけて縫った自分だけの服を着たい。
などの思いを実現することができるようになったのだから。
今回のワンピース作りには七日かかった。
毎日時間を生み出しては、チクチクチクチク針と糸で布を縫って行った。
きれいに縫えないと、糸をほどいてやり直しもした。
きれいに仕上げるためには、こうするといいのではないかと考えて
一見無駄だと思えるような作業も取り入れてみたりもした。
一番時間をかけたのが今日の作業で、仕上げ作業だった。
見頃部分とスカート部分を縫い合わせて、
縫い合わせたところに当て布を縫い付けていく。
そこにゴムテープを入れて、ギャザーがきれいに出るワンピースに仕上げる。
この中でも最難関は当て布をつける作業。
見頃はギャザーなし、スカートはギャザーあり。
だから、スカートにいかにきれいに当て布を縫い付けて行けばいいか何度も確かめた。
当て布もまっすぐに縫いたいが、スカート部分の縫い目の下に、同じ長さで縫い目が出るようにきれいに縫いたい。
それは思っていたよりもかなり難しい作業だった。
ダンボールで長さを合わせる物差しを作ってみたり
縫い目からの長さを揃えるために、待ち針を打っていったり
いろいろやってみて、自分が一番いいと思える方法を使って縫うことにした。
そしてやっとやっとできた時には「フ~~疲れたなあ。」という言葉が出てきた。
ゴムテープも入れて完成した時には本当に満足できた。
時間をかけて気長にやるのもなかなかいい、今はそう思っている私だ。
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