静的弛緩誘導法の効果について学会発表

2015年09月21日 | 職員研修・研究発表等

 9月18・19日、国会で安保法案が可決され
た日、直線距離で1000mほどの一橋講堂で、
日本重症心身障害学会が開催されました。

 ひろがりと愛知県コロニー中央病院歯科と
共同で、静的弛緩誘導法の効果に関する研
究をポスター発表してきました。

 

 子どもたちに日常行っている、静的弛緩誘
導法や、それをを基にしたふれあい体操
などを行った時、緊張がゆるんだり、呼吸が楽

になったり口の動きがみられゴックンとのみ込む動

作などが出てくることを、経験しています。
そこで、この誘導法の効果を客観的に調べる
ため8名に、保護者の方の許可を得て、心拍
数と筋電図を測定しました。その結果を検討
したところ、心拍数は明らかに、施行後で低
下し緊張が緩和されていました(下図参照)。

 筋電図では、一部の子どもで筋緊張が明確
に緩む状態を認めました。また、手足にふれて
いくと、口周辺の動きが出たり、嚥下を生じる
例がみられました。ただ筋電図では、ふれる筋
肉に電極を貼りつけるため、測定が不完全な
例もあり、十分な結果は得られませんでしたが、
緊張緩和と口や舌の動きが誘発される例があ
りました。

 この結果をふまえ、今後もさらに調査研究を
継続していきます。今回のような医学系の学会
では、本誘導法は十分認知されていませんが、
このような研究発表を行うことで、少しずつ理解
が広がることを期待したいと思います。

 また学会全体の傾向では、やはり重症児の
在宅支援に関する発表が増加傾向で、様々な
取り組みの報告がありました。

 この研究にモデルとして協力いただいた8名
のお子さん方に、こころより感謝申し上げます。
                        (石黒)