201第19話真実は何か?
ミーターの大冒険
第九部
エピローグ
第19話
真実は何か?
あらすじ
ファウンデーション暦493年、ミーター、イルミナ(?)、ペイリーはターミナスに着いた。ジスカルド・ハニスとは地球への音信以来連絡が途絶え、ターミナス全土を探したが、見つけられなかった。
アルカディア農園は無事だった。ハニスとコンパーが上手に政府の力から手練手管で守っていたからである。
代理人としてジム・ヘンダーという50代の男が農園を維持していた。
ミーターは、ジムの履歴正体をつまびらかにする。
後日、二人はターミナスのアルカディア記念博物館に隣接しているサルヴァー・ハーディン博物館にムン・リー・コンパーを変装して訪ねた。ヘルダーを通して申し合わせしていたからである。
3人(?)は、コンパーからハニスの消息を聞かされる。スミルノに近いダリバウという過疎化が進む弱小惑星にいるらしい。
彼らは一旦、アルカディア邸に戻って、ダリバウの旅程をヘンダーと打ち合わせる。
ヘンダーはダリバウに行ったら、レオナルド・アンセルム・オー・ロドリックに逢うように勧める。
アンセルムは彼らを歓迎した。アンセルムは密かにファウンデーション連合(ターミナスの単独政党ターミナス第一)を苦々しく思っていた。
そして第2ファウンデーション及び反ミュールとの連繋を模索していたのであった。
アンセルムは、コンパーの正体を明かす。彼はコンパーが二重、三重のスパイだという。
そしてアンセルムは、実は廃坑でないここアバンドネには今後の人類の宇宙開拓にとって重要な鉱物があることを教える。
結局、ミーターはハニスには会えなかった。イフニアに彼の潜伏先はターミナス政府に既に家宅捜査に入られていた。
ハニスのグループの一員にハニスはもといたダリバウに戻ったと知らされた。
そして二人はロドリックと別れ、ファー・スター2世号のあるイケヤに戻る。そこでハニスの政府当局による拘束の事実を知る。
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イルミナ ミーターさん、聞こえる?今ロドリックさんからニュースが入って、イフニアで事件が起こったそうです。ハニスさんたちの反乱計画が事前にイフニア政府に漏れて、ハニスさんたち反政府組織が壊滅したというの。
ハニスさんたち幹部は全員拘束され、投獄されたわ。
ミーター う~。またもやターミナス政府が先回りしたんだな!今回の計画も筒抜けになっていたのか?
今回の決起でハニスさんはなにを目論んでいたんだ、イルミナ、わかる限り教えてくれないか?
イルミナ これで6度目の蜂起です。1回目と4回目と6回目がイフニアです。2回目と3回目がスミルノで5回目がフィンジャー。
ミーター ハニスさんはどの程度の勝算があって決起して来たのだろうか?俺が側にいたならなぁと思うよ。
そしてロドリックさんの協力はどの程度なのであろうか?成算あっての計画や戦略なのであろうか?
イフニアの政府もターミナス政府に機嫌をとってハニスさんたちを駆逐して来たんだな。
イルミナ イフニアでの1回目の蜂起では、議会の大半と政府の半分がハニスさんを味方しました。それで反乱者は鎮圧されてしまったのよ。
結局、イフニアの内務省の強硬派がターミナスと結託し、周りの星域に協力を求めて、1ヶ月後に反対者たちを取り押さえて拘束しました。その後ターミナス軍は3年の間、イフニアに駐屯しています。
今また以前のクーデター未遂事件の二の舞なのでしょうか。
最悪、拘束者は全員銃殺刑に処せられのでは?
ミーター 滅相もない。想像したくない光景だ。不吉な言い方、やめてくれ、イルミナ。
イルミナ ごめんなさい、ただ可能性を言ったまでです。
ミーター そうとなれば、ここケリアからロドリックさんのところに戻って、彼と今後のことを相談した方が、よさそうだと、思わないかい?
イルミナ ミーターさん、それには及びません。もうじきロドリックさんがここに来られます。
彼もファー・スター2世号に乗せてイフニアに参りましょう!
あくまでもここはロドリックさんを信用すべきですね。彼も言ってたじゃないですか。イフニア政府は、表面だけは、ターミナスに恭順を装っている、とね。
ペイリー 私もイルミナさんと同じ意見です。
そして、今はロドリックさんとコンパーさんのアイデアにお任せしたらいいのです!
イルミナ そうですね、私の調査では、ロドリックさんのクロムニウムが効を奏しつつあるみたいですよ。
ここダリバウを中心とした星域は、ヴェガ星、ヴォレグ星、ファーマス星、ステッファニ星などが隣接していて、今ではスミルノやシウェナー星域よりも経済的に繁栄して来てます。
そして、
これらのグループが、ターミナスに匹敵するのも時間の問題です。
私の情報では、すでにこれらの星々は完全にハニスさんが掌握されています。大体は、ロドリックさんとの長い間の策謀の成果ですけど。
ミーター イルミナ、よくデータをとってくれた、感謝する。
イルミナ 最終的に強権支配は崩れます。あのクロムニウムのおかげなんですよ。新しいエネルギー源をロドリックさんが密かに開発されたからです。
.....................
ペイリー ロドリックさん。
ロドリック 今着いた。ファー・スター2世号に乗りたくてね!
ミーター 驚きました。さっきアバンドネであなたと別れたばっかりだと。
ロドリック そうなんだ、ミーターさん、今度の政治運動は新しいエネルギーを生む。今のターミナス政権はおそらくあと5年しかもたないだろうな。
最後に彼らはこっちに対して陰謀や駆け引きを仕掛て来るのは必定だ。
どう、出てくるかな。
イルミナさんを守る方策もきっと見つかる。
心配しないで。
ロドリックらを載せたファー・スター2世号は、ダリバウから次の星イフニアに向かう。
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