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ミーターの大冒険 第九部 エピローグ 第21話 ルエリス

2023-02-13 19:47:54 | エピローグ
203第21話ルエリス
ミーターの大冒険 
第九部 
エピローグ
第21話

ルエリス


あらすじ

 ミーターたちはハニスとの再会を期待してイフニアに向かうべく、ファー・スター2世号のあるダリバウのイケアに戻った。

 その時、イルミナからハニスの拘束の事実を知らされる。

 あとから駆けつけて来たアンセルム・ロドリックとともにイフニアに行くこととなり、アンセルムから意外な展望を聞かされる。

 ダリバウからイフニアに行く途中、ファー・スター2世号の前に、12000年に一回というダリバウの太陽とダリバウの衛星ルエリスとの皆既日食が現れる。この現象は、ミーター一行に何の暗示になるだろうか?

 アンセルムは、アルカディア・ダレルの小説を読んでいるペイリー・リャンにペイリーの父ダニールの歴史を、厳かに、そして優しく語る。ルエリスの名前の由来を。


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アンセルム とおっしゃいますと、お父様のガイア、スペーシアとハリの心理歴史学とはもともと相容れない事柄ではないとおっしゃりたいのですね。ガイアの志しはそのままファウンデーションの未来をそのまま保証し、ファウンデーションの展開はそのままダニールのガイア、スペーシアをさらに輝かせる、と。

ペイリー おそらく、今この光景と同じ、この皆既日食を500年前に、地球でガールとウォンダ・セルダンは二人でご覧になられたように思うのです。

 ガールの微細心理歴史学と父のガイア思考の互いの本質はほぼ同一だったのではないでしょうか?これはあくまでもわたしの勝手な想像にしかすぎませんけど。

 この光景に直面しておりますと、どうしても、心理歴史学とスペーシアとが相対するものであったとはちっとも思えないのです。...

 「融合、歓喜、充満、その後の再生」と言われておる通りに。

アンセルム ペイリーさん、心から同意いたして、宇宙の大霊に合掌いたします。

 もしや、お父上はあなたをここまでこられるように仕組まれたのは、この真実をあなたを通して体現されようとされておられるからでありましょう。

 あなた様はガイアのお生まれです。そして今第1ファウンデーションの若き貴公子ミーターさんのもとにおられます。

 そして、実はもうすぐあなたの従姉妹様が第2ファウンデーションをうまく誘導されるはずです。

 そして、そしてあなたの妹様は、この銀河を離れて、ガイアの念願の、遥か外域にギャラクシアを延長されるでしょう。それがスペーシア!

 もしや、今我らが直面している最大の問題、「ファウンデーション」の存在意義、イルミナさん、いや、「銀河帝国辞書編纂図書館」の存亡は、あなた様ペイリーさんにかかっておられるのでは?

ペイリー アンセルムさん、あなたはなぜそんな先まで見通せるのでしょうか?貴方は預言者なのですか?予知能力の持ち主なのですか?

 わたしはただ、心から父を尊敬し、ミーターさんを支えるように言われてここまで来ただけです。

 どうぞ、あなた様のお力で、ミーターさんをお助け下さい。そしてターミナスの命運を明るい方に導いて下さい。

 イルミナさんをお救いください。

アンセルム ペイリーさん、わたしのできますことは何でもいたします。残念ながら今は、イルミナさんをお救いする妙案は浮かびませんが、何かの手立てはきっとあると思います。いいえ、その答えは、あなた様が握っておられるようにしか、わたしには思えてならないのです。

 ペイリーさん、この月の名前がルエリスだと言うことが、わたしには重要な事柄のように思うのです。

 実に、あなたの父上は、かつて銀河文明の曙の時、偉人ルエリスを生み出されました。その時、誰もが人類に輝かしい未来が来ることを信じていました。

 しかし、それは結局悲惨な結末となってしまいました。それは一抹の淡いシャボン玉のように突如として終わりを告げました。

 それ以来、お父上は、人類の運命の背後に虚無の「混沌」が息づいていることを知り、飽くなきそれとの格闘を続けて来られたのです。

 そして今、お父上は、ご自身の寿命が尽きるのを感じられ、あなた様とミーターさんを後継者に選ばれたのです。

 しかし、この光景(皆既日食)は、宇宙の大霊が我らにもう一度新たなルエリスを見せようとされておられるように、わたしには察せられますが!

