最近は自分で運転もしないしタクシーに乗る必要もなく電車で移動する。
電車の中や街中で見かける若者達のジーンズは膝などにほころびが有り、何も着古して破れたのではなく、ファッションであること、又昨日今日始まった事ではない事等、リリオーは知っている。でも、その昔、初めてそんなジーンズを見たときは驚いたね。
「あんた、破れてるで、お母さんに継ぎ当てしてもらわなあかんのと違う?」と言いそうになったが思いとどまって良かったと思っている。
昔、リリオーが子供の頃、母はソックスのほころびを裏に生地をあて綺麗に手当してくれた。姉の着古したセーターをほどいて、火鉢に乗せた茶瓶が沸騰するのを待って湯気で毛糸を伸ばしそれを器用に編み直しリリオーのカーデガンに編み変えてくれた。嬉しかったが、お金持ちの友達が多く、繕いしたソックスや編み直した毛糸編みを着ていなかったので恥ずかしかった。でも、忙しい母は寝る間を惜しんで直してくれたんだ。
そんな子供時代を過ごしてきたから、いくら流行だからと言っても破れたジーンズをはく気はない。
何故、こんな事を書くかと言ったら知ってる男の子、男の子と言っても25才くらいかズック靴の親指部分が破れているのを履いていた。
「破れてるね、それも流行?それとも買い換えようと思ってるの?」
ジーンズと一緒、ファッションと言われるかも知れないと気遣いながら聞いた。
「うん、もうあかんな、買わなあかん、でも俺、親指が長いから」
そうか、やっぱりファッションではなかった。親指が長いから破れる確率が高いんだと納得しようと思った矢先、
「爪が伸びすぎているからな」
エエ?爪が伸びすぎ?伸びすぎたら切れよ、爪を切ったら靴も破れずに済むんや、爪を切ることもしないの?いや、爪を切ることを知らない?まさかね。解らない時代だよ。
昨日書いた幕末時代には使われていた言葉、4点。どれに当てはまるかと思うリリオー。現代は言葉を選んで言わないといけない時代だから言わないけれど。
ホンマ、難儀な時代でおます。付いて行けまへん。
お母ちゃん~靴の破れたとこ、縫うたって!それとも爪切ってやって!
明日はお彼岸、頼みに行かなあかんわ。