花合野川(かごのがわ)沿いの谷間に広がる湯平温泉街。
温泉街の通りには江戸期に作られた石畳が敷かれ、その両側に飲食店や土産屋、共同浴場、旅館が並びます。
その効能の高さから、古くから湯治客が多く訪れ、鎌倉時代にはすでに湯治場として開けていたとされます。
■湯平と山頭火
ここ湯平というところは気にいった。いかにも山の湯の町らしい。石だたみ宿屋、万屋、湯坪、料理屋等云々、おもしろいね
、、、、、、。
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この温泉はほんとうに気に入った。山もよく水もよい。湯は勿論よい、宿もよいという訳で、よく飲んでよく食べて、よく寝た。ほんとうによい一夜だった。
昭和五年十一月十日、十一日「種田山頭火行乞記」より
四方なだらかな山に囲まれて、そして一方はもくもくともりあがった由布岳である。
由布岳はいい山だ。おごそかさとしたしさとをもっている。
中腹までは雑木紅葉、中腹から上は枯草、絶頂は雪、登りたいなあと思う。
ここは由布院中の由布院ともいうべく、湯はあふれているし、由布岳は親しくみおろしている。
山々夕陽時という、私は今日幸にして、落日をまともに浴びた由布岳を見たことは、ほんとうにうれしい。
宿は評判だけあって、気安くて、親切で、安くてよろしい。
さらに、ぶくぶくと湧き出る内湯はもったいないほどよろしかった。
ここちようねる
今宵は由布岳の下
寝たいだけ寝たからだ
湯に伸ばす。
昭和5年11月12日
-山頭火-
昭和5年11月12日
-山頭火-
■湯平・金の湯
金の湯は以前は源泉に多量の土が混じり、黄色い色をしていたためにこの名がついたそうです。その後湯量減少に伴う近年のボーリングにより現在は透明なお湯となっています。
金の湯は以前は源泉に多量の土が混じり、黄色い色をしていたためにこの名がついたそうです。その後湯量減少に伴う近年のボーリングにより現在は透明なお湯となっています。
入浴料:200円
先日寄ってみたら「源泉修理のため閉鎖中」でした。(2019.5.26)
■湯平・砂の湯
川を渡って10段ほどの階段を降ります。川面より湯船の方が低く、以前は川底の砂地から温泉が湧出していたので砂湯と言われるようになったとのことです。
浴槽は比較的小振りで、4人が入れるほどの大きさですがそれを一人で入るのは気持ちがよいものです。天井の高いのもよし。
入浴料:200円
2006年にリニューアル。脱衣場はやや狭く、コンクリート造りの浴室の中に檜の縁取りの浴槽があります。外に出るとベンチがあります。あたたまった体に風が気持ちよい。
秋風の旅人に
なりきっている
山頭火
■湯平・橋本温泉
湯平温泉の無料駐車場から歩いて最初の共同温泉。湯平にある五つの共同浴場のなかでは一番新しく造られたものです。それでも大正11年。さっぱりした気持ちのいい共同浴場です。
■湯平・志美津旅館
「大洞窟温泉」
露天風呂
巨岩をくりぬいた大洞窟温泉が名物の老舗宿。露天風呂もある
大正時代からの老舗宿で、巨岩を積み上げた大洞窟温泉が名物。
入浴のみの利用ができ、ほかに滝を望む男女別の庭園露天風呂がある。露天風呂と洞窟風呂は行き来ができる。
入浴料:500円
■くれない温泉「幸せの湯」
湯布院町のはずれ下湯平にある赤茶色のお湯の無人の共同浴場。
1997年に町が地域振興策の一環としてボーリング調査したところ赤い温泉が湧き出したそうです。その時つけられた名前が“くれない温泉”。
その後泉質が変わり、無色透明になったり黒くなったり緑になったりしながらも今は元の様な鉄分の多い赤いお湯に戻っているとのことです。
現在休業中のようです。
1997年に町が地域振興策の一環としてボーリング調査したところ赤い温泉が湧き出したそうです。その時つけられた名前が“くれない温泉”。
その後泉質が変わり、無色透明になったり黒くなったり緑になったりしながらも今は元の様な鉄分の多い赤いお湯に戻っているとのことです。
現在休業中のようです。
あったとしたらお見舞い申し上げます。