 あなた様のお力とミーターさんの知力がうまく溶け合って、今後、この「混沌」とうまく付き合って行く光明を開いてくださる、とわたしは信じております。

ペイリー なんとまあ!「混沌」とは克服するものではないと?

アンセルム ええ、うまく付き合って行く、ということでしょうか!
 僭越ですが。

ペイリー お仰せ、心して承りました。心から、あなた様に感謝いたします。

 ところで、このダリバウの衛星に「ルエリス」という名前を最初につけたのは誰でしょう?

アンセルム さあ、わたしにはちょっとわかりかねますが。ただ、推測するだけはできます。

ペイリー それについては、わたしも推測はできますよ。
 「漂泊のシンナックス」であったという。

アンセルム わたしもそう想像しております。


淡い光が降っています

2023-02-13 17:28:00 | 窓の扉を開けて
星々のあいだに霞む
悲しくも懐かしい街並み

幼い日々に懐かしんだ
母の子守唄のひびきにあわせれて
梶を漕ぐ

ときおりお月様の弦がきしむ

近づいているのでしょうか
そうでなかったら
なごりを惜しんでいるだけなのでしょうか

それでも
どこかでしっかりと
母の声はわたしをいまでも包んで

新しい言葉としっとりとしたぬくもりで
淡い光となっていくべき道しるべを照らしてくださっています

https://youtu.be/pmBddVtagbM




Yi Yin  「淡い光が降っています」

これくらいだったかな

2023-02-13 05:31:37 | 窓の扉を開けて
日に日に明るさはましてきます
海浜公園にも週ごとに家族連れが増えています

訪れるたびに新たな発見があるものです

暗いと勘違いするのは間違いかも
月日は年月を飛び越えて
裸足の男の子が駆けづり回っていました

公園のマーケティングです
去年の計測はどうだったかな?
来年の計測はどうだろう?

太陽のコロナは
冠(かんむり)を表し
ギリシャ語のコロネーが語源
ガーランド(小旗のつながり)の意味

強さと輝きは年月を越える

背も足も垣を超える
親子さんの顔もほころぶ仕掛け

ケルヴィン卿が発見した化学の単位
絶対零度はセルシウス度で −273.15 ℃0ケルヴィン
コロナの温度は十万ケルヴィン
子供の発育を望む親の願いそのまま

yatcha john s. 「子の足計測も百代の過客」
写真はひたちなかの海浜公園




ミーターの大冒険 第九部 エピローグ 第20話 新たなヴィジョン

2023-02-13 05:22:42 | エピローグ
202第20話新たなヴィジョン
ミーターの大冒険 
第九部 
エピローグ 
第20話

新たなヴィジョン

あらすじ

 ミーターたちはハニスとの再会を期待してイフニアに向かうべく、ファー・スター2世号のあるダリバウのイケアに戻った。
 その時、イルミナからハニスの拘束の事実を知らされる。
 あとから駆けつけて来たアンセルム・ロドリックとともにイフニアに行くこととなり、アンセルムから意外な展望を聞かされる。

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アンセルム ペイリーさん、実に素晴らしい光景の舷窓で、何をお読みかな?このSダリバウがダリバウの衛星ルエリスを包むのは12000年に1回と言われています。この淡い光を頼りに何をご覧になられているのですか?

ペイリー これは小説というものです。ミーターさんの貴重な持ち物をお借りしました。アルカディア・ダレル様の『続・何度も何度も繰り返されて』です。
 ミーターさんがアルカディア邸から地球探索に向かおうとされていた時、ファー・スター2世号にアルカディアの数多くの遺品から持ち出された宝のようなものだと聞いています。

アンセルム 存じております。アルカディア様は他にも何冊か本を出されております。私も何回か読んだことがあります。
 実に深遠な出来事と息を飲むような真実と気迫ある文体で、流れるような詩情に満ち満ちておりますね。
 そこに紫色でアンダーラインが引かれてありますね。

ペイリー 今この行にさしかかったところです。

アンセルム どのような文でしょうか?アルカディア様がご自身でおばあ様の文章を引用されてご自身の本のこの行にアンダーラインを引かれたのですね。

ペイリー そのようです。
 強調の上更に強調されておられます。
 アンダーラインの前の文からお読みしますね。アルカディア様はおばあ様ベイタの文章を引用されて、次のように書いておられます。

 「ここはガールの発見のなかの大発見、宇宙の真実のなかの大真実。ガールはハリとダニールから言い付けられた地球探訪に赴く。その真の目的とは、なんだったでしょうか?
 ダニールに残る一抹の疑問。それは彼が目論んだガイアの希望は、ハリの心理歴史学を果たして補完できるのであろうか?はたしてガイアが残り、ファウンデーションの第1と第2も消滅してしまうかも知れない、という不安。
 ガールは、地球探訪を終えて帰路、ファー・スター号の中で夢を見た。
 地球のいつの時代かわからないドイツという地域の深い森の中。
 ハリとダニールが出会う。
 まず、ハリが、言う。

 ダニール、君と今、賭けをしたい。一千年後、『銀河百科辞典は版を重ねているだろうか?』
 君の考案したスペーシアが成功し、純然たる単一性が実現すれば、次の千年紀には書物も辞典もなくなっているだろう。
 しかし、わたしが正しければ、人々は知識の集成を出版し続けているはずだ。
 わたしが正しければ、『銀河百科辞典』は、我々の子孫によって、受け継がれていくはずだ。

 ハリ、君の『銀河百科辞典』編纂計画のファウンデーションというのは、銀河復興のためのほんの手始めの見せかけ、口実ではなかったのでは?

 ダニール、君はわたしを補佐しようと地球まで赴き、地球古代、地球自体の心、ガイアに触れたのではなかったのでは?

 左様、ベニサラの魂を身に受けた。

 それでは訊こう。ベニサラが若き武将をヤマブキ(後の江戸、東京)を拓かしめた精神とは?

 ハリ、それは分かっている。兼明親王の和歌をヤマブキに添えて献上しただけであった。
 次のような和歌だ。

『山吹は七重にも八重にも咲きますが、実が一つも育たないのに貸して差し上げられる蓑が一つもないのが残念です。』(The yamabuki blooms in both seven and eight layers, but it is a pity that there is not a single straw rain coat to lend to prevent even one fruit from growing.)

 ダニール、もう言うことはない。わたしの人生にもわたしの夢があった、というものだ。君がわたしにくれた中では、ドースという最上の宝がある。これで十分だ。

 君はよくこの銀河を二万年に亘って支えてくれた。おそらく、この銀河の歴史は君の誇りで満ち満ちている。飽くなき文芸復興を成し続けてきた。ルエリスから始まり、リンゲイン、サークと。そしてサンタンニで終わった。
 わたしがこの賭けに勝てば、もう1回、サンタンニから銀河復興を初めてもいい。

....

 ハリはダニールの肩を叩き、踵を返して、森の奥に消えて行った。」

アンセルム ペイリーさん、どうされましたか?泣いておられるのですね!

ペイリー ロドリックさん、文学というものは不滅です。このわたしにダリバウの太陽が優しく教えてくれてます。父もハリも、ベイタ様もアルカディア様も、そして今イオス星におられるドース様もわたしの気持ちと同じでしょうね!